哀れなるものたちのレビュー・感想・評価
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人と見るのはオススメできないけど
人と連れ立って見に行くのはオススメ出来ないけれど過去作見た後だとダントツで間口が広いし分かりやすくて見やすくなってる気がする。誰が見たってR-18のエロありグロありなのに!笑(麻痺してるだけかも)
テーマへの切り込みの潔さとか、あまりにストレートな言葉で人の情を切ってくるのに全体にカラッとしていて湿度低いのにじっとりしたもの投げつけてきて、なんだか金カムを読んでる時の爽快感に通じるものちょっと感じました。これがギリシャよろしくの監督の哲学なら思考を選分け方が解剖学の様に思えてきて解剖シーン多いの何か納得しちゃったり。
世間様が信奉してる様式化した価値観を挟まなけれりゃこんなに自由に生きれるのによー!っと言わんばかりの恋愛論家庭論マウントへのうっせぇわが聞こえだしてくるし。愛情を欲求として捉えていて信じていない様に見えるのに、根底に人への愛しさを感じるのは人を哀れだと思うからなのか。みっともない所がない人なんて愛せないもんなぁと勝手に共感。
衣装や世界観も近代感は排除して未来と過去のごった煮で見ていて目が楽しく満足。極力生々しさを削って関係性の意味に目を向けさせる作りに感じたけど、少し和らげないとエグすぎて笑えないのもあるかも。
エマのベッドシーンは成長や関係性で色合いがどんどん変わるのでベッドシーンの演技ってこんなに心境の変化を見せたり物語を進める力があるんだと驚きました。
でも監督の過去作見ないでいきなりぶち当たったらポカーンとなりそうなんで予備知識入れといて良かった。
ひたすら合わなかった
試みとしては分からなくもない、言いたいこと、考えさせたいことも分からなくもない。ただ私はこれを傑作や名作とは呼びたくない。確かに彼女の中に成長はあったが、人の尊厳を考える上で最後の行動は自分勝手そのもので、あれを痛快なものとして描いている作品に疑問を抱いた。
エマ・ストーンの一人勝ち
面白いのは間違いない
ある意味、Bildungsroman
それとも幻想的「女性解放」映画というべきか。「好きなように生きさせてよ」というベラの主張は至極真っ当で、そんな女性には自分を拘束する社会道徳も男も不要である。実際のところ男の観点から言っても、船にベラを閉じ込めようとする弁護士ダンカンも、家にベラを閉じ込めようとする将軍アルフィーも、同情にまったく値しない。洋の東西を問わず、女性を囲う「昭和のおっさん」には、ラストがヤギ男のこの映画がホラー映画であることは否定しない。他方で、草食男子と肉食系女子が増えている21世紀の現代においてこのテーマが時宜に適うかと言われれば、そうでもない。
テーマが今更ながらの「ウーマン・リブ」ではあるが、観客を飽きさせないのは監督のランティモスの悪趣味のせいであろう。『女王陛下のお気に入り』はドン引きするほどの精神的悪趣味が満載だったが、『哀れなるものたち』では露骨なまでの映像的悪趣味が満載である。もちろんエマ・ストーンの体を張った演技が悪趣味という訳ではない(本作は間違いなく彼女の代表作となる)。豚鶏だの鶏犬だのゴッドの創造物は映像的にじわじわ来る。
アカデミーの結果に関係なく、よくも悪くも本作は「怪作」である。一方で、評論家の評価が高いのはよく分かる。他方で、人に勧めることができるかと聞かれると、だいぶ考える。妻には「すごいものを見せられた」と言っておいた。多分、これがこの作品の本質である。
毒親育ちの人は見てみたらいい
哀れな自分との共存
色鮮やかな世界観と衣装に釘付け!
