劇場公開日 2023年10月20日

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「ひとつの小説を読了したかの如く見応えはあったが、3時間20分は長過ぎ。」キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ひとつの小説を読了したかの如く見応えはあったが、3時間20分は長過ぎ。

2023年10月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

アメリカ、特に白人の黒歴史って数多あるのでネタに尽きない。
彼らは毎週日曜日に教会でお祈りに行き寄付や社会貢献など表向きは善人を装いながら、裏で平気で差別と搾取を昔から繰り返してる。
奴隷制度があった黒人の話はたくさん目にするが、先住民に対しては条約に基づきある程度保護されているため目に見えた差別はないが、良い話を持ちかけ騙したなんていう話はたくさんありそう。

レオナルド・デカプリオ演じるアーネストはネイティブアメリカンの奥さんをインスリン注射に毒?を混ぜ殺そうとしていたにも関わらず、子供が死んだ事を知り罪を認めキングを有罪にするために裁判で証言するという謎のメンタリティ。
奥さんは死んでもいいけど、子供の死は受け入れられなかった??
子供への危害は知らなかったという事だろうか?どこまで関わっていたのか?この辺が少し分かりづらかった。

デカプリオはマーロン・ブランドとジャック・ニコルソンを足して2で割ったような表情を作りながら、汚い入れ歯をしてちょっとおバカな役どころを渾身の演技で見せた。
プロデューサーも兼ねており、この役を自ら買って出た事を考えると大した役者魂だと思う。

極悪人キング役のロバート・デ・ニーロは裁判でも落ち着いており、人前では本当に何もしていないかの如く振る舞っているところが本当に怖い。
捜査官とのやり取りや髭を剃っているシーンはアンタッチャブルを思い出した。

弁護士にブレンダン・フレイザー、検事にジョン・リスゴー、ラジオプロデューサーにマーティン・スコセッシ自身が演じているのもサービス精神があって良いと思った。

Apple TV+配給ということもあり配信メインで考えられており、劇場上映を全く考慮していない尺の長さはどうかと思うが(近所の映画館では1日1本しか上映せずw)、スコセッシとしてはNetflixの「アイリッシュマン」に引き続き配給側がうるさく横槍を入れて来ない分、尺を意識する事なく好きなだけ撮れるから気持ちいいんだろう。
今後もこういった映画は増えてきそうな気がする。

カツベン二郎
トミーさんのコメント
2023年10月30日

今更、インターミッションは入れられんでしょうし、劇場はどうすればいいんでしょうね。

トミー