哀れなるものたちのレビュー・感想・評価
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自分の感性を試してみたい方にお勧めの映画です♪
最近の米アカデミー賞受賞作品には少し疑問を抱いていたところ、アカデミー賞11部門ノミネートとの本作品。正直鑑賞を迷いましたが、結果からいえば観ておいてとてもよかったと思います。鑑賞後の後味的には第94回日本アカデミー賞作品賞など受賞の「ドライブ・マイ・カー」を観た後に似ています。「やられたー」とか「そうきたかー」といった類の言葉で正しいのかは分りませんが、とにかく鑑賞前と鑑賞後ではあきらかに違う自分になる、心の奥底にズドンとした衝撃を持ち帰ることになる作品。とはいえR18+で性描写やグロテスクな描写も多々あり、誰にでも刺さる映画とは言い難い内容ではあります。
【本作品をおススメしたい方は以下の人】
・アカデミー賞ノミネート(受賞)作品は欠かさず見ている映画好きなあなた
・何かしらの束縛から自由になりたいと日々感じているあなた
・もしかして自分こそが「哀れなるものたち」ではないかしら?なんて一瞬でも思ったことがある、感受性豊かなあなた
モノクロになったり、カラーになったり、空想の世界になったり豊かな映像美と、巧みな不協和音で観るものの感情を揺さぶる音響、主演エマ・ストーンの体当たり演技など、とにかく見どころは満載です。
週末レイトショーで
一人静かに、
じっくり、
どっぷり
鑑賞するのが
おススメです♪
「動き」で描かれる主人公の成長
アニメーション的な視点でこの映画を観たくなる。ヨルゴス・ランティモス監督の作品はいつもそういう感じを抱くのだけど、今作は特にそう。エマ・ストーン演じる主人公の「動き」にやっぱり注目して見た。彼女は胎児の脳を成人女性の身体に移植したため、スムーズに歩いたりできないでいる。身体と脳の働きのバランスが悪いためだろう。この「動き」が、成長するにつれてどんどん洗練されていく。本を読み、様々な人々と触れ合うことで脳が身体の成長に追いつくと、彼女の動きはスムーズになっていくわけだが、その運動の違いによって主人公の成長度合いを描き分けるという点、運動の描写をことさらに重視するその姿勢にアニメーション的な感覚を感じる。
人工的かつ幻想的な舞台設定もアニメーションとの親和性は高いだろうが、人物の「動き」をいかに組み立てるかに注目している点がことさらに面白い。
物語も、自分の身体は誰のものか、身体のコントロール権をめぐる物語とフェミニズムを結び付けた話とも言える。身体の自己決定はフェミニズムの重要なテーマであり、それを描くには「運動」による描き分けは有効だということだろう。
原作小説とヨルゴス・ランティモス的幻想風味の親和性に驚喜
ギリシャ出身のヨルゴス・ランティモス監督が自ら脚本も書いた「ロブスター」と「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」では、リアリスティックなドラマが進行しているかのように見せつつ、神話のようにファンタジックな設定や現象が強烈な味付けとして加わってくるような、ある種の中毒性さえ感じられる独特の作風が“お気に入り”だった。続く「女王陛下のお気に入り」は英国人女性デボラ・デイビスによる初脚本の時代劇がベースになったため幻想風味はなかったものの、この最新作はスコットランド人作家アラスター・グレイの小説の映画化でありながら、ランティモス監督らしい幻想が復活しているのが嬉しい驚きだ。
大勢が指摘するように、顔につぎはぎの傷を持つ天才外科医ゴッドウィンと、脳移植され電気ショックで新たな生命を与えられるベラは、2人ワンセットで「フランケンシュタイン」を思わせる。その作者メアリー・シェリーの伝記映画「メアリーの総て」で描かれていたように、19世紀初頭は女性が小説を発表するのに苦労したことを考えあわせるなら、人造人間キャラが男性から女性に置き換えられた点は、見下され抑圧されてきた女性の復権と解放という歴史的推移にも沿うと感じられる。
それにしても、知能が乳児から賢人へと急速に発達するベラを熱演したエマ・ストーンのインパクトが圧巻だ。ベラの精神的成長と反比例するようにマーク・ラファロ演じる遊び人の弁護士がだんだん情けなくなっていく感じも実にいい。
The Weirdest Film on Sex, Love, and Gender
Poor Things is the gothic sex oddysey of Bella, a reanimated body created by a Promethean morgue doctor. The film is a scattershot homage to Burton, Von Trier, Fincher, and Kubrick. Lanthimos himself may be top auteur status. It takes some patience but the film's dark, hideous world reveals to be tongue-in-cheek charm you will want to stay. The weirdest major production since Clockwork Orange.