映画館でだいぶ前にポスターを見てから
エマ•ストーンが出演するのねと
気になっていた作品。
グロが苦手な私…
時折グロい手術シーンに目を押さえながらも
ベラが好奇心で色々な事を経験し、
賢くなっていく様は小気味良かった。
ベラの見る世界は初めは白黒だったが
旅をする事で色鮮やかに…
特に最初の旅先のリスボンの
淡い空の色と賑やかな街の
どこか近未来的な光景が印象的だった。
そしてベラの衣装がとても可愛い!
パフスリーブ!
鑑賞後はなぜか
『君たちはどう生きるか』を観終わった後に
感じた爽快感と同じものを味わった。
わからないけど
大傑作との評判にイメージしていた内容と全く違う、観たこともないぶっ飛んだ映画でした。
SFコメディに分類されていますがSFでもコメディでもないですね。
カテゴリーと無縁、前代未聞の圧倒的なオリジナリティと驚きに満ちた映画、、観ている間中ずっとジェットコースターに乗って落ちないようにしがみついているような?!
まだよくわかっていないし誰にも共感できなかったのにジワジワ心にくいこんできて、、誰かに話したくなるけど人に薦めるのも難しい。
初めての感覚です。
今は共感できることが正義のように思われているけど、全く未知の新しい世界観や全く違う生き方に共感できなくてあたりまえ。
日々、共感の檻にとらわれている脳天を一撃されて、パッと世界が開けたようなすがすがしさ、カタルシスがありました。
自分の運命を引き受け、自分の生き方や幸せは自分でさがす。
誰かを基準にしたり誰かをうらやんだり誰かのせいにするんじゃない。
自分の人生を自分で生きる圧倒的な強さ、潔さと異文化の世界観を見せつけられるものすごいトリップ感。
映画でしかなしえない表現の可能性を最大限に実現した作品に拍手!!
ただ幸せや悦びがあまりにあちら方面に偏っているところは違和感がぬぐえず、、
(他の幸せや悦びもあるよなぁと)
個人的にマイナス1。
映像、俳優陣、不可思議な音楽は最高に素晴らしかったです!!
地獄の社会科見学
なんで観に行った…?
考えてみると、私の興味を引かれない要素ばかり。
ゴシック、露悪的なエロ、「赤ちゃんの無垢」が価値を相対化する…ランティモスの監督作じゃなかったら選ばない要素のてんこ盛り。
でも、観てよかったとは思った。
フェミニズム的な切り口としてはそこまでエッジが効いてるわけではなかったけど、巷では謎のヒットを記録してるという。
振り返ってみて、まず脚本がすごいスムーズだったなあと思う。
この手のコスプレものにありがちな退屈な間がなくて、ポンポンとテンポ良く場面が展開する。
YouTubeでダンスシーンの動画を見返したけど、ダンスが終わるや否や、次の乱闘パートのきっかけが発生してる。たぶん終始こんな調子だったから、全体的にスピード感があったんだと思う。
ダンスシーンでいえば、あれは2人の関係性をまんま集約した場面だと思うので、見事な場面ではあるけど、同じことを二重に語ってるなとも思う。
しかしソシアルダンスって洗練されたセックスのメタファーに見えるので、原始的な衝動に従ってマナーもへったくれもないエマ・ストーンが圧倒するってのはあり得ない気もするけど。
男がリードして女を踊らせるのが本来のマナーで、その力関係が逆転するって意味で作品の流れには矛盾しないんだけど。
原始的なパワーが硬直化したシステムにカウンターを食らわせる、って大抵は退屈になりがちなネタだと思うんだけど、なんだかんだ最後まで楽しめてしまったので、そこは謎の手腕と言わざるを得ない。
ウィレム・デフォーの役がおいしい。特殊メイクが似合いすぎ。
本来ならとても悲惨なことばかりなのに、どうにもその感じがないっていうクールさ。
基本は地獄めぐりのように、外の世界を物見遊山してるだけだからかも。
一方でベラが直視する「現実の実相」も、あくまで安全な場所から覗き見ただけで、実際に巻き込まれて身動きできなくなるわけじゃない。
その後、所属する西洋社会の最底辺に落ちたかに見えても、持ち前の美貌と知性で軽く乗り切ってしまう。
自分は実験体と言い切って我が身を嘆いたり憐れんだりすることがないから、こんなにカラッととしているんだろうな。これは男のためのミサンドリー映画であって、ベラはそれを成立させるためだけのスーパーヒロイン。
人造人間だから、原罪である恥の概念もないっていうね。でもそれ「哀れなるもの」じゃなくない?
