哀れなるものたちのレビュー・感想・評価
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アルジャーノン+ムカデ+千と千尋
本当は浜辺美波観たさにサイレントラブを鑑賞するつもりでしたが、上映時間の微妙な不都合から急遽、こちらの作品に切り替えて鑑賞しました。隣の妻は映画が始まってもなお、あれ?浜辺美波は?と言ってたので、タイトル変えたことに気づかなかったみたい。
さて、いきなり予備知識もなく鑑賞し始めましたが、作品紹介欄には「赤ちゃんの脳みそを」と書かれていたんですね。これ読まずに映画観てたんで、途中びっくりしました。映画の世界観がぶっ飛んでます。
私のタイトル読んで、共感される方もいるかもしれませんが、原作を良くぞここまで映画にしたな、と思わせるスケール感でした。何を主張したいのかは、君たちはどう生きるバリによく分かりませんでしたが、ストーリーそのものは分かりやすいので独特の世界観を浸れると思います。
女優さんはアカデミー賞を取ったとか。それは確かに納得です。
さて今度こそは、浜辺美波を観ようっと!
魂の所在からその先へ
個人評価:4.0
原作、脚本がヨルゴス・ランティモスではないので、どこまでが監督独自のテーマか分からないが、自身が脚本も手掛けた「ロブスター」などの過去作同様に、一貫して通づるテーマがあり、サディスティックな演出など、ヨルゴス節満載の作品であった。
過去作では肉体は魂の入れ物にすぎない事を描き、本作では、さらにその先の魂の在り方を語っていると感じる。
魂の上昇には学びが最も重要だと。
無垢なエマストーンの闊歩の様が、冒険によって得られた教養で、歩き方・口調まで上昇している対比は、見る側にそれを物語っていると感じる。
この世は醜く悲惨な世界。生を受けた者は皆哀れである。そこから身を護るのは学ぶ事だけ。
フランケンシュタインのお話を骨組みに使い、生の在り方と、自分という人格の所在は、肉体や脳に宿るものではなく、後天的に得られた知と経験によって確立する事を実証したかの様な映画だ。
まさに寓話的で、見る側に色んな解釈と教訓を教えてくれる。
それにしても全カットがまるで絵画の一枚絵の様に美しく、リッチな作品を観た充実感があった。
上下について
矛盾とか葛藤というよりも、上下とか優劣を混ぜっ返す映画であったと思う。居心地の悪さを感じれば感じるほど、優劣とか上下にいかに縛られているか(内面化しているか)が認識されるという仕組み。/『バービー』みもあったけど、個人的には『ベネデッタ』を強く想起させられる映画であった。
モノクロからカラーへ
奇想天外な展開はブラックジャックやロブスターを思い起こす様な映画で世界への冒険で知性に目覚め自由を知るバラの世界観、オスカー女優エマ・ストーンの実力を遺憾なく発揮されたと思います。
助演のウィレム・デフォーやマーク・ラファロなどの名優の演技力、更に装飾品や衣装と映し出す魚眼レンズ等様々工夫がなされ臨場感がありました。
高尚、芸術的
宗教的なことや死生観などをテーマにした作品なのかもしれないが、難しかった。
主人公のベラは幼児の脳を持ち、本能のままに生きる。
やがて成長とともに独自の思想を確立してゆく。
あまりにも奇想天外な展開で誰にも感情移入が出来ずに物語が進む。共感できるのは、ベラを連れ去った男が何もかもを失った時の喪失感だけ。
画面はムンク、ダリ、モネ...
そんな絵画を思い起こさせる映像美。
ベラの衣装デザインが凝っていて、とても美しい。
残酷な場面も多くかなりの制作費がかかっているだろうと思った。
見終わったあとは虚脱感。
楳図かずお作品の「洗礼」を思い出さずにいられなかった。
追記
万が一、熱演のエマ・ストーンがオスカーを取ったとしても正直複雑...
