キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのレビュー・感想・評価
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長すぎる長すぎる長すぎる
事前に読んだあらすじ通りに進むお話でした。
何度も何度も見せられる同じ展開にはリプレイを見せられてるのかと思わされる。いくら実話ベースとは言え、エンタメとしては破綻していると言わざるを得ない長さに辟易とした。
デニーロに負けないディカプリオの快演によってかろうじて最後まで見ることはできたが、繰り返される寝落ちとの戦いに疲労困憊。昔の長い長い映画が無理だったように、これも無理でしたわ。
恐れ入りました!
やっと見れた大作
3時間26分の大作をゆえに、劇場も稼働率が悪いからなのか、公開を早々に切り上げたり、レイトショーに回したりと、なかなか見に行けない条件でしたが
国際線のフライトで小さい画面でしたが運良く観ることができました。
ストーリーについては沢山の方は話しているので辞退します
撮影や画角、照明、衣装についてはスコセッシ作品という事で何もいう事はないでしょう
編集においては、裁判後の顛末において
劇場ニュース(朗読?)でササっと終えたのは、予算なのか、スコセッシが疲れたのか不明ですが、尻つぼみ感が否めません
所謂手を抜いたように思えます
200分も見させるならば、あのラストはいただけないので星はマイナス1としました。
って思ってたら
茶一郎氏のYouTubeをみて
映画ニュースのエンディング正しいようです
自分の掘り下げもまだまだだし
200分も見るとヘトヘトになり
思考力も鈍ることが分かり
反省しました
エンディングにもこだわりを感じる
大作の一言!!スコセッシ、ディカプリオ、デニーロが揃っているなんて…観ないといけないに決まってる!と思い映画館へ🎬やはり観てよかった!
最後にモリーがチャンスを与えてくれたのに本当のことを言わなかったアーネスト。優柔不断な性格を表してるわ。ほんまはあかん薬やって知ってて注射してたんやよね。どこまでも自己中心的なやつ。ビルのサイコパス感が…デニーロはマイインターンの時のような好々爺も似合うけど、ブラックな役の方が好きかもしれない。リリーグラッドストーンの目で訴える演技が印象的やった。
エンディングの雨の音にとてもこだわりを感じた。長さを感じない映画やった
ガザの連日の地獄のような有り様と、本作を関連づけて観るようにという神の恐ろしい御業なのかもしれません
キラーズオブフラワームーン
本作の中盤、唐突に「フリーメイソン」という言葉が登場します
フリーメイソンの支部の中で「第何階梯の会員として貴様に制裁を与える」とかの台詞があります
それがデカプリオが尻を大きな板で叩かれるシーンです
仰け反るほど驚きました
呆気にとられました
タブーを破っている!
あなたはどれだけフリーメイソンの事をご存知でしょうか?
米国、いや世界中の映画を遥かな過去から現在に至るまでフリーメイソンというワードがでるものはまず有りません
タブーの中のタブーだったのです
誰もその理由は言いませんし、そんなタブーなど無いように振る舞っているようで、その地雷を踏んだ映画監督もプロデューサーは誰一人もいません
フリーメイソンとは何でしょう
メイソンとは石工のことです
欧州では石工職人は中世以前から城などを作る為の専門職で、国境を越えて自由に移動していくので彼らの組合がフリーメイソンと呼ばれたのが始まりだそうです
そうした成り立ちからユダヤ人の組織でした
近代になってイスラエル建国のシオニズム運動と結びつけられて陰謀論の的になってしまいました
いわくその民族が世界を牛耳るための秘密組織だとかとか
もちろん、そんな戯言をいうと人から距離を置かれることになるでしょう
実際はロータリークラブとかライオンズクラブのような、地方の名士が会員になるような組織と変わらないのかも知れません
しかし、その実態は誰も良く分からないし、誰もそれを語ろうとはしません
つまり暗黙のタブーなのです
だから本作の評論に於いても、誰もこのことに触れません
ただ「凄い名作だ!スコセッシの最高傑作だ!」としか語りません
特に海外ではフリーメイソンの事には一切触れらません
そして日本では、フリーメイソン自体が日本人には良く知られていないからという事のも加わり、まるでそんなシーンなどなかったかのようになっています
フリーメイソンを扱うこと自体がタブーであることすら分かってないのです
東京タワーのそばに麻布台ヒルズという日本一高いビルが新しく出来たそうです
麻布台という地名でヒルズというからさも高台に建ったかのように思いますが、実はあそこは窪地です
東京タワーから飯倉の交差点にでて、神谷町の地下鉄の駅に向かうその途中の左側の昼でも暗い谷間の下だつたののです
それはさておき、その飯倉の交差点の手前にメソネッド38MTビルというビルが建っています
何の変哲もないオフィスビルのように見えます
前庭に黒い石に何かの紋章が表示されています
コンパスとL形定規が組み合わさって真ん中にGと書いてある図案です
その下には英語で「東京メソニックセンター」と書かれてあります
それを見てピン!とくる人はそう無いと思います
メソニックとは、日本語で石工職人のことです
つまりフリーメイソンの東京支部という意味なのです
その紋章はフリーメイソンの紋章そのものなのです
Gとはギルドのことです
フリーメイソンはこのように実在する存在です
日本にもしっかりと根を下ろしています
そして連日のイスラエルとガザでの血なまぐさい紛争
それは2023年10月7日にハマスが突然音楽祭を銃撃して数百人を殺害し、人質を百人近くも連れさったことから始まりました
そもそもなぜハマスがそんなテロ行為をするのか?
