哀れなるものたちのレビュー・感想・評価
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蘇生
自我に目覚め、異性を認識し、冒険を選び、ダンスを覚え、哲学に関心を寄せ、社会の歪んだ部分にも気付き、別れを経験し…と、一人の人間の成長を奇抜な設定で見せられました。
主人公は、哀れな?愚かな?男たちに囲まれながらも、「自由の道を描ける女」に成長していき、痛快な結末を迎えるに至りました。
これは幸運なことのように見えました。その点は男女の差はないような気がします。
この作品のおかげで、自分が選んだ道を歩くことの大事さ、歩けることの幸せを、生まれ変わるというステップを踏まずに気付かせてもらえました。
アカデミー主要3部門ノミネート、納得です
カナダでは火曜が映画の日で、この作品が上映された6時15分の回はほぼ満席でした。
こちらはエログロな画面に目をシロクロさせながら、エマの微妙に聞き取りにくいイギリス英語に四苦八苦していましたが、会場中爆笑につぐ爆笑。
えー、これでそんなに笑えますか?
女性の自由と解放とかいいながら、売春しちゃうのは、なんだかんだで男にかしづく立場なんじゃないかなと違和感を感じたのは私だけかな。
何もあんなに脱がなくても…とは思いましたが、子供の脳じゃないとだから、そこは恥じらっちゃダメなのか。海外でも評価が高く、終わった後は盛大な拍手が湧きました。多分笑ってたのも、拍手をしたのも男性たちじゃないかな。隣にいたご婦人たちはたびたび顔を覆っていましたから、決して賛辞ばかり集まってるわけじゃないと思います。
プロットとしてはユニークだし、服装もセットも美しいし、よくできた作品だとは思いますが、何となくそこまでスカッとできない自分がいました。
もちろんエマストーンにはあっぱれですが、脱いだらアカデミー賞みたいな流れにはなってほしくないとは思いました。もちろん、そういう人間のサガ、全部ひっくるめて悲しい存在ではありますが。
追記:なんだかんだで年末年始から10本近く見て、見られるものはアカデミー賞候補作品もそれなりにチェックしましたが、今回主演女優賞候補にマーゴットがいないので、エマの受賞が確信できるような、エマが獲れなきゃブーイングが起こるようなレベルの演技だと思いました。
昔は不要なシーンでも、監督やプロデューサーが無理に女優を脱がすシーンを入れたりした時代もありましたが、プロデュース側にエマもいた時点で、女性の自由、女性性からの解放、これまでの価値観を覆した、エマの軽やかで周りの俳優を振り回す役柄は、全てエマの計算だったんだと、作品を見終わった後でジワジワ実感できます。
鑑賞中はグロいわー、エロすぎやん、えー、きっしょ!…などとモヤついていたのですが、赤ちゃんからどんどん知性を掴む過程で、私たちに気づきを与え、生きることの喜びを伝え、価値観を疑わせ、時代を変えていくような力強さを感じました。
そのことに気づかせて下さった、たくさんのレビュアーさんに感謝しています。いいね、コメント、お返事、本当にありがとうございました。
キメラたちが可愛い
ロンドンとかパリとか出てくるけど、明らかにわれわれの世界と地続きでない別世界の物語り。幻想的で、エキセントリックで、とてもユーモラスで、ちょっとグロテスクで結構エッチ。いや、この世界観の具現化は相当凄い。でもって、メッセージ性も強い。好き嫌いがかなり別れそうな作品だが、わたしには大好物だった。
フィルム撮影とかペッツバールレンズの使用とか、撮影も凝りに凝ったらしい。
エマ・ストーンの文字通りのカラダ張った演技、W. デフォーのマッドサイエンティストっぷり、M. ラファロのスケベ駄目男、何れも最高。
ラストはロンドンに帰って終わりかと思ったら、もう一波乱あった。
ドクターの庭にいたイヌアヒル(イヌニワトリ?)とかアヒルヤギとかのキメラアニマルたちのフィギュア欲しいな。海洋堂さん、お願いします。
採点4.3 ヨルゴス・ランティモスの新作。 「女王陛下のお気に入り...
