キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのレビュー・感想・評価
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206分って何時間何分だっけ?
えっと、206分って何時間何分だっけ?笑
いくら劇場鑑賞慣れしていても、やはり長尺の映画の鑑賞に対しては緊張感があります。トイレの心配はもちろんですが、単純にスタミナが持つか、眠気は大丈夫かと考えているうちに、劇場鑑賞することを諦めてしまうこともあるくらい。しかし「スコセッシ新作は凄いらしい」と聞き、また23年度公開作品の賞レースの中心になるであろうことも後押しして、これはAppleTV+での配信だけではいかんなと思って劇場鑑賞を決断しました。ちなみに、いつも聴くラジオ番組の紹介では「全然長いとは感じない」と言っていましたが、観終わって(と言うか、観ながら)正直やっぱり長いな~と感じました。(苦笑)とは言え、確かに見応えがあって十分に楽しめます。「原作(未読)から考えると、それでもよくこの時間に収めた」というくらいらしいですが、確かに大胆な編集で想像力が必要なこともあり、ストーリーを理解するのに集中力が奪われがちな「1回目」の鑑賞より、いろんなものが見えてくる「2回目、3回目・・・」と回を重ねてより良さが解る作品のような気がします。
白人たちの侵略から逃れ、ようやくたどり着いた地であるオクラホマ州オーセージ郡。そこで発掘された石油により莫大な富を得ることとなったオーセージ族ですが、結局また石油利権と生み出される金を巡って、また白人たちに食い物にされることになります。欲深い人間のなす業は究極的なところまで行くと、「善悪」の論理付けすらどうかしていて手が付けられません。そして白人同士の中でも絶対的なヒエラルキーが存在しており、少ない報酬でもずさんな捜査体制を背景に、殺しや強盗を請け負う、と言うか、NOと言えない立場のものたちがいるからこそ、繰り返される残酷な悲劇を見て逃げ場のなさを感じます。
作品賞、監督賞、脚色賞、編集賞等、多くの部門で評価が高いと思いますが、注目は俳優賞ですね。デニーロ(助演)やディカプリオ(主演)のノミネートや受賞の可能性も楽しみですが、本作何といっても注目せざるを得ないのがモーリー役のリリー・グラッドストーン。強い意志を感じさせる目つきや表情は、どこか見透かしたようなところがあり、対照的な夫アーネスト(ディカプリオ)との釣り合いが絶妙だからこそ、事が動き出したときの臨場感が強調されます。リリー自身の出自が「マイノリティだから」というような注目のされ方ではなく、純粋に印象に残る演技を注目され、是非とも賞レースを賑わせてくれることを期待しています。
この演技力!この脚本!!
ディカプリオの演技は、主演男優賞ノミネートはほぼ確実だと思わせるものでした。リリー・グラッドストーンも、大御所デ・ニーロに一歩も引けを取らない堂々とした演技で、賞レースに加わってくるのではないでしょうか。
206分の長尺にも関わらず中だるみを感じなかったのは、この3人の好演による緊張感と観る者の集中力を途切れさせない卓越した脚本力の賜物だと思いました。
冗長...