そういう意味で前作「女王陛下」で汗をかきまくった人間味あふれる女たちの方がまだ応援したくなったのは当然かも知れない。
豪華な動く絵本のようなビジュアルや、絶妙に耳障りな音楽など、劇場で観てよかったなとは思う。
ただ、知らずに予告を見た知人は「知的障害の人かと思った」と。確かに前情報なしでベラを見たらそう思ってしまうのもわかる。
精神の発達が肉体より著しく遅れてる、ってつまりベラの状況そのもの。
だとしたら、こんなに無責任に楽しんでていいんだろうか?製作陣はそこまで織り込み済みかも知れないが、観客の側はそうでもないんでは。
これでよかった、、気がする、、
友達に勧められて観ました。最初は共感できる部分が全くなかったけど、物語が進んでいくにつれ、SFだけどリアリティーっぽさもあり、人間味もありで共感できるところはいくつかありました。
ただ性的な表現が多いため1人で観に行くのおすすめします。
賛否両論ありそうな映画でしたが、私は観てよかったと思います。
衝撃が…
その終わり方でいいの?
最後どうやって終わるのかなーと思ったら、自分の人生を阻害する男は全員排除して幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし!みたいになってて、やだなーと思った。
旅の最初の頃に、泣く赤ちゃんがうるさいから殴る!みたいなくだりがあるけど、彼女の考え方はその頃と大差ないのでは?
確かにダンカンも元夫もクソ男だけど、元夫はクソどころじゃないけど、ひどい男は人格破壊されてもしょうがないよねーあーすっきり😊みたいな結論じゃ、実際の世界では何も解決しないと思うけどなぁ。
映画全体としては面白かったし観てよかった。
この映画に出会えて嬉チーズ
天才外科医のゴッドによって蘇ったベラは、体は大人だが知能は幼児レベルという女性。
ゴッドの屋敷で大切にされてきたが、人と関わり知識を増やしていく中で外の世界を見てみたいと思うようになる。
ゴッドの助手のマックスと婚約することになるベラだったが、婚姻届の作成のためにやってきたダンカンという弁護士と急遽駆け落ちしてしまう。
リスボン、アレクサンドリア、パリと世界各地を転々とする中で、彼女は着実に1人の女性として成長していき……
やっと観れた。
大好きなヨルゴス・ランティモス監督の楽しみにしていた最新作。
今作もただの女性の成長物語では終わらないトガった作品ではあるが、今までの作品とも明らかに違う雰囲気。
ここまで解放へと向かうハッピーエンドは初めて。
独特の世界観であったり、性に奔放なベラの人間性だったり、勿論異色さも十分感じるのだが少々毒が足りないようにも。
これはこれで良いが、今までのヨルゴス・ランティモスを期待して行った身としては少し複雑な部分があった。
とはいえ、相変わらずセンスの光りまくる映像には驚嘆させられたし、ストーリーもかなり面白く、好きだと大きな声で言いたくなるような映画だ。
手術を受け、全く新たな人間として生まれ変わったベラ。
世の中を学び、性に目覚め、世界に出て、色を見る。
そして永き旅を経た彼女は、人を知って、自分を知る。まだまだ彼女の旅はこれからも続いていくだろう。
人間は哀れな生き物だ。
欲のままに行動して失敗し、それを繰り返す。
だがそれは同時に、探求し続けることのできる生き物だということ。
知的好奇心の塊である我々は確かに“哀れなるものたち”なのかもしれないが、全く新たな世界へ踏み出せる力を持っている。そうやって人類は今日まで繁栄してきたのである。
今作はそんな監督なりの人生讃歌、人間讃歌のようにも感じられた。