それはイスラエルがパレスチナは2千年前はユダヤ人の土地だったという理由でイスラエルを建国して、そこに2千年の間住んでいたパレスチナ人を追い出したからです
本作の公開は2023年10月20日世界同時公開でした
何か地下の水脈でつながっているかのように恐ろしい符合です
神の見えざる手が人間を動かしているのかも知れないと思うと慄然します
本作の救いの無い物語の内容に、フリーメイソンへの唐突な言及を入れることの意味を考えるべきです
スコセッシの明らかな強い意志で入れたシーンだと思います
あのシーンは3時間半の上映時間を少しでも短縮しようとするなら普通真っ先にカットするべきシーンのはずです
物語の展開になにも関係無いのですから
そしてハエがデカプリオ演じる主人公の周囲を飛び交う演出の意味
米国そのものが、この物語の主人公だと3時半かけてスコセッシは述べているのだと思います
単に米国の先住民の100年昔の話では無く、現在進行形のことなのだというメッセージだったのだと思います
本作の公開直前のガザ紛争の勃発
それは神がスコセッシをして、その意味を教えるために本作を撮らしめたのかも知れません
そしてそのシーンを入れることで、より分かりやすいようにヒントとして入れさせたのです
つまりオセージ族の連続殺人事件とガザの紛争、それは同じことなのだという神からのメッセージだったように思うのです
ガザの連日の地獄のような有り様と、本作を関連づけて観るようにという神の恐ろしい御業なのかもしれません
息がつまる200分。ディカプリオ×ロバート・デ・ニーロ×マーティン・スコセッシ!
【あらすじ】
叔父のウィリアムを頼ってオクラホマへ移住したアーネスト。彼はそこで暮らす先住民族のモリーと夫婦となる。しかし、このオクラホマで不可解な連続殺人事件が起き始める…。
【感想】
公開後すぐに観に行きましたが、レビューできていませんでした。
私はレオナルド・ディカプリオが大好きで、特にマーティン・スコセッシの作品のディカプリオが大好きなので、この映画は絶対に観に行こうと決めていました!
さらにロバート・デニーロも出演ということで、私にとって夢のような組み合わせです!
さて、上演時間は驚異の200分。
あっという間なんてことはなく、「もうすぐクライマックスかな…?」と時計を見るとあと60分といった感じでした。笑
ただ長いだけではなく、重苦しい…息がつまるような200分でした。
この映画はディカプリオ演じるアーネストと妻役のモーリーに焦点が当てられていました。初めてアーネストがモーリーの家に招かれた時、「この2人にはどのような結末が待っているのだろう。」と2人に見入っていました。
ディカプリオはモーリーを思うが、叔父には逆らえない小物の悪党のアーネストを見事に演じ切ったと思います。
ロバート・デ・ニーロは「ゴッドファーザー」や「ヒート」のようなマフィアとはまた違った悪、邪悪な存在でした。
先住民族達が色んなものを奪われるストーリーだったので、捜査官が登場した時は安心しました。そこからの展開も最後まで目が離せませんでした。
余談ですが、当初はディカプリオが捜査官役で、少しずつ連続殺人の謎を暴いていくストーリーだったみたいです。
そっちのストーリーも見てみたかったです。
【お気に入りのシーン】
アーネストがモリーに初めて家に招かれるシーン。
アーネストとモリーが最後に会うシーン。
男の生き方
セーラームーン
月に代わって皆殺しョ!
お仕置きは、お尻叩きだった
お尻置き?
でも皆殺しは嫌
毒殺も嫌
総合疾患症って…何なの?
総合的に皆殺し?