なかなか興味深い内容。
中身が幼い時は色もなくモノクロで外の世界は奇妙に映るが成長と共に現実に近づいていき汚い所も見て大人になると言う映像の表現が良かった。
ゴッドのシャボン玉はよくわからないが主人公が幼い時に見ていたゲップの表現だったのだろうか?
将軍あんなんになっちゃったけど逆に山羊が本人なの?
もっとドンドンぶち破れぇ~
恋人がいなければ強制的な手術で動物に変えられるという奇妙な近未来を描いた『ロブスター』(2015)、不気味な少年から子殺しを命じられる恐ろしい『聖なる鹿殺し』(2018)で「これは一体何のお話なんだ?」と混乱させられつつも訳の分からぬ魅力に惹きつけられ、ヨルゴス・ランティモスは一気に注目監督になりました。その才能をハリウッドが見逃す筈はなく、恐らくそれまでの何倍もの予算をぶち込んだ豪華絢爛たる『女王陛下のお気に入り』(2019)ではアカデミー賞の多部門でノミネートされるまでになりました。ただ個人的な好みとしては、『女王陛下~』は、「訳分からない成分が足りない」のが不満でした。もっと迷宮に導いてよぉ~。ところが今回は、「豪華絢爛たる訳の分からなさ全開」でヨルゴス節が帰って来ました。待ってましたぁ~!
成人の体に胎児の頭脳を移植された女性が無垢な好奇心のままに世界を旅する物語で、謂わば現代のフランケンシュタインです。もう、オープニング映像から魅力的で、一気にゴシック・ワールドに引き込まれます。モノクロ映像もカラー映像も暴力的とすら思えるほどの美しさです。低い位置からフィッシュアイ・レンズでの移動撮影という僕の大好物の映像も今回はてんこ盛り。そんな世界で、エマ・ストーンが制限なしの弾けっぷりです。スッポンポンだろうとあからさまな性描写だろうとお構いなしに突っ走るのです。スクリーン前の我々を一体どこへ連れて行こうというのだろうとワクワクします。
ただ、常識に縛られぬ彼女の行動には伝統的な女性性の打破というテーマもあるのでしょうが、そういう観点で見ると舞台がパリに移ってからの展開にはちょっと小さくまとめてしまったのではと残念な思いも。もっと外に向かってドンドンぶち破って欲しかったです。
原作の最後の数十ページをどう表現するか興味があったが、その部分が全...
原作の最後の数十ページをどう表現するか興味があったが、その部分が全く無かったので個人的には残念。種明かし的な、ドンデン返し、やっぱそうだよね的な部分と思っていたので、作品としては全く違う物に感じざるをえない。エマ・ストーンは好きな女優だし、映像的にも世界観はすごく良かっただけに。
人間とは…
生まれ、性に抗わず、社会を知り自分を知る生き物なんだな…と思いました。
主人公の行動が奇行かと問われると、これはわからないなと考えさせられました。
生まれて、性に興味を持つ。もちろん理性という面が欠けていたとは思うが徐々にそれも身についてくる。理性は性をコントロールするようになるのがもしれない。
原作は読んでないけれど、教育者として興味深い話ではありました。
ですが、再鑑はなさそうです。
頭脳は子供、身体はオトナ
エログロ満載の成長記&サイダーハウスルール的原点回帰なお話。
頭脳は子供、身体はオトナな主人公は、性の快楽に目覚め、男に搾取されながら世界を放浪する。
やがて、知の吸収と自立に目覚め、
劇的な成長を遂げる主人公に、
周囲の支配的な男たちは絶望する。
ファムファタールではなく
母親の体に胎児の脳を移植するということで、身体と精神のギャップが主題になる話かと思ったが、そうではなく未成熟の脳が成熟した体でどのように成長するかの物語。
言葉を覚え始めた主人公は冒険や快楽を求めて行動を開始する。この点は確かに子供ならそうだろうなと思えます。そのうち思想や倫理に目覚め始める主人公。しかし性についてはあくまで女性の自由を強く訴える行動を一貫して示す。それによって破滅する男も描かれるわけですが、ファムファタールという男の視点での物語ではなく、終始強い信念を持った女が描かれていると思います。
それはともかく、描かれる町やファッションの美しさはなかなかと思わさせられます。
哀れなるものたちとは?