採点4.3
ヨルゴス・ランティモスの新作。
「女王陛下のお気に入り」のタッグで、これが予想以上の強烈な作品でした。
あまりにも悲しい奇妙な生い立ちの少女、その成長を描いたロードムービー。というより寓話の方が正しいでしょうか。
まずそのアートワークが素晴らしい。
御伽話のような街並みや建物に船、ビビッドな空にファッション。
モノクロや魚眼を多用したカメラなど、本当に目まぐるしいです。
あと凄いのが劇伴ですね。音楽ともSEともいえない音はとても作品に彩りをつけていましたし、それが傷のように残るんです。
その視点や景色は全て子供の「世界を知りたい」といった好奇心だけで描かれていて、それが何処か愛おしいかったです。
夢のような美しい世界から、バベルの塔から見下ろす地獄。
最初から危なっかしい冒険でしたが、貧富や争い色欲など世の中の闇も学び、どんどんと大人になってその目に映る景色も変化していく。
エマストーンは野生味のある芝居で、無垢な部分が良く出ていました。
だからか、いやらしさがないんですね。正に熱烈ジャンプです。
それとゴッド役のウィレム・デフォー、エマストーンに劣らないインパクトを残していきます。
フランケンシュタインの様な風貌と、凶器と裏腹な優しい父親像。
育て・見守り・見送り・看取られる。最高の演技でした。
それと最後にもうひとエピソード入れてきたのには驚きましたね。
そしてエンドロールがまた素晴らしかった。
テキストとビジュアルの組み合わせが本当美しかったです。
最初から最後まで耽美で生と性とアーティステイックな魅力に溢れた作品でした。本当に見事ですよ。
独特な映像美と、ファッションに釘付け!
ちょっと抜けた弦の音が印象的な、めくるめく奇妙なお伽話の世界。
女性をモノのように扱い管理し、搾取する世界に絶望した女性が、社会の既成概念など通用しない万能な無垢な心を手に入れて再生、自由な冒険をする物語。
ウィレム・デフォー演じるゴッドウィン・バクスターは、ブラックジャックも真っ青!
手術痕だらけの見た目がまるでフランケンシュタイン博士の創造物のよう。
ベラに「ゴッド」と呼ばれるけれど、ホントその通り、創造者。
作品中で、彼の体は父親の実験で切り刻まれていたし、その結果、人々から奇異な目で見られ嘲笑され続けた彼は、ベラを父親のように庇護し続けようとするのがちょっと切なく見えてきて、愛情深いVer.フランケンシュタイン博士を想った。
(ウィレム・デフォーはいい仕事するなぁ)
もっともジェンダー云々というのはあまり語らなくても良いかもね…
ラストの庭のシーンで、一瞬ハッピーエンドを感じた自分に、ちょっと苦笑。
ヤバすぎ
賞を取ったのは障害者を扱うからかと。
強いて言えばアルジャーノンに花束をに近い。
内容は考えさせられるものです。
しかし表現がめちゃくちゃでした。
もう少し掘り下げてもよかったと思う。
昨年アカデミー賞のエブエブもそうです。
女性同士の関係が必須です。
今後もこういう流れになるのでしょうか。
エマ・ストーンが全部魅せます!