オセージ 大勢 皆 糖尿…
石油開拓映画? にしては石油少なめ
全身原油まみれなのに、平然としてる男達
強烈に臭そうだが…
スコセッシ長尺映画なので、ネットフリックスかな?と思ったら、アップルTV+ に変化
コロナ禍の影響みたいだけど…
以前アレだったからかな?
これ以上書くと、間違いなくレビュー削除されそうなので書かない
アップルTV+ は加入しないので、映画館で観る事にした
レオ様とデ・ニーロって…昔モメてた気が
今は、役を選ばない印象のデ・ニーロさま
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ、アンタッチャブル、ミッドナイト・ラン、ケープ・フィアー、ヒート…などが特に好き
バックドラフトには出てたのか?
エンゼルハートは心臓の記憶しかない…
今作は、可もなく不可もなく…の展開が、ずっと続く印象だった
年数経過が解りにくい…地味に老けない男達
子供の成長シーンで年月を判断するしかない
この手の映画にありがちな、西暦表示や、第1章〜などの表示がない
間接的なメリハリがない
白黒レトロ映像が、露骨にチープ
スコセッシらしくない…?
そして美人不在で目の保養がない
削除しないで
懐かしいデビルフェイスのデ・ニーロと、青く輝く地球儀のようなレオ様の瞳だけで、200分を乗り切ろうとしている…?
ややショッキングな殺人シーンが多々あるが、そこまでの経緯が少し長い気もする
中盤、確信犯的なケツバット シーン
終盤、更に確信犯的なデ・ニーロのヒゲ剃りシーン
明らかにアンタッチャブルのオマージュである
200分を乗り切るには、ややスパイスが足りない…
もう少し音楽が賑やかなら、グイグイ引き込まれたかも
ヒロイン役?モリー (死なない奥さん役 リリー・グラッドストーン) が、香椎由宇に微妙に似てるような…?
どっかで見た事あるような…無いような…? いかにもな面々の白人俳優陣
(FBI) 捜査官役のジェシー・プレモンス
特殊メイクしたマット・デイモンだと思ってた
マットメイクデイモン
削除しないで
家ごと大爆死する夫婦と家政婦
奥さんの死体が綺麗に横たわっていたが、後頭部がめくれ上がっている
不自然すぎる
第一発見者が綺麗に寝かせた…様には思えなかった
スコセッシらしくない
犠牲者に対する追悼の意なのか…?
他作品なら血みどろ奥さんである
終盤の裁判シーンで、確信犯的サプライズの2人
ホエールが吠え〜る (ブレンダン・フレイザー)
しれっと ジョン・リスゴー
棺桶にはリンゴ
超長尺で疲れきった終盤で、びっくりゲストな2人だったが、終わりそうで終わらない展開に、感情まで飲み込まれていく…
この2人で締めるのかと思ったら、まだまだ終わらない…
2人の意味が無かった気が
体調を整えて200分鑑賞に挑んだのだが
中盤から名前迷子
眠気はないが、お尻が痛くなってくる
25年近く使い込まれた、イオnシネマの椅子の座面はヘタっている
映画館のせいにはしたくないが、お尻は素直である
超話題作ばかり上映して、本当に観たい映画は上映しないけど
割と観客が少なくて好きな映画館である
僕の地元はコロナ禍で映画館が潰れて、イoンシネマのみになった
本当に観たい映画は、2時間かけて遠出して観に行く…
ドライブが好きなので苦では無いが
脱線しすぎである
そして動物園の檻のような牢獄シーン
猿の惑星 創世記、羊たちの沈黙を思い出してしまった
まだまだ終わる気配がない…
もの凄い勢いで、元気になっていくモリー奥さん
元気モリモリである
夢がMORI MORI には、ならなかった
このくらいの勢いが、映画全体にあっても良かった気が
薬の中身を問い詰めるシーンは必要不可欠だが、途中経過が少し長い
この「少し長い」の積み重ねが、最近の3時間映画に多い気がする…
ラストにしれっと スコセッシ
少しセコい気が…
セコセッシ
削除しないで
石油開拓映画?は、ゼア・ウィル・ビー・ブラッドが1番好き
200分夢中になれた
ジョーペシはいなかったよな
いつもの映画館②でいわゆる2番館的な上映嬉し
金曜日の夕方ながら観客は5人くらいだった
3時間半の大長編なので
下手な時間に見始めると後の予定が立たない
最初の公開時は時間が合わなかったのだ
大好きなデニーロとディカプリオの共演で
監督がスコセッシ 観るしかない
最近は配信のみでDVD化しない作品も多く
アナログオヤジとしてはつらい
二人のがっぷり共演はボーイズライフ以来では
ディカプリオは当時は天才子役的な扱いだったように記憶するが