「次はあなたよ」
上映時間3時間26分…長い、クソ長い。
劇場で観たから最後まで観られたようなもので、普通なら間違いなくドロップアウトしていた。
アップルが製作のバックについていたということで、配信時の倍速再生でも意識したのだろうか?とにかく冗長。それなりに資金もあったのかもしれないが、だからと言って長い作品を作ればいいものではない。マーティン・スコセッシの本来の手腕を以てすればあと1時間短縮してより引き締まったマッチョな仕上がりにできたはずだ。
加えてしんどかったのは内容である。同じ3時間〜4時間ものの名作と比較すると起伏があまりにも少ない。じわじわと話が進むうえに、ひたすら時間をかけて「ありとあらゆる方法を用いてネイティヴ・アメリカンを抹殺し、既得権益を奪い取る」顛末が描かれるため、アングロサクソンに対する胸糞の悪さが強く残った。
題材そのものが葬られた「闇のアメリカ近代史」であるため、映像化したことそのものには意義はあったと思うが、どこか驕りや慢心が垣間見えた。
もう、ひれ伏すしかないです‼️
今年公開の映画では、クリストファー・ノーラン監督の「オッペンハイマー」、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の「DUNE PART TWO」が観られそうもないので、このスコセッシ監督作「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」がナンバーワン候補‼️歴代のスコセッシ監督の名作たちの顔であるデ・ニーロとレオ様の豪華共演によって語られるのは、人間たちのドス黒い欲望‼️1920年代に先住民たちの土地で石油が発掘される。それによって億万長者となった先住民たちの財産を狙う白人たちの欲望‼️策略‼️葛藤‼️愛憎‼️欲に駆られて理性を失った人間の本当の姿に心底戦慄させられました‼️核となるのは、地元の牧場主に扮したデ・ニーロと、彼の甥で、先住民の娘と結婚することになるレオ様‼️まずレオ様の演技‼️先住民である妻を心から愛するも、伯父であるデ・ニーロに命じられるまま脅迫したり、ついには妻の姉妹たちの殺害にまで関わることに‼️このどっちつかずの主人公の心理状態を巧みに表現するレオ様の演技はホント素晴らしい‼️もう「タイタニック」は遥か過去ですね‼️そしてデ・ニーロ‼️この作品の黒幕、デ・ニーロ‼️穏やかな微笑みの中に狂気が漂って怖すぎるデ・ニーロ‼️まるで「チャイナタウン」のジョン・ヒューストンみたいな薄気味悪さのデ・ニーロ‼️この作品に漂う殺伐とした雰囲気を象徴するキャラクターのデ・ニーロ‼️そんなデ・ニーロがレオ様にお仕置きするシーンはチョー必見です‼️そしてマーティン・スコセッシ監督‼️73年の「ミーン・ストリート」から半世紀‼️どんだけ名作を作ってくれるのか‼️その「ミーン・ストリート」で注目されたデ・ニーロが今作にも出演していることもスコセッシ監督の人柄ですよね‼️石油が噴出して人々が喜ぶシーンの躍動感あふれる画面や、モノクロ映像やスローモーションを巧みに取り入れたり、とても御年81歳の巨匠の作品とは思えないほどエネルギッシュ‼️そしてラスト、普通、主要人物たちのその後については、字幕で説明されることが多いのですが、この作品では何と舞台上のラジオ劇という形で語られます‼️しかもスコセッシ監督本人も語りに加わり、この凄まじい愛憎劇を可愛らしく締めてくれる‼️ホント、センスが良いというか天才ですよね‼️スコセッシ監督はここ何年かマーベル映画を「あれは映画ではない、よく出来たテーマパークのアトラクションだ」と発言したことが物議を醸していました‼️でもこの「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」みたいな傑作を魅せられたら、誰も文句を言う人はいないでしょう‼️
面倒見いいふりして悪魔。
1920年代オクラホマ州オーセージ郡、石油発掘で富を得たオッセージ族、その財産に目を付けた白人の話。
先住民はいるけど町の権力者キング(おじ)の元で世話になる事になったアーネスト、体の不調もあり命じられた仕事はドライバー、そのドライバーの仕事中に出会った客モーリー(女性)、後に結婚する事になるが、その結婚にはキングの陰謀が…
上映時間の長さにビビってたけど面白かった!話し多めの作品って苦手なんだけどストーリーとディカプリオ演じるアーネストに惹き込まれた。
金、資産の為そこまでやります?!
今じゃ保険屋の目も厳しくなったけどこの時代じゃ緩かったんでしょうね。
今ニュースでも賑わせてる某中古車屋の保険金詐欺…まぁあれは氷山の一角にもなってないけど(笑)何てちょっと脱線…
妻のモーリーへ世界で5人しか射てないインスリンと嘘ついて、妻モーリーにまであんな注射射っちゃうアーネストはちょっとねって感じでした。最終的には顔色戻して正常に戻ったのは良かった。
ラストのラスト実は朗読劇という言い方であってるか分からないけど、あの展開だったとは…面白かった!けど座り疲れた(笑)
犠牲になったオーセージ族への鎮魂歌
果たしてアーネストは、どちらの道に向かうのか?