予告は目にしなかったのですが、エマ・ストーン主演ということで注目していた本作。公開1週間前の先行上映で鑑賞してきました。
ストーリーは、出産を控えながらも自殺し、その体に自身の胎児の脳を移植されたことで蘇生したベラが、手術を手がけた異様な風貌の天才外科医ゴッドウィンと共に暮らしていたが、屋敷の外の世界への好奇心が強くなり、偶然出会った弁護士ダンカンに誘われるまま駆け落ちのような形で冒険の旅に出ることになり、道中でさまざまな体験をすることで人として成長していくというもの。言葉で書くと一人の女性のたくましい成長物語のように見えますが、実際の映像はエロくグロく刺激的なものです。
とにかくなんかすごいもの見たというのが率直な感想です。当初は、大人の体に胎児の脳をもつベラが、他者からの刺激を受けて成長する姿を通して、人として大切なものは何かを描く物語かと思っていました。しかし、ベラの奔放な振る舞いに、途中から物語がどこに着地するのか全く読めなくなりました。それでも、ラストではベラの確かな成長と力強さが伝わってきました。囲われて飼われるような生活から抜け出し、外の世界に触れてさまざまな経験を重ね、自我を確立したベラが、かつての自分を自殺に追い込んだ鳥籠とその主人を乗り越え、改めてそこから飛び立つ姿が鮮やかです。
本作は、人としての成長と女性の解放の物語であったと感じます。体の成長に食べ物が必要なように、心の成長には他者との触れ合いや社会経験が不可欠だと思います。そこで、動物としての根源的な欲求を抑える理性、他者に対する配慮、社会の仕組みなどを学びます。そして、それを成長と呼んでいます。しかし、それは本当に成長なのでしょうか、用意された枠組みに都合よく収まるように洗脳されているだけなのではないでしょうか。男性が自らに都合よく構築した社会に無理やり押し込まれる女性にとっては、それはなおさらでしょう。ときにシュールで無礼で奇異に映るものの、一方で既成概念に疑問を投げかけ、本質を突くような鋭さをもつベラの言動から、そんなことを感じます。
映像としては、近代ヨーロッパにシュールなエッセンスを加えた独特の世界が、この狂気の設定によくマッチしていると思います。序盤のモノクロ映像もそれに拍車をかけます。この現実によく似た虚構の世界は、女性に閉塞感を与える現実世界を表すとともに、それは本来あるべき姿ではないのだと訴えるメタファーなのかもしれません。
ただ、全編にわたって性的な描写がふんだんに盛り込まれており、ある程度の必要性は感じますが、そこまでしつこく露骨に描く必要があったのかは疑問です。とはいえ、快楽を知ったベラが好奇心に身を委ね、まるで新しいおもちゃで遊ぶように自らの体を使って実験しているようにも見え、こちらが性的興奮を感じることはほとんどなかったです。あと、時折、覗き窓を見るような画角で、周囲を削ぎ落とすような演出がありましたが、あれはどういう意図だったのか、よくわかりませんでした。
果たして、「哀れなるものたち」とは、男性社会で虐げられる女性でしょうか、そんな社会を作ることでしか自尊心を満たせない男性でしょうか、親の意に沿うように育てられる子どもでしょうか、社会の歪みの中で苦しい生活を強いられる貧困層でしょうか、科学の名の下に命を弄ばれる動物たちでしょうか、愛し合い傷つけ合いながらも結局一人では生きていけない人間という生き物でしょうか。なんだか、この世の中には「哀れなるのもの」が溢れかえっているように感じてきます。
主演はエマ・ストーンで、文字通り体を張った渾身の演技が観客を魅了します。脇を固めるのは、マーク・ラファロ、ウィレム・デフォー、ラミー・ユセフら。中でも、ベラに振り回されるダンカンをマーク・ラファロが好演しています。
エマ・ストーンの素晴らしさ
圧巻。心震えるとはこのこと。安易にフェミニズム映画と括りたくない強さと皮肉さがたっぷり詰め込まれているのに、人間讃歌にもなっている。