哲学的な内容ではあるけれど
物語として普通に面白い
もっと洒落臭い作品かと思ってたよ
上手く言えないけど多様性って
こういう事だと思うんだよ
所でタイトルの哀れなるものたち
って誰を差してるんだろうか?
私的には哀れだと思えたヤツは1人しか思い浮かばない
哀しき世界
まず、自殺した女性のお腹の中にいた子の脳を
自殺した女性に移植して物語が始まると言うありそうで
なさそうな設定に、おっ!と思いました。
その手術を行うゴッドのビジュアルも素晴らしかった。監督ティムバートンだっけ?と思う世界観で
ワクワクしました。
マッドサイエンティストかと思ってたゴッドは
とても父性に溢れてて、
ベラの奇想天外な冒険モノかと思ったら、
ファンタジーな世界で現実の社会の問題を見せたり、
女性が独り立ちして生きる難しさをベラの冒険で見せる
手腕は素晴らしかった。
ところどころ倫理と道徳を超えちゃってて、
笑っていいのか分からないところもありましたが
見応えありました。
ゾンビランドのエマストーンがこんなに素晴らしい女優さんになられるとは思いもしなかったけど、
エマストーンだから出来た魅力的なベラだと思いました。
売春婦になる理由として、
20分で事がすんで残りの時間で世界を知ると言う
発想は、目からウロコと言うか、
スゴくカッコよかったです。
面白い!!
前提として
・3回目(1回目は映画館)。
・ヨルゴス・ランティモス監督の他作品は未視聴。
・原作は未読。
面白い!!
ベラという女性の半生を、圧倒的な成長速度で描いている。半生となると回想とか時系列が飛んだりするものだが、ベラという特殊な存在のおかげで2時間の感覚で納めている。共感と感心を抱かせながら、すばらしい演技力で進んでいくので、空想上の人物・物語とは思えない。
ベラみたいな女性、めっちゃいいよね。ダンカンとの考え方の違いとか結構好き。自由の捉え方とか、恋人とかセフレで終わる男女の関係性とか妙にリアル。
ハリー&マーサと会話しているときの楽しそうな表情とか、マックス&ゴッドとの家族てきな落ち着いた雰囲気とか……ベラという存在を応援したくなる。
世界観は奇天烈、奇妙、だけどどこか美しい。そして時に残酷な一面を見せる。"現実"という概念を具現化したような空間。
音楽も不思議。曲というよりもBGMだろうか。クラシックの一面も感じる。奇妙で奇天烈、だけど温かい。
この作品だからこそ、合う世界観および美術と、音楽。かなり吟味しかつ大胆に創ってある。これだけも一見の価値がある。
曖昧と言えば曖昧だが、そのおかげでベラたち人間の言動が際立って見える。
映像がモノクロとカラーで変化するのも好き。ベラの心情や知識の増加によって広がる世界を、カラーで描いているようにも見える。劇的な感情の変化ともとれる。
後半でゴッドの家が「こんな色していたのか!」と分かるのも楽しい。赤子は生まれた後に色覚が発達していく、と聞いたことがあるがその暗喩もあるのだろう。
セリフはちょこちょこ名言じみたものが出てくるので、会話シーンも楽しい。人生の捉え方とか男女や社会の見方とか、なにかしら変化を与えてくれそう。
知的好奇心も刺激してくれる。
作品のテーマ的な部分として、女性と男性の人間性を描いているように感じた。
ベラを通して赤子・少女・青年・成人の女性像を、マーサで老齢となった女性を、スワイニーで別の道筋を通った老齢女性を。
逆に、ゴッドで父性、ダンカンで性への渇望と支配欲、マックスで誠実さ、ハリーで少年のような幼さ、アルフィー将軍で暴力性、というように複数の男性で一つの男性を描いていいるように感じた。
ベラはもちろんだけど、ゴッドとマックス、ハリーが推し。クリストファー・アボットさんのヤギには笑った。再現度が高すぎる。というか全体的にキャストの面々が演技力高すぎる。
