劇場公開日 2023年10月20日

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「紛れもないスコセッシ映画!」キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン ヘルスポーンさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0紛れもないスコセッシ映画!

2023年10月28日
iPhoneアプリから投稿

人の愚かさをここまで正しく映画に落とし込めるのはスコセッシ監督しかいない!
完全に1920年代の空気に取り込まれ3時間20分にも及ぶ壮大なドラマに圧倒されました。

犯罪の実録集、ノンフィクションをアーネストの視点でここまで脚色したのは素晴らしい。
また、ディカプリオのまさにAmerican idiot な愚か者ぶりも素晴らしい。本当にバカ過ぎてイライラするくらい笑 正直でさえいれば救われたものを、その正直ささえも手放した彼の行く末はお先真っ暗。

さすがのApple Movieといった2億ドルという製作費で(ザ ・クリエイター 創造者は8000万ドル)、1920年代アメリカ オクラホマ州オーセージの舞台の作り込みが半端ない。本当にあの時代のあの街が存在するようにしか見えない。そして「ウルフ・オブ・ウォールストリート」、「アイリッシュマン」に引き続き近年のスコセッシ監督作を支える撮影監督ロドリゴ・プリエト。
本作のカメラワークはとてもスリリングで、アカデミー撮影賞も狙えるかもしれない。

物語の終盤で投入されるジェシー・プレモンスタ、ブレンダン・ブレイザーの存在感もバッチリ。こういった俳優の使い方もとても遊び心があり、80歳になるスコセッシ監督まだまだ若い!ラストのスピーチも映画的なジャンプ!スコセッシ監督本人による話の締めくくりにはビックリしました。

ヘルスポーン