ここまでしないと女優は評価されないのか?と思う
【哀れになる映画】
大人の体で新生児の脳を持つ突拍子もない設定を、痛烈な社会風刺に転じつつ、家族愛に帰着させてしまう濃厚な一本。エマ・ストーンの体当たり本気度MAXな演技は、見逃すと本当に哀れ。
◆概要
【原作】
アラスター・グレイによる同名ゴシック小説
【脚本】
「女王陛下のお気に入り」トニー・マクナマラ
【監督】
「女王陛下のお気に入り」ヨルゴス・ランティモス
【出演】
「ラ・ラ・ランド」エマ・ストーン(プロデューサーも兼任)
「スパイダーマン」ウィレム・デフォー
「はじまりのうた」マーク・ラファロ
【原題】
「Poor Things」
【公開】2024年1月26日
【上映時間】142分
◆ストーリー
不幸な若い女性ベラは自ら命を絶つが、風変わりな天才外科医ゴッドウィン・バクスターによって自らの胎児の脳を移植され、奇跡的に蘇生する。「世界を自分の目で見たい」という強い欲望にかられた彼女は、放蕩者の弁護士ダンカンに誘われて大陸横断の旅に出る。大人の体を持ちながら新生児の目線で世界を見つめるベラは時代の偏見から解放され、平等や自由を知り、驚くべき成長を遂げていく。
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◆以下ネタバレ
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◆エマ・ストーン
本作は何よりも彼女の演技が魅力。大人の体に子供の脳が移植された時、どんなことを考え、どんな言葉を発し、どんな動き方をするのか。皿を割りながらゴッドの帰宅に飛びついて喜ぶ姿は赤子そのもの。リスボンで楽器と歌声に本能での悦を見せるあの表情がたまらない。ダンカンが半ば強制的にフォローに入ったあのダンスシーン(ヨルゴス監督作にはお決まり)も、少しいびつな音楽とステップとともに、ベラが音を楽しむ本能的な姿が見事(ベラに好色を示す者たちに見境なく飛びかかるマーク・ラファロもよかった笑)。そして何より、体を張った演技。“幸せな発見をした”と、初めての性に目覚めたあの表情も良かったし、モノクロからカラーに変わる、ベラの自由が始まったことが視覚的にも表現された“熱烈ジャンプ”(Furious jumpingと言ってた)から、その後の脱ぎっぷりに圧倒される。「女王陛下のお気に入り」撮影中に、ヨルゴス監督からこの企画を持ちかけられていたというエマ。信頼するチームと、ただの娼婦ではなく、赤子の脳で世界に飛び出したベラがたどる必然の世界観を表現する上で、彼女が望んで選んだ選択肢だったかも知れない。いずれにしても、その本気度がスクリーンからこれでもかと伝わってきた。
◆哀れなるものたち
屈託のない視点で世界を見ながら、時には喜びを、時には負の感情を受け取っていくベラ。リスボンでは道端での口論、アレクサンドリアではまさに哀れなまでの貧困に接し、嫉妬に震えるダンカンにはパリでついに愛想を尽かす。性交に悦を感じ、それを生業とする事は彼女にとって自然な事であり、それに激怒するダンカンは、一見当然な男の感情とおぼしくも、恐ろしくちっぽけに見えてくるのが本作ならでは。娼館で彼女が言った“女性から選ぶ事はできないの?”は特に、昔はおろか現代でもブッ刺さる、男女平等の理念を訴えるキラーワードでもありハッとさせられた。世界を知ったその先に彼女が向かった自らの出自には、ベラを“領土”と呼び、従者を冷遇する男の姿。世界の貧困や家父長制、男がいかに哀れな生き物か…ベラの視点を通して炙り出されていく“哀れなるものたち”が、そのまま本作が発する痛烈な社会風刺にもなっていた。
◆家族愛
世界を見たいというベラに、そっとお金を渡し送り出すゴッド。“情が移った”“科学者として失格だ”のセリフには、ゴッドがベラを娘のように思う表現が見え隠れ。ベラはベラで、いつもハガキをよこしながら、ゴッドの窮地には飛んで駆けつける。常にベラの身を案じていたマックスは娼婦となった彼女も受け入れる。死へと向かうゴッドに寄り添うベラとマックス、そんな3人の姿はもはや家族そのものだった。突拍子もない設定や、内包する社会風刺もさることながら、いびつながらもそんな家族愛に帰着させている事が本作のミソ。解剖動物や解剖人間に囲まれた、それだけを見ると“哀れなるものたち”でしかないラストは、本編を通してみると夫もパートナーもいるベラが、“本を読む”自由も勝ち取った、幸せの光景になるのがまた本作ならでは。独特の色彩、映像表現もありつつ、鑑賞後の余韻が延々と続く、なんとも見応えのある作品でした。
◆関連作品
○「女王陛下のお気に入り」('18)
本作と同じ監督、脚本家で製作され、エマ・ストーンも出演した作品。主演のオリビア・コールマンがアカデミー主演女優賞を受賞している。ディズニープラス配信中。
○「クルエラ」('21)
ディズニーキャラクターの実写化。第94回アカデミー衣装デザイン賞受賞作品。エマ・ストーン主演、本作と同じ脚本家、同じエマのメイク担当。ディズニープラス配信中。
◆評価(2024年1月26日時点)
Filmarks:★×4.2
Yahoo!検索:★×3.1
映画.com:★×4.1
純粋培養された知性、狂気、エロスが織りなす傑作!