いまはデニーロを助演に回すトップ俳優
終始眉間に皺を寄せてへの字口の主人公を熱演
なんとなくマットデイモンに似ていた
プロデューサーレオはキャスティングを考えていたのかも
歯の形とか色は当時のリアリティを再現
権力者の叔父に世話になって 言われたことに唯々諾々と従う
日本社会にもありそうな光景のような
ホントに家族を愛していたんだろうことは伝わった
内容はオーソドックスな近代歴史モノでヘビー
アメリカの黒歴史シリーズ
アメリカ人が触れられたくないところかも
先住民族の歴史までさかのぼれば白人の侵略ってどうなのよ
となってしまう
受益権とかなんとかきれいごとを言って
権力者が都合のいいようにルールを作る
権力者におもねっておこぼれにあずかる連中
みんなそれぞれ生きるために行動している
デニーロの髭剃りシーンとか裁判シーンはアンタッチャブル
いきなり殺すとことか遺体をぞんざいに扱うところは
グッドフェローズとかゴッドファーザーを想起
ラストその後の顛末を普通は字幕で説明するところを
公開ラジオショーで表現したのが贅沢
最後のナレーションはスコセッシ本人では
ジョンリスゴーとかザホエールの俳優とかもいたな
ジョーペシはいなかったよな
出演者が多すぎてしかも外人なので人間関係図は結局よくわからない
アップルが金を出すとこれくらいのゴージャスな作品に仕上がる
2時間に収めろとか口も出さないのだろう
やっぱりDVD化されないんだろうな
新年スクリーン1本目 幸先がいい
(ここからは映画と無関係)
終了後はひとり新年会
半田屋で生ビールとおつまみ あぁ楽しい
23時解散
マーティンスコセッシの終わり
多様性について考えさせられる問題作。
これは素晴らしかった。
「これぞ映画」という感じの映画。
スコセッシは長年にわたって映画を撮り続けている中で常に「今の映像」を提供し続けている。時代の空気やセンスにぴったり寄り添って作品を生み出す能力は驚異的だ。
1920年代のオクラホマ州。
油田を掘り当てて金持ちになった先住民のオセージ族の土地に、金目当ての白人たちが押し寄せる。
戦争帰りのアーネスト(ディカプリオ)は、叔父であるヘイル(ロバート・デ・ニーロ)を頼ってこの土地にやってくる。そこで運転手の仕事をするうちにオセージ族のモリー(リリー・グラッドストーン)と親しくなる。
ヘイルからオセージ族の女と結婚すれば金が流れ込んでくる、と吹き込まれて、モリーと結婚する。
そして、オセージ族が次々と殺されていく。
というもの。
映画における多様性は、現在ではほぼ必須条件になっている。
先住民と白人が共存する町を描くことで、多様性は表現できている。そして、そこで血みどろの争いが展開される。我々は体裁だけを整えて、心の底では多様性など実現できていないのではないか。そんな問いかけがなされているのではないか。
構造としては、英雄がある土地にやってきて、ミッションを達成することで報酬を手に入れる、というよくある英雄譚のパターンを使っている。しかし、英雄譚なら英雄が主人公なのだが、本作の登場人物は英雄ではない。構造だけ使っているのだ。
思い出したのは、同じく登場人物が欲望に流されて歯止めが効かなくなっていく「グッドフェローズ」(1990年)だ。
あの作品の作りはスコセッシの必勝パターンなのではないかと思う。もちろんストーリーは全然違うのだが、構造が同じだ。わかる人は気がつくと思う。
ただ、「グッドフェローズ」と違うのは主要人物の感情が丁寧に描かれているところだ。ディカプリオやデ・ニーロはもちろんだが、リリー・グラッドストーンが素晴らしかった。彼女は言葉を発しなくても、かすかなしぐさや顔つきで多くを表現していた。
製作費2億ドル(300億円)。全世界では6700万ドル(100億円)の興行収入を達成しているとのこと。ただし、ネットで調べると、アメリカでのヒットの目安は、総興行収入1億ドル以上。年間トップ10を狙える大ヒットは2億ドル以上ということなので、どこまで伸びるか、といったところ。
ちなみに自分が観た劇場では542席ということだが、100人も入っていなかったのではないか。1回の上映の観客数だけで判断するわけにはいかないが、日本では苦戦するような気がする。
個人的にはすばらしい映画だと思う。3時間30分という長尺も必要だったと思う。テンポはよくて無駄に長いわけではない。ただ、この長さとIMAXで2700円というチケット代の高さを考えると、それでも観ようと思うのは、本当に映画が好きな人だろうとは思う。
天使の青い瞳
おかしな事だらけで感覚が麻痺する206分!
