キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのレビュー・感想・評価
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凶悪
宗教映画ではありませんが、信仰についての映画でした。 信じるもの、信じる人の危うさ、それでも信じる力の強さ。歪んだ信仰は人の目を曇らせる。曇った目でしか世界を見られない人たちの物語だと思いました。 予告見た時点ではディカプリオのオーバー演技が気になりましたが、やっぱりそんなことはなく本当にそういう人にしか見えませんでした。すごい。 アメリカ創世の話ではありませんが、アメリカってこういう国だよねという、スコセッシのアメリカ論をじっくり堪能した3時間半だったと思います。 ただ、とっても斬新かつ滑稽なエピローグがあるのですが、エピローグをあの形にした意味を、エンドロールの音を聴くうちにストンと腑に落ちて、スコセッシの「表現」に対する飽くなき実験にただただ脱帽するしかないと思いました。
濃密
3時間半の長尺も、濃密に展開されて飽きさせません。 ディカプリオとデニーロの共演も見物です。 願わくばインターミッションを設けて欲しかったです。。 途中でチラホラトイレ休憩らしき人達が可哀想でした。
インシュリン
長く感じない映画でした。 人間の嫌な部分、欲得をスリリングに描いていて、まったく飽きさせないところがすごい。 なんとなく展開は読めるのだが、先がどんどん気になっていく。引き込まれていく作品。 やはり、監督と主役が見事なのだろう。 ディカプリオ演じる主人公の汚い部分をよく表現しているのがさすがです👍 基本的にディカプリオ作品は面白いので、なるべく観てます。 あと、家族は大切にしよう(^^) 映画最高!
身につまさらるダメさ
娘と観てきた。上映時間も結構長いから観るかどうか悩んだが、場合によっては劇場でスコセッシの新作を観るという機会がラストかもという思いもよぎったので鑑賞したら傑作だった。フレッシュで、まだまだ作品撮りそうだから最後なんてことは無さそうな勢いだった。
娘は結局のところディカプリオが何をやりたいかサッパリ分からんかったという感想を述べていたけど、ホントにそんな映画だった。その場その場で流されて、保身の為だけに行動する小さな人間のどうしようもなさ、ほとんどそれだけを描いていて、しかし何気ないやりとりのひとつひとつがそれぞれの思惑を何層にも含んでいるからスリリングで、演出、演技、編集の力と相まって、時間を感じさせない面白さだった(とは言えもう少し短くして欲しかったが)。
それにしてもディカプリオ演じる主人公のダメっぷりは徹底していて、叔父に言われて糖尿病の薬に混ぜていた液体が本当に妻の身体を楽にする何かだと、愚かさから信じていたのかも、少なくとも妻という他者だけは本気で大事にしていたのかも、という観客の淡い期待を最後の最後に裏切る最低なキャラクターでありながら、その脈絡のない行動にはどこか自分自身や自分の周囲の人間の姿が重なって、何ともいたたまれなくなったり、自省を促されてしまったりさせられた。
あと、デ・ニーロ。凄い役者なのにわりと何でも出演するから、最近では相対的に何となくエッジを感じなくなっていたけど、スコセッシと組むと迫力が違って、ディカプリオとの新旧スコセッシ組の演技合戦は見応えがあった。それとブレンダン・フレイザーも良かった。ハムナプトラの頃から今までに色々あったらしくて容姿もすっかり変わっていたけど、かつてのヒーロー的な佇まいと愛嬌に加えて、その裏側に仄暗さも感じさせる雰囲気をまとっていて、個人的にちょっと思い入れのある役者でもあったので、今回の捜査官役のハマり具合は嬉しかった。
というわけで、わりと当たり外れのあるスコセッシ、今回は当たりの作品だった。次回作もあるかな。次は2時間無いぐらいの、コンパクトにギュッと締まった作品を観たいところだが。
長い…
内容、仕上がり、俳優の芝居、あらゆる素晴らしさを長さが打ち消してしまった。 もっと工夫するか休憩いれて欲しかった…そういえば昔は休憩入りの映画あったよなぁ、と途中で考えごとを。 ディカプリオはうまく歳をとったなー。 ただし長くて辛いのは身体だけで、脳ミソは大満足😊 ちょっと福田村事件との類似も感じた。 あとヒロインが誰かに似てるけど誰だっけ…誰だっけ…と思っていたら分かりました。モナリザ。
3時間半などなんのその!
