「ディカプリオは適役だったか?」キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン himabu117さんの映画レビュー(感想・評価)
ディカプリオは適役だったか?
これぞ映画の本道『キラーオブザフラワームーン』、マーティン・スコセッシ、ロバート・デニーロ、レオナルド・ディカプリオの真剣勝負。映画はこうでなくちゃって思うのは私だけでしょうか。でも、小手先のごまかしも奇をてらった演出もない、いいですよね。
黄金トリオの作品。
監督マーティン・スコセッシ、出演レオナルド・ディカプリオ、ロバート・デニーロと聞いて、現在考えうる最高のトリオと言っても過言ではないんですが。
さすが、3時間を超える大作でありながら、まさに正攻法真っ向勝負の作品です。
悪かろうはずがありません。
100年ほど前のアメリカ、オクラホマのお話。
オクラホマに居留させられる、インディアン、オセージ族のお話。
映画をみるまで、お金持ちのインディアンがいたことも、彼らに白人が群がってその利益を横取りしたことも、知りませんでした。
もとはと言えば、インディアンはこの地に追いやられた人々。
しかし、運命は、皮肉なもので、その不毛の地に石油が湧き出し、インディアンは大金持ちに。
こんな歴史があったなんて知りませんでした。
そのオセージ族の利権に群がり、横取り、殺害なんでもありの無法地帯。
白人達のなんと勝手なことよ。
しかし、この出来事から、FBIやおとり捜査、証人の保護制度ができるきっかけになったとは。
100年前の日本はどうだったか。
映画を見ていて、アメリカはなんて野蛮な国だ。
こんな無法なことが、行われていたなんて、呆れたのですが。
いや待てよ、同じ頃日本はどうだったかな。
最近見た、『福田村事件』を思い出しますね。
関東大震災があって、朝鮮人虐殺、無政府主義者大杉栄等の惨殺。
そして、これらを引き起こすデマの流布や拡散に政府や新聞が、関わっていたこと。
その後の軍部の台頭と、大東和戦争へ突き進む狂気の時代。
国民皆揃って、突き進んだこと。
十分日本も暗黒ですね。
だからこそ、一人ひとりが、しっかりと監視をしてないと。
レオナルド・ディカプリオは適役だったか?
主人公は、どこか優柔不断で、人に流されやすくて、どこか人が良さそうでいて残酷な考えも持っていて。
そういう意味では、難しい役かな。
だから、なんとなくディカプリオのベビーフェイスがやたら気になる作品といいますか。
そう、荒くれが闊歩する時代には、なんかお優しい顔つきなんですよね。
後、過剰な演技も気になるところといいますか。
第一次世界大戦に従軍した割には、軽いといいますか。
前線にはいなく、炊事班だったとか。
だから、今回のディカプリオの役作りも、ハマっていると見ることもできるのですが。
スコセッシ、デニーロとくるとどうもその軽さの象徴のベビーフェイスが、やたら気になる作品なんですが。
後は、見た人の個人の感想の問題かな。
とにかく、大御所の作る大作。
そうお目にかかれるものではないですから。
とくとご覧あれ。