倫理観はもちろん、当時の制度にも、描かれる人物にも、ツッコミどころが満載すぎてグイグイ引き込まれていきました。
デカプリオ演じるアーネストがバカすぎて恐ろしい。「信念が無い」レベルではなく思考を閉ざしている。
見知らぬ土地で、ロバート・デニーロ演じるウィリアム・“キング”の世話になるところから物語が動き出しますが…
いや、もう自分の事を“キング”と呼ばせる時点でヤバイっしょ。
しかも冗談ではなくマジだから、なお恐ろしい。
素早く察知したアーネストはキングが望むであろう回答を探しながら会話を続け、この“従順で顔が良い”手駒を得たキングは釣り糸を垂らす…
見知らぬ土地で世話になるということ。
移民や難民のコミュニティで、否応なしに主従関係が生まれていく様を目の当たりにした気がしました。
そして、そんなアーネストに邪心は無い。
最初の会話から洗脳されているとも言えますが、私利私欲で動いているわけでは無いところが、ますます厄介。
思考の停止。戦場では命令の遂行に思考はいらない。心を麻痺させてただ絶対的な命令に従う戦士を生み出していく。アーネストは戦争の副産物でもある。
思考を停止した純真無垢な青い瞳。
神からの御言葉を疑うことなく伝える御使い。ピュアピュアな天使の眼差は、危なっかしくて思わず守ってあげたくなる魅力があります。
この青い瞳の天使に心を奪われる、モーリー役のリリー・グラッドストーンさんの演技が素晴らしい!
恋は盲目…相手を信じたい気持ちが目を曇らせる。
権力だけでなく、宗教や愛も時として個々の思考を閉ざす危険を孕んでいる。
しっかり現実を見て、しっかり考えて。
スコセッシ監督からのメッセージを感じました。
今の時代必要な映画
いくつかの点から面白かったので順に述べる。
まず、1920代のアメリカの田舎の生活。水は井戸から汲み、ウィスキーをがぶ飲みし、風呂にも恐らく入らず、毎日浮いた儲け話に興じ、邪魔者がいれば消す。この点だけでも観る価値はある。実写で撮れるところはギリギリまで撮ってるんじゃなかろうか。
コマが大物にいいように扱われる点。これは今の時代も変わらず、ディカプリオの間抜けさが、観客を緊張と共に引っ張るので、3時間を越える映画が、常にディカプリオと共にある。
インディアンの誇り高さと、土地に対する強い愛。同時に白人の愚かさと強欲さ。この映画では確実に白人が全員悪人であること。
更に、アメリカという土地に対する反省。アメリカは白人のものではなかったという事実。これは恐らくアメリカ人が忘れがちな事実であって、数年おきにこういう映画を放映する必要がある。特にスコセッシみたいな大物監督が取り扱うことに意味がある。
映画はエンターテイメントを遥か超えて、批判能力の高い文化装置である。このことがわかっていない人は「面白い」「面白くない」で判断したがるが、極めて底の浅い、無教養な批判である。
日本のごみみたいな人気俳優によるおちゃらけた映画を100本観てもなんの価値もないし勉強にもならないが、こう言う映画は100本みたら人生観が変わる。エンターテイメントを否定はしないが、限界がある、というだけの話である。
アメリカはひどい国だ、と突きつけることは、大事だ。自分達が最高だと思い込まないために。
同様に、日本もこのような映画をもっと作るべきである。同じ意味で。
この土地は、たくさんの人の血が染み込んでいる。その実感と理解が、明日を作る。知らない人には、できない。
面白いとか面白くないとかは、知らない。
だが、必要な映画だということは大声でいえる。
滑稽さもあるが不穏さも
ストーリーの前情報はあまり入れずに観に行ったので、なんとなくディカプリオが事件の犯人を探すようなものを想像していたのですが、良い意味で裏切られました。
ユーモラスさも混じりつつテンポよく進みながら、二人が悪意に翻弄される様子はやるせないです。
ディカプリオのどうしようもないダメダメ感は滑稽さもありましたが、悪意がなくとも自分の意思を持たずに流されるような状況は、今現代でも通じる不穏さを感じます。
夫婦の関係性も、複雑な想いを押し込めたようなリリー・グラッドストーンの演技も良かったです。
夫婦の人間ドラマとしても面白かったですが、やはりラストからは、虐げられた人々への視点、根深い差別意識に対する批判的な視点を持った作品でもあると感じました。
全395件中、21~40件目を表示