事前情報なしで鑑賞した自分にとっては、最後まで何かに祈りたくなる気分だった。
酷い話だよね。オーセージ族を保留地という名目で強制移住させておいて、石油が採れるとわかると、狡猾で獰猛な白人が、ハイエナのように群がってきてオーセージ族の富を簒奪しようとする。
驚くのは、オーセージ族が自分の財産を自由に使えないこと。無知で野蛮なインディアンは、白人様が管理してやらないと浪費して破産してしまう。そんな理由で、お金を使うにも財産管理人の白人の許可が必要となっている。
ロバート・デ・ニーロは、キングと呼ばれるオーセージ族が住む街の白人顔役を演じる。オーセージ族の最大の友人のフリをして、裏では甥っ子2人を使いながら根こそぎ財産を奪う計画を練っている。
キングことウィリアム・ヘイルは、根っからの極悪人だが、その周辺にも小悪党がたむろしていて、オーセージ族は常に危険にさらされている。当時の白人の感覚では、インディアンには白人の3割くらいの人権で十分。そんな雰囲気を感じる。
悪名高いフーヴァーに率いられる連邦捜査局が出てきたのには驚いたが、この時代は正義のために力を尽くしていたであろうか。
実際のアーネストがどういう人物であったかは定かでないが、レオナルド・ディカプリオが演じるアーネストは、善人の心を失っていなかったと信じたい。
犠牲になったオーセージ族を鎮魂するには、3時間26分の時間が必要だったのだろう。時間は全く気にならなかった。
胸糞、長い、途中退席せず我慢したけど救われず
タイトル通り。評価高い意味が分からない。
終始胸糞でとにかく長い。途中何度退席しようと思ったか...最後に何かひっくり返るか救われる事を期待したが、終わりも????
個人的にこの数年でダントツ!ワーストワンです
なんかいろいろ凄くて呆れる
ネイティブ・アメリカンが流れ流れて辿り着いたオクラホマの地で石油が湧いて大金持ちになる、つまり相続可能な土地と採掘の権利を手にした人たちがフワッと生まれたということで
米国の恥部、さもありなんの実話ベース
206分っていうトチ狂った上映時間、それだけ必要だったのもわかるけどいかんとも長い、そしてその三時間超の締め方が凄くて呆れる
長さを感じさせない胸糞悪さの魅せ方
3時間オーバーの長尺、今年はRRR以来かな?
絶対に中座しないと気合い入れて、万全の体制で臨みました。
人間味あって、血なまぐささも最高。
題材的に胸糞悪くて嫌な気持ちになるけど、めちゃくちゃ面白いです。
ディカプリオの子悪党ぶりがすごいですね、演技力の化身。
追い込まれていく様子には、胸がギュウっとなりました。
全体的に演技力には文句なしです。
展開の読めなさと構成の巧みさも手伝って、長尺でも全く飽きさせずに見せてくれます。すごいなぁ。
さすがはスコセッシ監督の手腕。
欲望に愛は勝てるか
FBI
(Federal Bureau of Investigation)
連邦捜査局
アメリカ司法機関のひとつ
アメリカの発展によって
国民の生命・財産を保護する
法執行機関は存在はしたが
そこは広大な北米大陸
遠隔地ではマトモに
機能を果たしておらず
1924年に29歳の若さで捜査局長に
就任したジョン・エドガー・フーヴァー
がFBIと改称し州をまたがった犯罪行為
等に強い権限を持つようになった
FBIの特別捜査官は
「Gメン」と呼ばれている
今作は1920年代の
アメリカで実際に起こった
オクラホマ州オセージの
原住民族「オセージ族」の連続殺人事件
を舞台に「欲望」「愛」「真実」を
軸にした物語
もともと白人に土地を追われた
オセージ族が落ち延びたオクラホマに
命を落とした者たちの形見を地面に埋め
その土地から二度と離れることのないよう
誓うとその土地から噴き出したのは
「ブラックゴールド(石油)」
とたんに白人たちは飛びつき
オセージ族は一気に大金持ち
そこには街が出来て全米中から
出稼ぎのゴロツキが集まってきます
そんな中に戦争が終わり