なにしろ3時間半という長丁場に備えて、前夜より飲食を絶って臨むという、あたかも内視鏡検査を受けるかのような覚悟を持っての鑑賞でございました。 わりと淡々とした進行でアクションも抑え気味なので、退屈しそうな感じですが、丁寧に作り上げたセンスが光る画面の連続、編集の妙、見事な音楽、そしてもちろん役者揃いのアンサンブル。 重苦しい雰囲気を過不足なく描く力量はさすがの職人監督です。 そんなこんなで退屈どころか良質の長編小説を読み切ったような満足感にひたることができました。 ただひとつ、エピローグの演出は面白くはありましたが、本編の雰囲気にはそぐわないような気がしました。監督本人が出演するほどですから思い入れはあるのでしょうがね。 結論を申しますと、3時間半など恐れるなかれ!と、あいなります。
さすがに途中の記憶なくなりました(笑)
実話でレビューも高評価であっという間と言う事で挑戦(?)しましたが、民族的な話はイマイチ興味ない為、ダウンしてしまいました。良い話しなんでしょうけどね〜
悔しいけど面白い
まずは3時間越えの映画なのに
トイレ問題、お尻耐久レースともに難なく完走できました👏
これもひとえに、作品の面白さによるものでしょう(笑)
(相性もある)
レオナルド・ディカプリオ
かつて、天使かと思えるほどに美しかった青年から
これほどまでに武骨さが滲みだし
苦虫を噛み潰したような表情で、常に自信もなく
頼りなさが全面に出た役を演じた事があったでしょうか。
2015年の「レヴェナント:蘇りし者」では確かに
武骨さはあったけれど、自信に漲った役どころでした。
その彼が今回演じたアーネスト
英雄として称えられる帰還兵のダメ男っぷりが
妻モーリー(リリー・グラッドストーン)だけではく
観ている側も歯がゆく、イラつかせ、でも憎めない。
口角を下げ、少し上目遣いのあの頼りない眼差しは
今までに観た事がなく、今回の彼の演技の秀悦さは
本作の肝となっています。
ディカプリオは「かっこいい」だけの役者ではなく
まさに「演技派」として成長し、
これからもますます期待できますね。
そもそもスコセッシ監督作品に
デニーロとディカプリオの豪華共演って贅沢です。
人間のどす黒い欲望、金に群がる白人、権利の強奪のための
殺人はいとも簡単に実行される。あぁ恐ろしい欲深き人間。
反面、モーリーとアーネストの「愛」の物語でもありました。
悔しいけど、必見です。
追記)
ロバート・デニーロの強欲で無慈悲で不気味で
憎たらしい役どころが最高なのは、もはや当たり前なので←
手抜きではないです(笑)
.
至高の3時間
言葉を失う芸術作品!映るもの全てがノスタルジーで美しく。それでいて本能剥き出し。容赦のない石油頂上決戦。コントラストがすぎて翻弄されまくるディカプリオさえ愛おしい。乱れ咲く贅沢な3時間!
