「生々しい」キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン kame-pukupukuさんの映画レビュー(感想・評価)
生々しい
映画館にて鑑賞しました。
3時間を超える上映時間でしたが、つまらないなぁ、と思う部分はありませんでした。だからといって、短く感じたというわけでもありません。もう少し時間が短いといいな、と思いましたが、これだけ描いているとこうなってしまうのかな、とも感じました。
最初から事件の犯人が分かっている形で話が進んでいきますが、いつモーリーに魔の手が伸びるのか、とヒヤヒヤしました。
アーネストは心が弱い奴だなと思いますが、自分としては人間臭さを感じました。レオナルド・ディカプリオの演技もとても良かったな、と思いました。また、言わずもがな、といいましょうか、ロバート・デ・ニーロ演じるヘイルのオフィサー感はやはり尋常じゃないですね。
少し詩的な言い方をすると、インディアンの土地から採掘された石油に市場価値が付いてしまった瞬間に、先住民の文明・文化が資本主義の人間の欲望に飲み込まれる運命が決定づけられたんだなと感じました。このように書くとインディアンが一方的に弱者に感じますが、物語の端々に白人(資本主義側の人間)から見るインディアンの特性も描かれているように見えました。
石油だけがインディアンを追い込んでいったわけではないのでしょうが、彼らが石油を手にしていなくても、彼らの生活が残り続けたというビジョンも見えないのが少し切ないですね。
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