新感覚のフェミニズム映画とも言えるだろう。
男を下劣な存在とただ貶すのではなく、男女の性を分けて描きつつも性別に縛られずに女性が勝利を掴み取る物語として描き切っているのがとても好感。
過激なシーンも難なくこなしたエマ・ストーンがプロデューサーとして作品に大きく関わっているのもまさに象徴的だ。
前作でヌードを自ら提案したエピソードも好きだが、今回もより攻めの姿勢が伝わり、女性としての芯の強さを感じてかなり好きになってしまった。
人体改造という倫理的に難しいテーマでありながら、珍しくかなりソフトに仕上げてある。
ゴッドの一連の行動は正しかったか?という点は一概には言えないが、否定したくないどころかそこに愛を感じられた。
前夫のアルフィー以外、みんな人間味に溢れていてなんだかんだ愛すべきキャラクターたちなのだ。
笑えるシーンが多かったのも印象的。
特に「3つのことだけ言うんだ」のシーン、恒例のヘンテコダンスのシーン、娼館でのおかしな客たちとのやり取りは声出して笑ってしまった。
ラストシーンのカタルシスも最高だった。
今年のアカデミー賞では11部門にノミネート!
頼むから何かしら獲ってくれ。
今年のオスカーイチオシです。
ヨルゴス・ランティモス監督作暫定ランキング
1.籠の中の乙女
2.聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア
3.ロブスター
4.哀れなるものたち
5.女王陛下のお気に入り
ヨルゴス監督の計算された奇妙な物語とエマ・ストーンの怪演
好みが分かれる作品だと思いますが私はジャストミートでした。 Emm...
好みが分かれる作品だと思いますが私はジャストミートでした。
Emma Stone をはじめ、出演者の素晴らしい演技、美しい映像、衣装、個性的で耳に残る音楽 etc. R18指定ですが嫌らしさを感じません。ラスト以降の Bella の成長が気になるところです。
ウィレムでフォー!
ランティモス監督の前作、女王陛下のお気に入り同様、ゴージャス感のある画面作りがみごと。女性の解放や自立をテーマに描く展開に難解さはなく、なんの制約なしにゼロから世界を捉えていくベラの姿が見どころなのだが、売春においてさえ自由奔放にふるまうに至っては、さんざ熱烈ジャンプしてきた彼女を自らの所有物としておきたいダンカンの気持ちもわかってしまって、オレも結局、哀れなるものかと思ったりした。
マッパまで披露するエマ・ストーンの女優魂を感じたけど、序盤、蘇生して未熟な状態のベラが、個人的にはちょっと市川実日子に見えなくもなく…。一方、ゴッドウィンのつぎはぎ顔はウィレム・デフォーの元顔か?と思えるほどマッチしていたが、口から吐き出すシャボン玉が破裂するとめっちゃにおいそうな気がする。
やっぱり…
結構期待してはいたのだけれど、案の定寝た。
しかも前半ガッツリ…。
だから、この作品の真価がわかってはいない。
ただ…そんな感じでありながらも、ああなるほどと思うとこはある。
主人公は赤ん坊のようで、この世界に好奇心と疑問が尽きない。そんな事から、この世の不条理や定義に向き合っていくのだと思われる。
その過程で、気付き、傷つき、成長し、諦め、折り合いをつけていくのであろう。
とても有意義な作品なわけだ。
でも、寝た。
色使いが印象的だった。
空の色も。
たぶん、しっかり見れたら色々と書きたい事もありそうな予感…またの機会が訪れる事を待とう。
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