劇場公開日 2023年10月20日

  • 予告編を見る

「SCORSESE!」キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン talismanさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0SCORSESE!

2023年10月20日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

知的

映画の冒頭、あるシーンの後に観客は目と耳をつんざく喧騒に襲われる。機関車の汽笛にもうもうと煙る蒸気、たくさんの男たち、怒鳴り声、土埃が舞う乾燥した空気。

アーネスト(ディカプリオ)の妻、モーリー(リリー・グラッドストーン)は雷が鳴ったとき目をつぶった。アーネストに「黙って。こういう天気の時は静かにして何も話さない」と家の外の自然の音に耳を傾けた。その表情の美しく知的な顔は忘れられない。賢く寡黙なモーリーは母と姉妹を心から愛し、母語や言い伝えを大事にしている。行動力もある。

エンドロールはひたすら文字が流れるのだが思わず目をつぶって耳を澄ました、モーリーになったように。自然のさまざまな音を浴びていたら涙がとめどなく流れた。ずっとその場に居たかった。

スコセッシ監督の映画を全部見た訳ではないが時代性も含めて今を捉えた一番の映画ではないかと思う。当時も今も何も変わっていない。金儲けが一番大事、力のある者が巧妙にさらに力をつけて弱者をどんどん作り上げていく。そこには常に差別と偏見がこびりついている。

ディカプリオもデニーロも完璧に適役だった。デニーロの笑顔にはとろける!そして凄く怖い。モーリーがまた妊娠したと聞いた時、彼の目と顔がほんの少し変わる。その「ほんの少し」にデニーロの生来のそして年季の入った演技にビビりながら見入ってしまう。一方、思わず笑ってしまうほど愚かで何かが足りず、歯並び悪いアーネスト=ディカプリオ、素晴らしい!モーリーを心から大事に思っているんであろうが熟慮できずチグハグな行動をしてはモーリーを苦しませ悲しませる男をよく演じていた。ディカプリオにとって代表作の一つになると思う。あまりにドキドキしたのでジェシー・プレモンスの出番を今か今かと待った。やはり適役、あったかくて誠実正義でほっとした。

前半はリズミカルでいい音楽が沢山流れる。後半は音楽がなくなる。映像もカメラワークもよく、オーセージ族の女性が纏っている布の美しさが厚みと共に自分の肩を覆ってくれているようだった。

206分ですが、長さ感じません、飽きません、だれません、眠くなりませんでした。

おまけ
最後のラジオドラマ・ステージでモーリーの話を担当した「彼」。モーリーへの敬意、ネイティブ・アメリカンすべての一人一人に赦しを請う思いを感じた。

talisman
琥珀糖さんのコメント
2023年12月18日

コメントありがとうございます。
とても嬉しかったです。

本当に今の時代の、拝金主義・・・お金を持っているものが1番偉いと言う風潮・・・
持たないものが嫉み、持つものが持たぬものを低く見る。
この差別が蔓延っていますね。
石油が出たことによるオセージ族事件。
現代的なテーマに繋がりますね。
スコセッシ監督とディカプリオは互いに組むと相乗効果が生まれる・・・
素晴らしい関係ですね。
ありがとうございました。

琥珀糖
humさんのコメント
2023年11月7日

同感&共感ありがとうございます!
すばらしい映画体験でなんだか血がぐるぐる巡りました笑

hum
アンディぴっとさんのコメント
2023年11月2日

おはようございます。
レオ様、若い時は私もあまり関心なかった。過去作を観ていく中で、なんかすごいじゃん!と今では観たい俳優の仲間入り!アゴケツの彼もその1人!

アンディぴっと
クリストフさんのコメント
2023年11月1日

情報ありがとうございます♪

愛知飛ばされてる🤣

クリストフ
クリストフさんのコメント
2023年11月1日

お気遣いありがとうございます。
ヴァルツ様の映画楽しみに待ちます。て、こっちに来るのかな
❓🤣

クリストフ
シネマディクトさんのコメント
2023年10月31日

冒頭の祈りのシーンは、彼らの善良さや真面目さがにじみでている美しいシーンですね。ネイティブ・アメリカンの言葉は文字がないものもあるから、なおさら伝えていくのが難しいですよね。

シネマディクト
2023年10月30日

あれだけ静かなのに飽きないで画面に釘付けに出来るのはマジで凄い事!

お主ナトゥはご存じか2世
everglazeさんのコメント
2023年10月26日

そうですか、体調お辛いですね。流行ってますからね、お大事に😌返信は気にしないで下さい。

everglaze
大吉さんのコメント
2023年10月26日

コメントありがとうございました。「沈黙」や「キリスト最後の誘惑」もスコセッシでしたもんね。ギャング映画のイメージが強烈ですが音楽ものも作ってますし、まだまだ活躍してほしい監督です。

大吉
everglazeさんのコメント
2023年10月26日

直ったそうで、良かったですね!!😃

everglaze
トミーさんのコメント
2023年10月26日

コメントありがとうございます。
そう考えると日本の部落民差別よりは、理性的に進んできたのでしょうかね?

