哀れなるものたちのレビュー・感想・評価
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「欲に負けない」
主演女優賞確実と思った
映画的な芸術点高し
独特の世界感がとても美しい映像で描かれていた。フランケンシュタイン的お話、予告やポスターのエマ・ストーンも若干不気味という認識で、鑑賞を長らく躊躇っていたが、多くの映画賞を席巻しているならば、やはり見てみないと。そう、冒険は必要なのだ。
スクリーン全編に写し出される屋敷や、街の風景、ドレス、どれもオリジナリティ溢れるデザインが素晴らしい。最初モノクロからベラの思考的成長に合わせて見えている、描かれている風景も変わって行く感じ。
知識と共に精神が育ち、人間は豊かになって行くのだ。
哀れなるものは全てスクリーンに登場する生命達。命に限りはあるから、冒険と経験、向上していこう。最初の印象とは違い、意外にも前向きなテーマを感じ取った、風変わりな作品だった。
意義はわかるけれど幻滅もある
脳を入れ替えて蘇生手術をするなんて、フランケンシュタインの怪物のようであり、その原作者が当時不遇であったことを描いた作品があり、幼女を大人の男性が自分好みにしていくような『源氏物語』とも違い、ひっくるめて、女性が男性に「逆襲」していく物語であった。主演のエマ・ストーン氏の裸体と性交渉場面には、『ジョゼと虎と魚たち』の池脇千鶴氏と同じくらい幻滅した。
第3形態になった時のエマ・ストーンは本当に綺麗
エマ・ストーンの演技力と魅力が炸裂!
最初はモノクロから始まり一体どの時代なのか、よくわからないベラの衣装も奇抜で、前情報で胎児の脳を移植されたというのがわかってて見てたので、すんなり物語に入れたけど、コレなかったら、どうだったのかな?ちゃんとベラの奇妙な動きとかわかったのだろうか?でも中盤で明らかになる時にわかりたかった気持ちにもなりました。
娼婦の館で人と触れ合うたびにどんどん成長していくベラの変化は本当にすごかった!ただ本能のままに生きてたベラが女性として力強く生きていくのは見ていてとても気持ちが良かったです。
なので最後の展開!え?ウソ…となりながらもラストはスカッとして最高でした!もしかして博士の脳をあの元夫に入れるのかなー?とも思ったけど、あやつはヤギの脳で十分でしたねww
強い表現と露悪のバランス
父親、パパ、理解ある彼くんの間を行き来しながら、体当たりで成長していく一人の女性・ベラの物語。
ベラの成長は一個人としての心の成長と、女性が歴史の中で権利を獲得していく姿の両方を描いているのだろう。根っからの善人も根っからの悪人もいない、エゴが軋み合うことでバランスが保たれている世界が、シニカルかつ愛情たっぷりに描かれていた。
メッセージで言えば近年流行りの系譜ではあるが、ぶっ飛んだブレない自己とエゴのパワーとを堂々と押し出す切り口は、舞台設定も含め目を惹いた。
正直、過激な表現を用いることがメッセージに対して効果的かどうかは疑問が残るのだが、その過激な表現も、制作陣がこれまでのフィルモグラフィーの中で信頼関係を深めて来たからこそ実現できたものであるとは感じる。
単体の作品としてだけではなく、チームの一つの到達点としても華々しい作品であることは間違いない。
エンドロールで紹介される、背景美術や小道具に隠された小粋なネタを再度チェックしたいと思った。
配給はディズニー
配給はディズニーっていうのに、なんだこの映画は
確かに深いところでは夢や希望はあるかもしれないが、ポルノ映画
脳は幼児。性へ目覚め快楽を追求する。
快楽のために娼婦になる。
追求した後は、育ての親への情が湧いてくる
あー。そうか。ベラの心の成長の物語なんだ。
最高!
洒脱で不気味で深い。ランティモス節が炸裂した作品。
大人の女の身体を持って誕生したベラは、ジュディス・バトラーの表現を借りれば「ジェンダーと欲望を概念化している異性愛のマトリクス」に、そして支配と欲望を概念化している資本主義のマトリクスにも取り込まれず、それら幻想の世界を支配する主体である哀れなるものたちをぶち壊し、女・男の二元論とは異次元の成熟した人間として成長する。現実に絶望し、ベラに哲学なんか役に立たないと語るハリーに、あなたは壊れた少年、世界の痛みに耐えられなかったんだねと微笑み、自ら絶望の先の道を迷わず進むベラ。この世界の痛みに耐えられるか、その問いは私たちに向けられている。
胎児は女性だったのか?
退治を取り上げたところで女性と分かったんだろうけど、男性だったらストーリー成立しないし、最後の将軍のところも、女性が男性の上にくれば良いのか?という気もした。ジェンダーの問題は難しい。
説得力はないが
プリミティブな欲望が発露するため
観ているコチラは下品な行為に当惑顔するが
主人公はそれを劇的な成長の中で受け入れる
逆に周りはすでに取り込んだ社会的通念をもって
対すると悩み苦しむのか?
男たちが彼女に瞬時に惹きつけられる理由が
あまり納得できないが
純粋に愛のみをもって彼女を受け入れたものが幸せ?
に暮らすラスト
この手の作品は途中で睡魔に襲われることが多いが
今回は最後まで惹きつけられ鑑賞を終えるとが出来た。
主演女優の力量 だと思います。
かつての映画オタク少年でも...