その街で連邦捜査官を務める
伯父を頼るアーネスト(正直者という意味)
がこの映画の主人公
伯父の「ウィリアム"キング"ヘイル」は
街に多大な投資を行い慕われつつ
アーネストにはまず
オセージ族と
純血族の娘たちを知り
彼らの持つ石油の受益権を
逃すなとアッサリ本当の
狙いを明かします
そしてアーネストは
運転手をやりながら
純血族の姉妹の一人
モリーと良い仲になります
アーネストも覆面強盗して
オセージ族から奪った
宝石で博打に興じるなど
なかなかのクズですが
その間にもオセージ族の
受益権を持つ者たちが
次々と「殺されて」いきますが
特に捜査もされない様をが
画面には映されます
またモリーは白人文化の
食生活の影響で糖尿病を
患っているなど所々
オセージ族が白人から
与えられたのが裕福な生活
だけではないことが
画面に出てきます
そんな間にもモリーの
妹のミニーは「消耗性疾患」
というよくわからない
病名で死亡
姉アナは酔っぱらった末
森で死体で発見
いくらオセージ族が殺されても
あまりに進まない捜査に
一族が会議を開き
ワシントンの連邦政府に
事態を伝えることや
探偵を呼ぶなどしますが
アーネストはその探偵を
口封じしたりキングの
言うように動きます
ワシントンから来た
政府の人間も秘密裏に
殺されてしまいます
ただアーネストの
モリーへの愛は本物で
当時「世界で5人」しか
治療を受けられない
と言われたインスリン治療
も提供し
子供も生まれました
その裏でアーネストは
モリーの元旦那で
キングが借金のかたに
保険金をかけている
気鬱症で自殺企図がある
ヘンリーを謀殺します
しかし自殺に見せかける
のに失敗してしまい
明らかに殺害されている
ことがまるわかり
またミニーの旦那で
今度はモリーの妹に
近づいて再婚したビルも
受益権目当てであるとし
家ごと爆殺してしまいます
これらにオセージ族は
ワシントンに自分たちで
向かっていき大統領に
直談判しに行きます
これにより
元テキサスレンジャーの
「特別捜査官(Gメン)」トム・ホワイトが
街にやってきて捜査を開始します
政府の遠方で捜査官が好き放題
やってる現実を鑑みて
州をまたがる犯罪に対応する
FBIが誕生したのですね
アーネストは焦って
キングに相談しますが
大丈夫と言いモリーに打つ
インスリンにこれも混ぜろと
特別な薬を渡します
ちなみにモリーは全く
状態は良くなりません
次第にホワイトは捜査を
進めていくごとにアナが最後に
誰といたかなどを目撃者から
対象を絞っていき
アーネストがヘンリー殺害や
爆殺に関わっていたことを
依頼したブラッキーらを拘束し
全て吐かせてしまいます
そんな間に病床のモリーは
瀕死になっているところを
特別捜査官たちに発見され
すぐ病院へ搬送され
一命をとりとめます
こんな時でもアーネストは
ただ「家族に会いたい」と
いう一心ですべてを話そうとも
考えますがそこへキングは
石油利権者らと集まっている
ところへアーネストを招き
一族を守るために殴られるなど
不当な取り調べを受けたと
証言しろと言います
アーネストはそれに従おうかと
考えますがそんな間に
百日咳を患っていた娘が
死んでしまいます
悲しみに暮れるアーネストは
そこで考えを一転
すべて真実を法廷で延べ
キングことウィリアム・ヘイルの
悪行をすべて証言するのでした
この映画の面白いところは
スコセッシ作品らしく画面に映る
事は全て「真実」
観客は真実を見せられますから
それをアーネストが曝け出せるか
なんのために曝け出せるかという
人間性の部分に自然と焦点が行く
ところが引き込まれ210分もある
映画ですがまるで長く感じません
でした
昔のアメリカはひどいなぁ~
と思ったあなた
よく考えてみてください
現代でも庭から石油が出た
宝くじで100億円が当たった
こんな事があったら事態は
そう変わらないことが起こるのでは
ないでしょうか?