名探偵コナンの何から何まで逆で、見た目は大人、頭脳は子どもの場合、女性として生きていく上の社会的接点・社会性の獲得の前に(並行して)進んでいく、性欲への目覚め。純粋に食欲や睡眠欲と同様にあるとなると、性への目覚めはこうなるのかという驚き。
“冒険”という言葉が何度も出てくる。文字通り、家の中で抑圧されて生活してきたベラが、外の世界に出ると女性としての抑圧を喰らう。さらに、なぜ彼女が自殺することになったのかやら、貧困の階級差やら、社会に擦れる前に、ないし擦れることに抗いながら頭脳が成長を遂げていく様の美しさと尊さ。無垢の強さ。擦れたからこその強さ。
他社の悪意すらも自身の成長に変えていく。そして、男性だって変えられるかも…という期待の的は惜しまないことと、変えられないと判断したら…のラストカットの皮肉ぶり。「Swallow」みたい。
どのタイプの男も結局は『男は女の所有物』的な考えをしていて、それを時に個人で蹴散らし、時に女性と連帯して乗り越えていく。
エログロなんでもありだし、男性器まで出てるからR18なんだろうけど、この寓話にリアリズムを与えるのは、その生々しい映像と音楽。そして特殊なカメラのセットと割り方。そのどれにも魅了される。モノクロからカラーへの切り替えも意図的で本当に素晴らしい。
本当にエマ・ストーンが素晴らしい。知能が女児の時の振る舞いや目線と、成長後の振る舞いや目線の緩急。これぞ演技力の賜。日本でこれできるのおるんかな…二階堂ふみか?
僕はこれからもヨルゴス・ランティモスの「愛とはなんぞや」映画に魅了されていきたい。
面白い
18禁シーンや素っ頓狂なビジュアルに気を取られてしまうが、ものすごくシンプルで共感を呼びやすいお話。エマ・ストーンのあまりにも振り切れた芝居に対して、ウィレム・デフォー以外の主要人物は役不足感が否めなかった気がする。あと、冒頭で期待しすぎたのかスプラッター要素が足りない、と思ってしまった。
アカデミー賞ノミネートを見て愕然。
まさか『バービー』を貶めるために利用されるとは、思いもよらなかった‥‥。どちらもノミネートされて、「どちらか選ぶとすれば」はアカデミー賞の舞台上でやるべきだった。こういう映画を男性監督が撮れたというのは素晴らしいことだけれど、それは主にエマ・ストーンの功績だし、女性の椅子をかっさらった感は否めない。
アカデミー賞の衰退に貢献した、素晴らしいフェミニズム映画。
人間の成長&女性解放 と言いたいところだが セットの作り込みと エマ・ストーンの【突き抜け感】に圧倒された。映画観た達成感を味わえる作品。
ここのところ アカデミー賞 【あくまで独善的個人的な感想です。】ただオリエンタル ただ風景 ただの教育テレビ言い換えると24時間マラソン的な説教くささ 個人的に感じる・
という ノーベル文学賞 の 単なる政治的背景とか希少性のよくわからない選考基準 村上春樹がダメで ボブ・ディラン
がOK というのとシンクロしてて あくまで個人的な感想で解せない 高尚な選考が続く・・
こんな状況下で 本作の【突き抜け感】ヴェネチア ゴールデングローブ制した本作を アカデミーはどう評価するかそっちが注目だ❗️
先行1週間前上映 敢えて 駅から遠い シネコンで観たが 正解だったかどうかはわからない
観客人数は言えない バレるから・・ ただ、1桁で 皆 単独客 ということは事実
映画ツウのシンパシー というより アニメ映画や若手スター映画以外の本作のような 高尚そうに見える洋画
が お客様 あんまり入らない事実に背筋が凍った。勿論、駅前映画館なら30名〜50名くらいは集客できたのだろけど
満員御礼では無いのは同じカモ。
本作R18➕です。 ただしセクシーな性 エッチな性 ではなく 劣情 人間の根源 的な 問いかける 性
なので悪い意味のエロは皆無。
