「いい距離感」人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした 藤崎修次さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0いい距離感

2023年11月13日
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通常、この手の話だと同居生活を続けるうちにお互いを異性として意識するようになって・・・というのがお決まりのパターンだろうが、この二人は終始、あくまでもルームシェアをするただの同居人というスタンスを崩さず、丁度良い距離感を保っているのが、何となく新鮮な感じ。

井浦新の脱力感もいい。
ARATA時代のクールなイメージから普通のオジサンへの見事な路線変更。
この作品の内容からすると、イケオジでは駄目だし、加齢臭プンプンのダサいおっさんだともっと駄目。
その辺の匙加減が絶妙だし、彼をキャスティングした制作陣も見事だと思う。

深川麻衣も良かった。
演じる安希子はプライドが高くて、実に面倒臭い女なのだが、ところどころに元アイドルらしい可愛い部分も織り交ぜて、観る側に嫌悪感を抱かせない程度の拗らせぶりが、いい味を出していた。
同じ乃木坂OGでもセンターにいた白石麻衣や西野七瀬なんかだと華やか過ぎて違和感があったかも。

いずれにせよ、原作者の実体験に基づく元アイドルの顛末記として、なかなか興味をそそられる作品だった。

藤崎修次
トミーさんのコメント
2023年11月13日

共感ありがとうございます。
面白く作ってましたよね。意外性には欠けてると思いましたが、やっぱりササポンのキャラクター、相手も新鮮な深川麻衣という所もクリティカルヒットでした。

トミー