「斬新なのかもしれないけれど、退屈で有害な作品だとしか思えなかった」オオカミの家 てつさんの映画レビュー(感想・評価)
斬新なのかもしれないけれど、退屈で有害な作品だとしか思えなかった
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まず、1901年に制作された作品『骨』が上映されたが、家の中でいすに腰掛けていた女性の人形が失われ、地面から骨が発見されたりの繰り返しで、言いたいことがよくわからなかった。
『オオカミの家』の解説を読んだうえで、ナチスの残党がチリにやってきて、極秘の少年監禁施設をつくったことと関係のあるものだという情報は受けていて、同じ題材での2015年制作の『コロニア』を観ていて、エマ・ワトソン氏演じる航空機客室乗務員が、監禁された恋人を救出する活躍作品の展開を思い浮かべていたが、本作では、やはり女性が主人公で、監禁から逃げてきて、小屋に籠もり、ぶたを人間にみたてて飼い始め、追っ手のはずのオオカミの脅迫を拒絶して、「尊厳」を以てぶたを人間らしく育てようとするのだけれど、上手くいかず、便器に座り込むばかりで、次に色づいていき、言葉を話すようになるのだけれど、食糧探しに出かけることに反対され、自分がベッドに縛りつけられ、食べられる恐怖を感じたところで、自分にとって脅威であったオオカミの力を借りて、世話をしてきたぶたを滅ぼし、元いたコロニアに戻り、冒頭で素晴らしい施設だと宣伝されていたのと同じく、素晴らしい施設がまた存続していく結末になっていて、批判するような解説は全くなく、この恐ろしい監禁施設を肯定する話で終始していたので、アニメーションの制作方法としては斬新なのかもしれないけれど、退屈で有害な作品だとしか思えなかった。
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