エマ・ストーンさんが まさに体を張って熱演 厳密にいうと 邦画の用語の【濡れ場】では無いです。
わかる人はわかる例えで言うと 寺島しのぶさんで言うと「愛の流刑地」ではなく「キャタピラー」【戦争映画の傑作】
黒木瞳さんで言うと 「化身」ではなくて「失楽園」
女性の成長 胎児の頭脳からの成長 基本的に 支配からの解放 が描かれる
有料🈶パンフも勿論買ったよ 羽佐田さんと言う方のジェンダー論が全て①婦人参政権②ウーマンリブ③昨今のジェンダー論
の突き抜け版【是非有料🈶パンフ購入して この方と有名監督の清水崇はじめコラム的なものが秀逸】
こう言う作品は 優等生感が眩しすぎて ちょいワルどころか 超劣化ポンコツ凶悪オヤジのワシ🦅的に鼻につくと言うか
説教くささが 【見てらんない】飽き飽き感が出てくるものだが
本作は私の脳内 アドレナリンとかα波は出なかったけど、 イヤイヤ感も出ず 最後まで魅せてくれた秀作
エンドロールも 最後まで 純然たるスタッフロールではなく 画面で魅せた ただし スタッフ、キャスト誰だか読み取れないのは諸刃の剣で仕方ない 通常エンドロールで立ってしまう人はタイミングが難しいヨ。
基本的にセットでの撮影の作り込み 意図的なカメラのアングル的な視野【自分でも何言ってるかわからない】
色彩、衣装の 時代不明な鮮やかさで魅せてくれます。
ただロンドン、リスボン、アレクサンドリア【エジプト🇪🇬カイロより昔は有名だったはず】パリの珍道中というより正統派ロードムービーは相違ないが イマイチ地域がよくわからないのが玉に瑕。明確にわかるアレクサンドリアが細かすぎてよくわからないので要注意
自分の心と体は自分のもの で 女性解放的なのもこう言う突き抜け方なら 男女ならぬ女男平等で良いんじゃない❓と妙に納得 あっという間の142分
ただ最後 主人公 急に大人にかつ清楚になりすぎかもね チコっとだけ 「タイタニック」の愛憎劇が被ったと感じたのはワシだけか❓サーチライト・ピクチャーズ 「ナイトメア・アリー」からのアカデミー賞リベンジなるか❓
結論は 観て損は無い作品 単独客さんにオススメ 理解容易な好作品
エマ・ストーンさんも大変だけど 相手の俳優さんも大変だよね と そこは なぜか心が❤️折れそうになった。
星▼🌟➖1は 1週間早くレビュー書いてる負目と この作品のメッセージ性書いてる自分が ジジイはジジイなりに
「小っ恥ずかしい」からです❗️
緻密な計算で描かれた〝つくりもの感〟(追記あり)
超絶外科手術(要はフランケンシュタインがリアルな世界)も、屋敷も旅先の街並みも空も、すべてが並のお伽話よりも濃密に〝つくりもの感〟に溢れています。
あれほども〝栗とリス〟にまつわる会話や映像が展開されてるのに、嘘のように性欲が刺激されないのです。コメディタッチであっけらかんと描かれるような映画もありますが、それなりにエロかったりするのに。
思春期特有の精神的なモヤモヤをすっ飛ばして、いきなりあの気持ちよさに出会ってしまった無垢の女性にとって、それは無垢な肉体の悦びであり、それを欲することは、E=mc 2(二乗)と同じくらい自然で当たり前のこと。
淫乱である、とか、ふしだらである、とかの道徳的な後ろめたさやそしりの概念を社会の共同観念としていつの間にか仕立て上げたのは男どもだし、この女は自分だけのものである、という身勝手な独占欲を許してきたのも男の作った虚構のなせる技。
男の作ってきた常識の数々は、よくよく見てみれば、結局は男の怖れや弱さから生まれたよくできた〝つくりもの〟
それらのことをpoor thingsと呼んでいるのでしょうか。
【素朴な疑問】(2024.1.28追記)
売女(バイタ)という言葉があります。
いわゆる売春婦だけでなく、男目線から〝身持ちの悪い女〟
に見えれば、それらを引っくるめた罵り言葉として使われます。