原作は存じ上げないですが、4:3の映像アスペクト比も含めてレトロな美術設定、殊更蒸気機関がフィーチャーされてるあたり、スチームパンクの異世界物といっても過言はないと思います。
公式の事前情報からしてネタバレ全開で、彼女(ベラ)が自ら命を断ち、妊婦であった頃の自らの胎児の脳をある天才外科医により生体移植されて蘇生した・・・という端からぶっ飛んだ設定です。
マッドサイエンティストの外科医は、研究室兼自宅の豪邸に彼女を閉じ込め、外界の刺激から隔離しその精神的成長や成人済みの肉体とアダプトしていく様を科学者の視点で経過観察します。
しかし、精神と肉体の過度なアンバランス、そして彼女自体の知的好奇心や行動力、学習能力の優秀さからそれはほどなくして親代わりである外科医の制御出来る範囲を超えます。で、いろいろあって悪い女たらしの法律家の手引きもあって彼との冒険の旅に出るという物語。
まず、画面に釘付けになったのはベラの精神と肉体のアンバランスさの上に奇跡的に成立してしまった強烈なエロティシズムです。いや、これは見方によっては変態的であるが致し方ない(笑)。
彼女の快楽嗜好が幼児特有の根源的な食欲、睡眠欲から→性的快楽の追求に短期間に急峻な移行をします。しかし説得力のある背景、設定からかそこまで奇異な印象は受けませんでした。
何よりベラ演じるエマ・ストーンさんの女優生命を投げ捨てているんじゃないかというくらい出し惜しみしない(?)熱演、まさしく怪演がフィクション世界におけるベラの実在を不動のものとしていましたね。
冒険の旅においてベラの留まることを知らない知的好奇心は、性的倫理観、そして一般常識やそれに基づく共感性が欠如した奇行となって現れます。
その一連の彼女の行動は詳細を語れないくらいインパクト十分(笑)ですが、そんな中にあって流されることなく欺瞞にも染まらず、常に世界の観察を怠らず正しい科学者の視点、好奇心でやるべきことを実行する様は大変、愉快爽快でした。
18禁ですし、エログロ狂気満載で倫理的にはボーダー振り切れてます。が、映像は本当に雰囲気でていて美麗、かつ物語は破綻なくすすみ結末も納得??なので、ぜひ試しにご鑑賞ください。
傑作です。
エマ・ストーンよく出たな!!!
予告だけでは絶対に分からないエログロ哲学映画。デートで「アメリ」みたいなおしゃれ映画と観に行ったら帰りは気まずくなるは必須。
撮影も凝っていて広角レンズ撮影など面白い。
シナリオは一章事に分かれているがパリ編かま意味不明でこの辺りからストーリーが難解で哲学的になり。将軍の家には行ったり、後半は人間の感情的に難解なストーリー、子どもの子供の好奇心だけで生きるは自由とは違うと言うことなのか?
絶対ひとりで観て!
常識とは何なのか?
変態とは何なのか?