急に親戚が増えるとか絶対起こります
誘惑も増えるでしょう
現代人でも身に迫る話だと思います
物語のラストをその口で語る
スコセッシ監督の姿は印象的でした
集大成を見せられたような
スコセッシ作品全ては見れてないですが、主要な作品はほとんど見てます。
その作品群がぎゅっと圧縮されたような。特に山場があるわけでないですが、絵作りや音楽、演技の濃さで一瞬たりとも見逃せない
デニーロは懐かしのグッドフェローズのジミーを彷彿とさせる怖さを見せてくれます
ラストシーンの美しさに泣きました。最後も懐かしいゲスト?登場で不覚にも笑ってしまいました。
ブラックゴールド
1920年代オクラホマ州オーセージ郡で実際に起きた、先住民オセージ族の連続殺人事件の話。
石油の発掘によって富を得たオセージ族から搾取することを企んだキングと呼ばれるウィリアム・ヘイルを中心とした輩と甥っ子アーネスト・バークハートを軸にみせていくストー。
なんだかトム・ハーディの演技っぽい喋り方をするプリオ様が、イケメンっぷりを発揮して先住民の女性に近づいて始まって行くけれど…この事件の話しは知らないで観賞したけれど、そんな簡単に殺っちゃうんですか?という感で、あまりにもな非道っぷりで言葉を失う胸糞の悪さ。
しかも家族想いっぽいテイスト醸しているけれど、主人公もかなりの…言ってることとやってること矛盾しまくりで、メンヘラなのか演技力抜群なのか…。
非道っぷりがたっぷり盛り込まれていたのはわかるけれど、結構同じ様なことの繰り返しがあったり、まとまり無くムダに長く感じるシーンも多々あって、いくら何でも長過ぎたものの、話しや展開自体は非常に面白かった。
長くても面白いとあっという間
208分って…3時間半⁈金曜日の夜、仕事の疲労ピークの中、寝る、寝るんじゃね?っと思ったが、そんな気配は微塵も感じなかった。全体的で2時間ちょいぐらいに感じ、ずっと見入ってました。
事実を元にしたとあるだけに、派手な演出が無く淡々とあっという間に殺されてしまうところが怖い。
ディカプリオが頭悪っていうかクズっていうか…奥さんに対する気持ちは本物なのかなぁ…まぁバカだから仕方がない。叔父さんの手の内で転がされてるディカプリオの表情がイイ。
出だしの音楽もいいし、エンドロールの風や雷、虫の声もいい。余韻に浸っていて、気付けば場内が明るくなっていました。
上映時間の割に「愛の物語」として物足りない
先住民の一家を皆殺しにしていく白人の有力者の鬼畜の所業もさることながら、大統領への直訴があるまでそうした事件の捜査が行われなかったという司法制度もどうかしていると思う。
この映画が、米国史の暗部をえぐり出そうとした意欲作であることは間違いないだろう。
オーセージ族の場合は、石油の利権を享受する富裕層なので、あからさまな人種差別はないものの、自由に自分の財産を使えなかったり、虫けらのように殺されて受益権を奪われたりと、白人にいいように食い物にされていたという様子が理解できるようになっている。
ただ、やはり、3時間半という上映時間は長過ぎるのではないか?
決して無駄な部分や不必要な部分があるとは思わないのだが、それでも大河ドラマとか年代記のような起伏に富んだ見どころがある訳ではないので、どうしてもテンポの悪さや退屈さを感じてしまうのである。
特に、これだけの時間をかけて丹念に描いている割には、ディカプリオ演じる主人公のキャラクターが、今一つよく分からないのはどうしたことだろう?