欠点を上げるとすれば、結婚式のあとの展開で少しダレるぐらいだろうか……でもあれは必要なダレ方だと思う。終わり方も良い。
R-18なのはセックスシーンとか性的な描写がモロに出てくるからだけれど、それだけでこの映画を敬遠するのは勿体ない。非常に面白くて考えさせられる。
高校生でも観てほしい。
人間として生きてく上で、少しだけ心を強く聡くしてくれる。そんな作品。
現代版フランケンシュタイン
成人の身体に胎児の脳。
フランケンシュタインの現代版といった趣の話。
テリーギリアムのような魚眼でベラバクスター(エマストーン)の成長をつづっていく序盤、ベラが夢中になるのは、最初は食べ物、つぎは(身体は大人なので)性欲。
身体は大人だけど頭は新生児という描写と、屋敷内を闊歩するキメラ生物。前半は絵として映画的ではあるけれどそれがどうしたというような話だった。
しかしダンカン(ラファロ)と享楽的な旅行に行き、放蕩しながらも社会構造や人間関係を知り、アイデンティティに目覚めていくと、じょじょに歪んだ世界が見えてきて、言ってみればギレルモデルトロからランティモスへ変わっていく感じがあった。
とりわけアレクサンドリアの城塞の高みから地上の賤民を見下ろした時から映画の様相が変わる。それはベラが世界の不平等に憐憫を感じて社会主義的な思想へ傾向した瞬間でもある。
子供の頃「社会主義とか共産主義とはどんな思想なの?」という質問を親にしなかっただろうか。親は「それはみんな平等にするという思想だよ」と答えるので、(子供の)わたしは「それなら社会主義や共産主義のほうがいい思想なんだね」と言う。この会話は子供時代の定番で、そこまでがセットになっている。
実際の社会はそう単純なことではなく富国や自由には資本主義のほうが適しており、そもそもベラが美食と情交三昧の冒険ができたのはダンカンが裕福であったからであり、不平等に突発的な憐憫を感じたのは彼女が世間知らずだったからである。
だが文無しになって娼婦に落ちてもベラの好奇心と生命力は衰えない。ベラの無知はしたたかさであり、生まれたばかりの脳と成人の肉体がもたらす吸収力の速さによってベラはいちじるしい成長をとげる。結果ベラは次第に周りの人間たちを凌駕していく。
映画哀れなるものたちを見ながら考えるのは誰のことを、あるいはどっちのサイドを哀れなるものたちと称しているのか──ということだが、当初は人体実験で生まれたベラが哀れで、つぎに寝取られた婚約者マックスが哀れになり、つぎにベラのデタラメぶりに嫌気がさしたダンカンが哀れになり、やがて死にゆく創造主ゴドウィンが哀れになり、結局映画は出てくる全員が哀れになって「たち」がついている理由を知るのだが、ベラはたくましさを身につけ、やがてじぶんが乗り回している女の肉体の記憶に決着をつける。
というのもベラバクスターに生まれ変わる前のヴィクトリアブレシントンは虐待と恐怖で女を支配するDV夫アルフィーから解放されるために自殺を選んだ──わけである。
川に身投げしたヴィクトリアの溺死体を拾ったのが外科医ゴドウィン(デフォー)。妊娠していた彼女の胎児の脳を移植してベラバクスターを創り上げた。
ベラは世界を回って知識や知恵をつけ、娼館で渡世術とタフさを身につけ、山羊の脳をDV夫のアルフィーに移植して、哀れなヴィクトリアのかたきを討つという輪廻転生、因果応報の復讐劇でもあった。
ただし映画は風刺でもありコミカルでもあり、リアリズムもファンタジーもあるが、ひとつの明らかな主張/命題というよりはそれぞれの見え方に委ねるという話だったと思う。
個人的には回帰を感じた。ランティモスの原点は籠の中の乙女(2009)(Dogtooth、Kynodontas)だと思うのだが、それへ回帰するのを感じた。なんとなく。