内容が攻めすぎてて最高
スコセッシ作品の中でもトップクラスの完成度 軽く見れる作品ではないが、見ごたえは今年一番だと思う。 食事に例えると高級レストランのディナーだ。 定食やで食べたい観客は長さに辟易するだろう。 だた、その分ストーリーのち密さ、演技の意味など様々な点で余韻が長続きする。 因みに私はしばらく気分がいい意味で悪くなりました。 ハエとラストシーン、キングとモリーなど多くの印象的なシーンがある。 ネタばれになるのでが、ハエについては鑑賞後意味を調べてみることをお勧めします。以外と解釈が広がりました。 最後のシーンは完全に自分たちがこれをネタにどれだけ楽しんだり、利用したりしたかを伝えにきてきましたね。カメラワークと音響的に自己批判も多少してる気がしました。 感服しました。
大作然とした作品
登場人物人物が多くて、途中話が見えなくなりますが、要は白人によるインディアンの権益侵犯の物語であることを押さえておけばOKです。 人物の内面が中心なので、ドラマチックやサスペンスは希薄ですが、いかにも3時間超えの大作然とした格調が感じられます。 確かに3時間20分が2時間半くらいに感じられるような素早い展開はスコシ選手ならではの職人芸ですね。 但し、長くてかったるいという感想へも十分に理解できます。
デニーロとディカプリオ
見てるだけで3時間あっという間。特にディカプリオ、若い役は少し無理あったけど頭の悪いダメ男っぷりがすごい。面白いかと言われれば微妙だけどなんか引き込まれる。オーセージ族の女性のモリーの美しさも良かった。
フラワームーン
幸いにして映画作品として俯瞰でみえているけど あーゆうアーネストみたく天然で純粋なおバカっているな。 自分という個が希薄なぶん流されるまま何でもやってしまう怖さ。 犯罪に加担してると自覚しながらその自分に蓋して、目の前の幸せや享楽でそれを誤魔化すひと… 半径1メートル?くらいしか見えていない、愛らしく哀しき犠牲者にうつった。 遠目から眺めてる分には良いが近寄りたくはない。 さながら闇バイトのぬかるみにはまっていく人か 相続で揉めて一家離散なんて話はよく聞く 兄弟は他人の始まりっていう慣用句は真実かもしれない。 しかし血は水よりも濃いってのも真だし… だから権謀術数、私欲で狡猾に周囲を陥れていくヘイルだが、甥御の娘の死を一緒に嘆いている(と思いたい)姿には、なかなか勧善懲悪な作品ではみられない可笑しみを感じた。 アーネスト、ヘイルそしてモリーも含め、人の機微というか明暗というか表裏というか自己矛盾といか、をまるごと描いていて印象深かった。 親子や夫婦や血縁や友情や、何かとソレらしく語られる「信頼」や「絆」。 その危うさと脆さをみた。 あとちょっと長い気も
1920年代インディアンが豊かに暮らす社会で起きた実話をもとにした映画
1920年代に起きた実話を元にした映画。 スーツを着こなしクルマを乗り回す裕福なインディアン達(オセージ族)の街が登場する。彼らの中には白人の運転手や白人の女の子をメイドとして雇っている者もいる。初めて見る不思議な社会が描かれる。この裕福なインディアンを食い物にしてやろうと白人の悪党どもが暗躍する。結局、この悪党どもはインディアンなど人とも思っていないので、彼らの財産を奪うため、平気で騙し、ぼったくり、悪法を成立させ、そして次々とインディアンを殺していく。主役のディカプリオのダメ男(小悪党)っぷりは憎たらしいのだが、インディアンの妻を愛していたり、何せ主役だから感情移入して憎みきることはできない(ディカプリオの上手さなんだろうな)。ディカプリオを利用し、慈善事業などでインディアンの心を掴んでいるロバート・デ・ニーロの悪党っぷりはひどい(悪事を働くことになんの躊躇いもない)。 なぜこんな社会が成立したのか、そしてどのようにして彼らの財産を白人達は掠め取っていったのか、またアメリカ社会はどう動いたのか、興味深いのでこの映像で是非確認してください。 スコセッシらしい視点からのストーリー展開である。3時間半にわたる長い映画だが、ひとつも飽きさせることのない素晴らしい作品である。
傑作 欲に勝てない人間性、愛情のもろさの哀しみ
冒頭、画面からはみ出す迫力が一気に連れていく興奮。
そして、なんといっても形容しがたい神秘性をみせる先住民オーセージ族たちの自然とともにある姿。
瞳が物語る純粋な野性、ことばに滲み出る古くからの魂の重みや精神の宿り。
そんな空気のひとつひとつを味わおうとする自分はもはや瞬きを忘れている。
生物としての本能をくすぐられるのか。
虜になる心がなにかで満タンになる。
なかでも嵐の晩の光景がすばらしい。