たとえば、ホストクラブという業態がある。
実態を何も知らないのだが、仮にそこで女性客に対して〝媚び〟を売ったり、場合によっては身体を売ったりすることがあるのであれば男性向け風俗の業態と本質的な違いはないことになります。また、浮気性で、〝身持ちの悪い男〟だってたくさんいます。
だけど、そういう類いの男性を一括りにして〝売男〟(読み方は売女と同じバイタということにしておきます)とは言わないし、それにあたる言葉もたぶんありません。
そもそも様々な女性を一括りにして蔑む言葉が、字幕でも普通に使われている男性中心に作られた共同観念の根深さをあらためて実感しました。
ゴシック調の世界観
ゴシック調の世界観、独特の色彩、非現実感の強い映像。これら映像表現とともに、一人の女性が自立していく中で湧き起こる感情が、キャラの濃い登場人物との間で醸成されていく様が観られます。心理描写としては、誰しもが予想できる範疇を超えているとは言い難く、正直浅いと感じました。映像、音楽、劇中音これらを総合的に楽しむ映画ではないでしょうか。観て損はないです!
気狂いとエロ。中々見応えあり。
まず始めに芸術的な作品です。最初はしまったー、こんな感じだったのかーって後悔から始まりましたが、観ていくうちに面白い。
途中エロい場面は多いがそれはストーリーの一環なので嫌じゃない。ネタバレになるんで記載しませんが、それよりインパクト強いのが色々。え?ってね。
ある意味サクセスストーリーに似た階段を昇系は良かった。
強烈な作家性に引き込まれる作品(R18+)
鬼才ヨルゴス・ランティモスが独特で奇天烈な世界観を、躊躇ない性描写を交え綴ったゴシックファンタジー&ブラックコメディ。
脳が幼児で身体が大人だとまず性への興味から始まり、倫理観がない分リミッターがかからず暴走してしまうというのはなんとなく納得。
外の世界での見聞や人生観を大きく変える人物との出会いによって貧困、差別、ジェンダー、思想などを学び急速に成長していく過程が面白かった。
船上で出会った老婦人と黒人青年、娼館の女主人はリアルな「世の中」を彼女が知るきっかけを作ったキーパーソン達だが大変魅力で印象に残った。
主演(兼製作)のエマ・ストーンはこの難役をまさに体当たりで演じており、ある意味女優としての凄みの様なものを感じた。
冒険から戻り、自分の使命は何かという事を見つけた転換期を眉毛、歩き方、カラー映像で上手く表しているのも興味深い。
堅物のイメージが強いマーク・ラファロは観はじめた時にはこの役は似合わない気がしたが、徐々に違和感を無くしたのはさすが名優だと思った。
狂気の天才外科医を演じたウィレム・デフォーはこっちの期待を余裕で上回る怪優ぶりだった。
あの変なシャボン玉みたいなのは一体何?
非常に表現しづらいが、とにかくパワーや熱を強く感じる衝撃作。
不気味。下品。強烈。(私は好きではありません)
話題になっていたので、ものすごく楽しみにしていたのだが(私にとっては)残念作品。でも、評価を5にせざろうえないような迫力がある。ちなみに一緒に行った人には「最低!」との評価でした。
チョコレート工場2作のうち「チャーリーとチョコレート工場」の方を好きな人にはまだ受け入れやすいかもしれません。逆に「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」の方が好きな人には受け入れ難い作品だと思います。
「登場人物で好きな人が誰もいなかった」+「これでエマ・ストーンがアカデミー賞(主演女優賞)取れなかったら可哀想」。
気になったのは山羊(の肉体)はどうなったのか、ということ。あと、そもそもあれだけの技術力(科学力?)があれば胎児のままで、普通に育てることができたのではないか、ということ。
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