もしかしたら、常識と思っているものが変態ではないのか?
「さあ、どうだ! おまえにわかるか!」
と、問いかけている映画です。
まるで夢野久作が憑依したような全編を貫くエロティシズム。
鑑賞後は誰かと話したくなる。
でも、何があっても誰かと観てはいけない作品です。
ひとりで己の人生に対する後悔と覚悟を噛みしめてください。
「Poor Things」
本当にPoorだったのは誰なのか。
答えはすぐに見つかるはずです。
大人のための動く絵本です、ダリの絵画のよう
まごうかたなき「変態」ヨルゴス・ランティモスの傑作です。豊満な若き女の肉体にベビーの脳を持つ主人公が対峙するのは、ことごとく世の「常識」。カオスな状態から、いったいどちらが変態なのか? が怪しくなるのが本作の妙味。この奇怪なシチュエーションを創造するためにフランケンシュタインの設定を取り入れ。あわせて家父長的ゴッドに対するフェニミズムが芯として作品を支える。これらを圧巻のスペキュタキュラーな映像世界で描き出す、これを傑作と呼ばずしてなんと呼びましょう。
常識を揺るがすために描かれるのは性の悦びで、これが本作の大半を占める変態ぶり。もとより変態と言えば性的嗜好がアベレージを超えた時に使われる言葉。スッポンポンが画面を占めるのはもはや必然でした。ひと昔前の映倫による無謀なるボカシ権力行使も世界の潮流を認識したのか、ブラブラもそのままなのは当然とは言え、有難い。最初は完全に幼児の振る舞いも、成長著しく自らを慰める術を知り、ダンカンと旅に出たら公然と性の悦びを開花させる。この状態は変態で何でもない、当たり前の大人へのステップなわけで。しかし、これをパブリックの場で吐露してしまう辺りが、ベラはまだ幼稚ってわけ。よって軋轢が生じ、セックスにメロメロなのに常識側のダンカンは、ベラをたしなめ防戦一方の情けなさ。
文無しとなりパリにたどり着いたベラとダンカンだが、何も生産出来ないダンカンに替わり。ベラは自ら1人で「生産性」を目指し実践する。アッパレなベラに感動ですね。ここでシークエンスで一挙に変態度をギアアップ、これでもかと観客の常識を揺さぶって来る。この変態釣瓶打ちに何か意味をなんてのは浅はかそのもの、世の男どもの情けなさを笑えばよろし、にもかかわらずベラは一層賢く成長してゆくのですから。
挙句、ロンドンに戻ったところでマックスと予定通り結ばれると思わせて、とんでもない奴がここで登場のどんでん返し。ベラとても、とんでもない行動が選択できる賢さまで備え、父ゴッドのポジションに収まるとは、まるでお伽話。そう、すべては大人のための動く絵本なのでした。
それにしても、めくるめく豊穣なイマジネーションの展開が見所で、ロンドンでのゴッドの家のインテリアから、リスボン、アレキサンドリアそしてパリと、まるで「ダリ」の絵画の世界が怒涛のように画面を埋め尽くす。馬の頭を掲げて薪を炊いて動く蒸気自動馬車なんて、頭がアヒルで胴体が犬って、いったい誰が発想するの? アレキサンドリアのホテルの全景なんて見事、パリの娼館のインテリアなんて、まさに巣窟。女主人の全身タトゥーにはのけぞってしまった。船も海も街並みもなにもかもCGですが、もとより本作は絵本なんですから。
アカデミー賞女優であるエマ・ストーンがオスカー魂で体当たり演技で炸裂です。そしてベテラン個性派ウィレム・デフォーが大胆メイクでフランケンシュタイン役にそれこそピタリとはまる。そして色気ただ漏れのマーク・ラファロが女殺し役にこれまたピタリ、見事なアンサンブルを披露する。本編セリフにもダンカンは男前と言われ、その通りのマークですが、ちょいと歳が行きすぎかと。ヨルゴス監督作の常連であるコリン・ファレルなら、色気ありまだ40代でベターかと。
「Poor Things」、所詮人間なんてpoorなものです。
解剖学は緊張する
“わぁー”
観終わった後出たのはこの一言やった…またしても監督の変態性が作品を昇華させている…