こんな映画だったとは…
グロいです。エロいです。
グロくて、エロくて、エロくて…。すごいです。
先に見た「ボーはおそれている」も、さりげなく男性器が映っていたが、この映画はその何倍も映っていた。
ファックシーンも何度も出てきて、接合部そのものはないが、かなりの性描写である。
女性器が映ることはないけれど、ぼかしもかからず、ヘアも映る。
いつのまに、日本の映倫は性描写にここまで寛容になったのだろう?
もちろん、そのことは映画の本質と直接関係はないものの、ヒロインのエマ・ストーンが裸、ファックシーンを厭わずにやっていることが映画の迫力、重みにつながっている。
映画館で予告編を見ているときにはまったく想像もしなかった内容だった。
予告だけ見ると、中途半端なファンタジーのようで、どうして高い評価があるのか不思議だったが、オスカーの可能性がある、というので発表前に見ておきたい、と思って足を運んだのだ。
封切りから1カ月半たち、上映劇場、回数もかなり減っているはずだが、平日昼間というのに新宿ピカデリーにはそこそこ客が入っていて驚いた。
これまでも書いてきたが、僕は事前情報をほとんど入れずに映画を見るので、今回は想像もしなかったシーンが多かった。
作品の内容とは無関係に、そういう場面が「出し惜しみ」なく描かれているというのは、演じる側、作る側の根性も座っている、と感じたのだ。
趣里主演の「ほかげ」について、彼女がまったく裸を見せなかったことについて僕は批判的に書いた。彼女が裸にならなかったのは、はっきり言って女優根性がない、と断じたい。
今の時代にこういうと不適切なんだろうが、そう思う。この映画を見ると、なんと日本映画は演じるほうも、作るほうも、ぬるいことをやっているのか、と思う。
かつて、大島渚らが、日本の性表現の制限にあれだけ闘ったのに、今の映画人はどうなっているんだろうか?
未見の人は、早めに行っておいたほうがいいね。
映画「哀れなるものたち」が芸術的で最高すぎた件
とにかく素晴らしかった。
映画はここまで素晴らしくなれるのかとさえ思った。
芸術的であり写実的であり、なおかつドキドキさせてくれる映画だった。
# PG18
なぜこの年齢制限なのかと思ったが残酷な映画ではない。暴力表現がバンバン出てくるわけではない。
ただ手術のシーンがグロテスクなのと、あとは性的なシーンが山ほど出てくる。誰かと一緒に観るより1人の方が観やすい映画だと思う。
# モノクロ
誰もが最初は「フランケンシュタイン」とか「オペラ座の夜」を連想するのではないだろうか。
なにせ顔がズタズタに縫合された男が登場する。そして序盤はなんと、この時代に完全にモノクロの映画なのだ。
白黒時代の映画への多大なるリスペクトを感じた気がした。あの時代の映画のリブートなのだと思った。
# 醜い男と美女
先ほど述べた顔がツギハギだらけの老人と、そして少女のような成人女性のような美女が登場する。
きっとこの醜男に女は囚われているに違いない。誰もがそう思うだろうが真実は違う。
醜い男は父親みたいなもので、女はその子供みたいなものだ。食卓を囲み楽しそうに話すのだった。
だが女は子供のようにしか話せない。男は体に障害があり、女は脳に障害がある。
# 女の秘密
女にはとある秘密がある。最初はまるで1歳児のようなのだが、短い日数のうちに3歳児のようになり、それからもすごい速度で成長して行く。
各年代の役を完全に演じ切るヒロイン。怪演である。
醜い男の秘密最初は「モンスターも普通にいるような世界観なのだろうか」と思ったが違った、
男は子供の頃、科学の進歩のために外科医の父親に実験台にされ、体をズタズタにされたのだ。
# カラー
映画はもちろん白黒だけではなくカラーにもなる。
序盤の現在が白黒で、過去がカラー。そして時間が経つとまたカラー。
特に色の使い分けに意味はなくて、白黒映画時代へのリスペクトをどこかに表したかっただけなのかもしれない。
白黒の世界を抜けてカラーの世界に変わった瞬間はとても鮮烈だった。
# 男女の立場の逆転
女は悪い男に連れられて世界に旅に出る。数々の女を泣かせてきた系の悪い男に。
だがその旅の間にも女の知能は発達し続ける。最初は「俺に惚れるなよ」と言っていた男がだんだんと女に夢中になり立場は逆転する。
そして男の葛藤の中、男と女でのダンスシーンがあるのだが、タイタニックのパーティーのシーンみたいで良かった。
# 後半
全体が長いので後半は少し見疲れてきた。エンディングの後にエンディングがあるような構成なので、もう少し凝縮してくれたらとは思った。
どえらい映画を観てしまった…
それが見終わった後の第一印象。観る前は、まぁ「フランケンシュタイン」のヴァリエーションだなと思っていた。でも、それを乗り越えて想像もつかない展開になってゆき、圧倒された。この難しい役柄に真っ裸も厭わず、体当たりでぶつかったエマ・ストーンに拍手! 元ネタと徹底的に違うのは、醜くない。創造者に愛されている。名前もある。やっぱり、それってすごく重要なことなんだろうなと改めて思った。だから、その後の展開もまるっきり違ってくる。ベラの本能のままに行動する姿に唖然とする自分がいた。現実的には絶対無理そうなのに、軽々と進んでゆくベラにもう応援するしかできなかった。映画はどんな終幕を迎えるのか、想像しながら観ていたが、思いもよらない結末を迎えて、呆然とするしかなかった。ベラの肩を強調したドレスは何を意味していたのだろうか。私にはわからなかった。
キメラがいっぱい
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