「3時間半などなんのその!」キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン 小太り爺さんさんの映画レビュー(感想・評価)
3時間半などなんのその!
なにしろ3時間半という長丁場に備えて、前夜より飲食を絶って臨むという、あたかも内視鏡検査を受けるかのような覚悟を持っての鑑賞でございました。
わりと淡々とした進行でアクションも抑え気味なので、退屈しそうな感じですが、丁寧に作り上げたセンスが光る画面の連続、編集の妙、見事な音楽、そしてもちろん役者揃いのアンサンブル。
重苦しい雰囲気を過不足なく描く力量はさすがの職人監督です。
そんなこんなで退屈どころか良質の長編小説を読み切ったような満足感にひたることができました。
ただひとつ、エピローグの演出は面白くはありましたが、本編の雰囲気にはそぐわないような気がしました。監督本人が出演するほどですから思い入れはあるのでしょうがね。
結論を申しますと、3時間半など恐れるなかれ!と、あいなります。
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小太り爺さんさんのコメント
2023年11月9日
humさんコメントありがとうございます。自宅でDVDや配信を観ているのであれば、気に入らないとき、たとえそれが主人公が危機に陥っているときでも躊躇なく停止ができますよね。しかしながら劇場ではさすがに気が引けます。(それでも何回かは椅子をけって退出したことあります)
それが今回のような作品に巡り会ったおりの歓びたるや身震いするほどでございますよね。かくして今日も期待と不安を携えて劇場へと向かいます。