そこにはアーネストのそばでモーリーが静かに祈りを捧げる毅然で美しい姿がある。
先住民の地球に共存する為のバランス能力を感じさせ、知恵が伝統として染み付いていることを垣間見る。
その時、まるで異なる生き方をしてきたと思われるアーネストがぐっと本気で彼女に惹かれていく様子が手に取るように伝わるのだ。
それなのに…だ。
人間の欲の恐ろしさと明らかに描かれている人種差別、そのなかで失う理性が怒涛の勢いで襲いはじめる。
オーセージ族がそれまでも不可解な死を遂げてきたのにもかかわらず、検証されず簡単に捻じ曲げられ葬られてきたこととその理由が徐々に判明していくのだ。
大地を尊び潤沢な資源を享受してきた先住民たちにとって、天災よりも猛獣よりも恐ろしいのは人間のエゴそのものだった。
実際にあった話として、私利私欲の極み、引き換えになるものへの最悪の侮辱に微塵のためらいをみせない人間の様子は相当に恐ろしく残酷だ。
深く刻まれた眉間の皺が渋すぎるアーネスト(ディカプリオ)が、さらに渋くてひと癖ある叔父ヘイル(ロバート デ・ニーロ)の偽善に満ちた情け容赦なしの悪だくみに加担していく様子は、本当にがっかりする。
なぜって、あの時もその時も、モーリーの瞳にいるアーネストの愛は確かにあった。
絶対にあった。
だから余計に辛いのだ。
欲に踊らされた沢山の人間の弱さに翻弄された史実に基づく哀しみの物語は、見事な脚本、監督のすきのない采配、おしみない演出、演技、装飾、ダイナミックさと美しさ、憎悪にゆがみきった見事な描写を映像にして畳み掛け、約束3時間半が2つの種類のため息でいっぱいになるうちに印象的なラストを迎える。
それにしてもそれにしても歳月と経験は魔法だ。
貫禄ありあまるこのディカプリオは、タイタニックの時の美しく透明な彼なのだから。
この佇まいには実在する人物いやそれ以上(?!)ではないかと錯覚すらするほどの生命の息吹があり、ロバート デ・ニーロのラスボス的オーラを潔く追いつめんばかりの演技で終始震わす。
近頃値上がりしたチケット代が、全く高いと思わない重厚なものを制作に関わる全ての人力に観せてもらった気がする。
あぁ、脱帽とはこの事だ。
狙われたオセージ族
今年見た中で一番の長さ。トイレに行かなかった。頑張った。それはさておき、金のためにあっさり人を使って殺すのは、2サス級なのだが、起承転結が自然に流れるように描かれていたので、納得の長さだったと思う。最後の顛末も普通なら字幕で済ませそうなものも、朗読劇風にしていたのも粋だった。モリーは疑惑をもってしてアーネストと結婚したのか、それとも結婚してから疑惑を持ったのか、それが謎。
スコセッシ、今だ衰え知らず。
はじめは206分の長さに怯んでいましたが、役者の演技や巧みなストーリーによりそれほど長いという体感はありませんでした。アメリカの歴史の暗部を見事に映像化してました。 ディカプリオ、デニーロのクセ強演技は言わずもがな、モリー役の女優が物語の良心の重しとして機能していて、すごい存在感でした。これはアカデミー助演女優賞はあるな、と思いました。 そして、スコセッシ。衰え知らずでした。特に無機質にあっけなく人を殺すシーンは彼の専売特許でしょうか笑 最後にまさかの本人登場シーンがありますので、お楽しみに。
今年観るべき映画の一つではなかろうか
凄かった。 評判通り、3時間半を全く感じさせない面白さ。中弛みなく集中してしまったよ。 アメリカの歴史上、先住民と移民である後から入ってきたヨーロッパ人との戦いの痕はまだまだ根強く残ってて、サンクスギビングデーも色々な反応があることはアメリカで学んだことの一つだけど、具体的に知っている話はなかったので、とても勉強にもなった。 侵略者としか思えない、後から来た人々の鬼の所業に怒りを覚えると同時に、多分元々はそこまで極悪人ではなかったであろう、アーネストがどんどん周りに染まっていって自分軸を失っていく所に胸が痛んだ。 おそらくモーリーは彼の根っこの人の良さみたいなものは見抜いてたと思う。 優しくて繊細で弱くて狡賢い役がピカイチ上手いディカプリオはもちろん、デニーロのあの善人顔した極悪人っぷりが堪らなく良い。 あの人当たりの良さは騙される。 俳優陣が全員良かったのもあるし、始まり方も、ラストシーンのまとめ方とかエンディングとかも、なんか上手く言えないけどとても心を掴まれたわ。 長さに躊躇せず、とにかく観て欲しい作品だった。 これは知るべき史実でもあり、今年一番なんかすごいものみたわね!という感動があった映画でもありました。
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