「滑稽さもあるが不穏さも」キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン nakadakanさんの映画レビュー(感想・評価)
滑稽さもあるが不穏さも
ストーリーの前情報はあまり入れずに観に行ったので、なんとなくディカプリオが事件の犯人を探すようなものを想像していたのですが、良い意味で裏切られました。
ユーモラスさも混じりつつテンポよく進みながら、二人が悪意に翻弄される様子はやるせないです。
ディカプリオのどうしようもないダメダメ感は滑稽さもありましたが、悪意がなくとも自分の意思を持たずに流されるような状況は、今現代でも通じる不穏さを感じます。
夫婦の関係性も、複雑な想いを押し込めたようなリリー・グラッドストーンの演技も良かったです。
夫婦の人間ドラマとしても面白かったですが、やはりラストからは、虐げられた人々への視点、根深い差別意識に対する批判的な視点を持った作品でもあると感じました。
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