トミー
トミーさんのコメント
2023年10月26日

私は裁判沙汰になってダラダラしてきたと感じましたが、裏に石油会社のお偉方が来て色々文句を言っていたのが、本当に嫌悪感でした。

トミー
Bacchusさんのコメント
2023年10月26日

いやー良かったです!
過去2日分はなんとかチェックできました
(^o^)

Bacchus
Bacchusさんのコメント
2023年10月26日

talismanさんが直ったとのことでもしかして…と思いアプリ更新したら表示される様になりました!

ありがとうございます!!!

Bacchus
Bacchusさんのコメント
2023年10月26日

良かったですね!

私の方はまだ直っていません(泣)

Bacchus
サプライズさんのコメント
2023年10月24日

マーティン・スコセッシはあの時のブレンダン・フレイザーが気に入ったのか、今回も結構な巨体でした。もしかしたら何のメイクも無い、普通のブレンダンかも知れないですけど笑

サプライズ
サプライズさんのコメント
2023年10月24日

キングの弁護人役です!裁判が始まった途端に、これまでの鬱憤が溢れ出たのか、涙ながらにキングとアーネストについて語っていた人ですね。アーネストに対して、「警察は暴力行為を働いたんだ」と言い聞かせるシーンが印象的でした😁

サプライズ
everglazeさんのコメント
2023年10月23日

移動への抵抗感、とてもよく分かります😌
「退会したユーザー」として、レビュー自体は多分残ると思います。将来的にどういう扱いになるのかは不明ですが…。

自分のINFOは大丈夫です。早く対応して頂けると良いですね☺️

everglaze
Bacchusさんのコメント
2023年10月23日

退会したユーザーの表示は、自分のレビューを開いた状態からの共感件数のところで見ると名前が表示される不思議仕様です。

Bacchus
Bacchusさんのコメント
2023年10月23日

私もまだ直りません!
今のところ運営様からの応答もありません(´・ω・`)

Bacchus
everglazeさんのコメント
2023年10月23日

早く直ると良いですね!!

everglaze
everglazeさんのコメント
2023年10月23日

talismanさん、こんばんは!
何も表示されないのですか…。それは困りますね。
私はレビューを削除され、自分の感想を受け入れてくれる器を求めてfilmarksへ移転中です。でもまだ当分こちらにもお世話になりそうです。びあやYahooは閉鎖して、利用者が随分流れて来ているようですよ。
ただ、filmarksも、アカウント不具合は直らないみたいで、困っている方を何人か見かけます。

everglaze
Bacchusさんのコメント
2023年10月22日

いえいえ、こちらこそありがとうございます!
通知は来るのにどこに共感やコメント頂いたかわからず…レビュー書いている件数が件数なので探すのムリです(泣)
もどかしすぎます
(*_*)

Bacchus
Bacchusさんのコメント
2023年10月22日

talismanさん
レスありがとうございます。

talismanさんも同じ状況なんですね…。
私も一応不具合連絡は送ったのですが、しばらく待つしかないようですね…
(´・ω・`)

Bacchus
Bacchusさんのコメント
2023年10月21日

昨日からアプリのINFOを開いても何も表示されず、共感頂いてもコメント頂いても反応できないのですが…自分だけでしょうか?

一応アプリを再ダウンロードしたけど改善しません(泣)

Bacchus
bionさんのコメント
2023年10月21日

ナレーターはスコセッシ監督でしたね。驚きました。
もっと作品を撮ってもらいたいです。

bion
bionさんのコメント
2023年10月21日

雷のシーンは、すごく印象的でした。嵐の間は心を落ち着ける時間なんて、素晴らしい習慣です。

bion
カールⅢ世さんのコメント
2023年10月21日

こんにちは。ラジオ劇の制作シーンはとてもよかったですね。唯一、ワクワクして、スカッとする場面でした。もう一回見よう~っと。原作本も読む気マンマンです。

カールⅢ世
レントさんのコメント
2023年10月20日

こんばんは。自然の中で生き、自然を慈しむ心を持ったネイティブアメリカンの人たちにとっては、白人たちが出す騒音は耐え難かったでしょうね。騒音だけではなく白人の世界にどっぷり浸かってしまったがために多くの悲劇にも見舞われました。最後の最後、モリーたちが保留地に移り住みネイティブアメリカン本来のアイデンティティーを取り戻したと思いたいですね。

レント