籠の中の乙女はArturo Ripstein監督のメキシコ映画El castillo de la pureza(純潔の城、1972)という映画から着想したそうだ。
1972年の映画のプロットはとある夫が外界が家族に害を及ぼすと確信し、妻と3人の子供たちを「純粋さ」を保つために18年間家に閉じ込めている。──という実際にあった事件からつくった映画で、その脆い状況が、子供たちが思春期を迎えていることに気づくと更にグロテスクに歪んでいく・・・。籠の中の乙女もまさにそういう映画だった。
意図的に世界から遮断されて生きているきょうだいが出てくる。その者らは人間社会を知らないのでめちゃめちゃな規範で生きている。そういうプロットや着想が哀れなるものに重なるところがあったのでランティモスが原点回帰した──と思った次第。
imdb7.9、RottenTomatoes92%と79%
映画はヴェネチアで金獅子賞をとりアカデミー賞ではエマストーンの主演女優賞を含む4部門をとったほか多数のアワードや協会で賞をとった。
ストーンは巧いし、眦(まなじり)だけでいろいろ語ってしまうし、だんだん賢くなっていく感じがよく出ているが作品自体が女優賞を獲れるタイプの作品であり役であったとも思う。
つまり俳優というものはみんな巧いわけだから(巧くないなら俳優やっていないわけだから)ストーンがとくべつに巧いというよりは、獲れる作品に出ることや、獲れる作品をつくるランティモスのような才人に好かれることが重要だと思った──のだった。
言いたいのは、本作のストーンは素っ裸になってとんでもない熱演をするが、とんでもない熱演をどうでもいい映画でやってはいけないという話である。
例によって全く無関係のものを引き合いにするがたとえばStrangeCircus奇妙なサーカスでスパゲッティをわしづかみで食べた女優はその熱演が報われただろうか──という話である。日本のうんこみたいな映画で素っ裸の熱演が報われた人がいましたか──という話である。たとえばヘルタースケルターの主演女優にも言えるし日本映画全体に言えることだがクオリティの低い作品で脱いではいけない──と言いたいのと、日本映画での熱演はことごとく徒労に帰するわけだから、俳優に罪はないにしてもかれらを哀れなるものたちと言うことはできるような気がしたという話。
共感しづらく、いまいち響かず
展開としては嫌いではないが…、ベラがいくら脳味噌子供でもここまでモンスター級の破壊行動や破廉恥な行動をするか?とちょっとどん引き。
オーガズムに溺れる描写がやたら長かったのに、貧富の格差に触れたとたん覚醒するのが急すぎて唖然。直前までレストランでうるさい子供を殴って黙らせるとか言っていた割に…。そう、ベラの心情を追体験できないから、共感しづらいのですよね。
父親の実験台になっていた過去を持ちながらも、父親を非難せず愛に飢えた外科医を演じる、ウィレム・デフォーの姿は哀愁を誘う。
ステレオタイプな女性への偏見、男性優位社会への批判、女性の職業の選択肢の少なさ、抑圧、独り善がりな愛を追い求める人間の悲しさ、色々と内包してるけれども、どこか型通りでいまいち響かず。最後のDV男への逆襲はすかっとしました。
面白さより不気味さが勝ってしまった
胎児の脳を移植された母親が冒険に出る話。
過去か未来かよく分からない世界観で
お洒落な衣装をまとったエマストーンの
抜群の演技力を見るだけで価値のある作品です。
劇中に出てくる男たちの哀れな姿や落ちぶれようが
面白いのですが、個人的には面白さより
作品全体がもたらす不気味さが勝ちました。
決して悪い意味ではないのですが、
面白かった!という人たちとは感じ方が違うかも。
音楽、カメラワークも世界観にマッチしていて
芸術作品としても素敵な作品でした。
にしても裸多かったなあ、、、
全491件中、1~20件目を表示