最初に、自らを「女好き」と称していたのに、どういう経緯でオーセージ族の妻のことを一途に愛するようになったのかが、納得できるような形で描かれていない(「金好き」なのはよく描かれている)のである。
彼が、インスリンと共に妻に毒物を注射していたのは明らかだが、本人がそのことに気付いていたのかどうかも定かではない(気付いていなかったとしたら相当に愚鈍だが•••)。
主人公が妻や子供のことを心から愛していたということは、デ・ニーロ演じる彼のおじにとっての最大の誤算だっただろうし、それが事件解決の鍵にもなっているだけに、ここのところは、もっとしっかりと描いて欲しかったと思う。
ラストの、ラジオの公開放送で事件の顛末を説明するくだりも、スコセッシ自らが物語を締め括るのは良いのだが、残念ながら、あまり効果を上げているようには思えなかった。
金のためならタブーもなんのその 自己欺瞞にどっぷり浸かる悲しいペテン師
最後にロビー・ロバートソンに捧ぐと出たので調べたら、一般公開の2ヶ月前にあの世に旅立った音楽のロビー・ロバートソン。母親はモホーク族。
ドブロギターのブルースの劇伴が渋くてカッコよかった。エンドロールの最後はコヨーテの鳴き声。
リザーベーション(居留地)を転々と移動させられるなかで、オクラホマで石油が出る。オーセージ族はその利権を獲得することができたが、シラミの如く近寄ってくる白人たちに翻弄されるネイティブアメリカンたちを描いたノンフィクションをスコセッシ監督らが時間をかけてものにしてくれた。
ダンス・ウィズ・ウルブズの頃と違って、今となっては純血のネイティブアメリカン俳優は皆無でしょう。
権益のためならネイティブアメリカンの女と結婚しようとするグズな男たちに対する憤懣はもちろんありますが、そこがスコセッシ監督らしい作品。
ネイティブアメリカン贔屓なので、デニーロとデカプリオが悪役なのはちょっとつらかったけど、初日に3時間半の大作を観て、とても満足。アカデミー賞作品賞と音楽賞いける気がします。配給はApple。急に公開が決まった感じでパンフレットを作る間もなかったようだ。あとでもいいから、再演決定の時には読みごたえのあるパンフレットを作って貰いたい。FBIの前身となったワシントンの捜査機関も勉強になりました。
1920年代に牛の膵臓由来といえどもインシュリン製剤あったんですね。血糖値を計らないで打つの危険だし、混ぜられていたのはたぶんヘロインでしょうね。可哀想なモーリー。
ネイティブアメリカンは白人に比べて糖尿病になりやすいんですね。石油が出て、働かないで美味しいもの食べて、飲んでではね。
妊娠も悪化させる要因だったでしょうし、腎不全らしい土色の顔色が印象的だったモーリー役のリリー・グラッドストーンはモンタナ州出身の居留地育ちのネイティブアメリカンの血を引く女優。日本非公開の過去作品や日本公開が決定したファースト・カウ(2019年作品)も楽しみ。助演女優賞取って欲しい。
長時間の人間ドラマ、すごく好みなのに、本作は何故か、退屈で全然面白くなかった 自分がどうかしてるんだと思おう
レオナルド・ディカプリオさん&ロバート・デ・ニーロさん主演、そしてマーティン・スコセッシ監督作品、と現在のハリウッドの誇る最強の布陣で撮ったアップルスタジオ作品
こんな豪華作品が面白くない訳がなく、名作に決まってるじゃないか! 解らない貴方の感性が鈍い、という指摘が多いとは思いますが、何故か自分には全然合わなかった様で、とても残念
すごく好きな題材で、好みの時代設定なのに全く楽しめず、そのせいか、テンポもキレも悪く、いつもなら何とも思わない3時間半が長い長い(苦笑)
いつかまた観直してみようと思います
とはいえ良かった所、
100年前を再現し、更に実際のオセージ族の居留地で撮影したという重厚な映像、そしてディカプリオさん渾身の演技は観応えがありました
そして、「福田村事件」「月」、本作と3週連続で濃厚な実話ベースのドラマを偶然観てますが、どれもが恥ずべき風化させてはいけない黒歴史、こういったものが一流のスタッフ、キャストで映像化され後世に残されるって、やっぱり映画っていいな、としみじみと思いました
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