やっぱスゴイ作り込んだ画、魚眼レンズやハマりきったカメラワークどれもバツグンでしたね。もちろんエマストーンも!そして最後の将軍の姿に戦慄した…人に勧めるのは少し躊躇するけどたくさんな人に観て欲しいような気にもなる(^^;;
「哀れなるものたち」とは…
ベラなのか、ゴットなのか、助手なのか、クリーチャーたちなのか、弁護士なのか、皮肉屋なのか、老女なのか、金をせしめた船員なのか、貧しきものなのか、女主人なのか、娼婦たちなのか、買いにくる男たちなのか、性教育をする父親なのか、将軍なのか、使用人なのか、二人目なのか、それともこの世界なのか…果たして哀れなるものとは…
誰かしれ哀れなものは少なからずある。
この世は哀れなもので溢れている。
①L-10
熱烈ジャンプ!エマストーン様⁈
いやはや問題作です。キ印の天才博士が蘇生した女性版フランケンシュタインのベラが天衣無縫に、無垢に世界を体験、学ぶストーリー。頭の中が新生児、カラダが成人の、奇妙なバランスゆえ、体験も学び方も常識が通じない。それでも周りの登場人物の方がどんどん滑稽に見えてきます。(それがPoor Things?!) 現代版マイフェアレディの印象も?
セックスシーンが多すぎて、少し辟易される向きもあるやもですが、売春宿でのいくつかの場面以外は必要だったと思う。ベラを演じたエマ様、凄すぎます!スタンディングオベーションです!
現代人が持つ、自由、冒険、常識、ジェンダー、現実、社会の仕組み(劇中の時代設定は産業革命後〜大戦前?)の認識を嘲笑う挑発に満ちた作品⁈個人的には、最後の伏線回収は無くても良かったが…それもベラを通じた学びだったか、スッキリはしました。いや、とにかく参りました。
あと、極彩色に変化した後の映像がアメリやムーランルージュのような雰囲気で結構好きです。
ただ、カップルや家族で観に行くのはやめた方が良いかも?R18+です。
登場人物は皆上流階級なのに、やっていることは哀れ
すごいものを見てしまった。映画を見ながら、古典落語の「元犬」とか、筒井康隆のショートショート(こちらは馬の脳を移植された男の話)とかを思い出していたが、まさか映像化してしまうとは。アレクサンドリアの描き方が酷いなとは思った。
ブラックユーモアも最高だった
終了24時を過ぎるほぼ満席のレイトショーで見たのだが、時々巻き起こる笑い声が女性と外国人ばかりで、それに対しても笑ってしまった!
(男性がシャイなだけだったかもしれないけど!)
バービーよりも強いフェミニズムと反家父長制メッセージの映画だった。
セットももちろんだけど衣装が可愛くて可愛くてそれも最高だった。
我々は“もの”ではないと宣言する艶笑スチームパンク
女性の主体性の獲得と、それを阻む家父長制社会を描き、我々は“もの”ではないと宣言する艶笑スチームパンク。
マッドサイエンティストに自分の赤ん坊の脳を移植され、無理やり生まれ変わらされた主人公。彼女が主体的に性に目覚め、知識を得て、生活をたて、世界を改善しようとする過程を通じて、女性を都合の良い“もの”として扱う家父長制社会の搾取構造があぶり出される。
主人公の主体確立の過程で、一度は戯画的なものとして笑われ退けられた“有害な男らしさ”が、「現実はそうじゃねんだよ」とばかりに、暴力を伴って再度立ち現れてくる展開には戦慄を覚えた。
主人公の成長に合わせた歩き方の演出や、色彩設計も見事。
あえてローファイにすることで作り物感や表現主義感を増した美術も印象的だった。
2024年ベストムービー!⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️✨✨
観る側の「性や差別に対する寛容さ」が問われている…そんなテーマの作品でした。
…なんて難しいことは考えなくとも、煌びやかな映像体験ができること必至の作品です!
超オススメ!笑
*今度は大きな劇場でもう1回観てみたいな…。
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