哀れなるものたちのレビュー・感想・評価
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笑えない
シリアスなのかコミカルなのか、よくわからない。コメディ部門で賞もらっているようですが、コメディではないように思う。まあ、単なるコメディではないということかもしれない。
笑ってもらうつもりのような場面もあるのだが、笑える雰囲気ではない。テーマが脳の移植なので、グロテスクでもあるが、登場人物もストーリーも深刻なので、面白いとは思えない。かといって、人間の本質について、何か考えさせられるような雰囲気でもない。
映画の批評ではすごく評判が高かったので、人間の本質のようなものがあぶりだされる話なのかと期待した。映画でもそういうことを描こうとしているような雰囲気はあったが、皮相な描写にすぎなかった。豪華客船のデッキや19世紀の街並みや画像もありきたりで本物感も薄くて、安っぽい。見ていて、退屈だった。
最後の場面はどういうつもりかわからないが、面白くないし、カタルシスもない。観客のどういう反応を期待したのか、監督に聞いてみたい。
存外難しくなかった。ちょい怖SFヒューマンドラマだったに違いない。
予告の印象では、
前衛的
雰囲気映画
お洒落だけど意味不明
”なんとなく”スゴいのだけ分かる
なるほど分からん映画
だと思ってたのですが、全然そんなことなかった。
お洒落だし何か前衛的だけど分からないことない。
ベラのお守りに奮闘する男どもはコメディちっくで笑えるし、解剖実験で遊ばれた動物たちは見世物小屋に入るようなワクワクした恐怖があり、ベラちゃんの成長ぶりは見応えがある。
ベラちゃんを中心とした群像劇だったのだなあと思います。
深いテーマが込められてるとかそういうのは分からんですが、そういうの考えなくても普通に面白く鑑賞できると思います。
そして何か深いものを見出だしたい人も何か見つけられそうな難解さを潜めている感じもする。
幅広い層に開かれた高尚な映画って感じでした。
あえて言うなら人を誘ってみられる映画じゃねえやっていうのが…うん…難点ですよね…
あの、あと、アレクサンドリアは、あれ、何があったんですか?
一昔前はマジであんなんだったんですか?
誇張表現?
私の精神も破壊されかけたわ。
教えて有識者の方。
大人の寓話として
自殺した若い妊婦から胎児の脳を取り出し、その女性の脳と入れ替えて蘇生させるという医学的にはありえない始まり。何も知らない乳児から幼児、少女へと早いスピードで脳は成長する、若い女性の身体の中で。
少女が思春期になり性に興味を持つ様子をこの映画はあけすけに観せている。ひとりの女性が成長して社会のことを色々知る、ということと女性の歴史をリンクさせているところが面白い。ベラは娼婦にまでなるけれどもその聡明さと強さで立ち直る。
明らかに撮影所のセットであるとわかるように作られた街並みや、わかりやすいCGはこの物語がリアルな話ではなく寓話であることを観客に知らせている。SEXシーンが多くて引くぐらいだけれどもいやらしい感じがしない。動物の交尾を見ているような感じ。
ラストのオチは面白くカタルシスを感じる。
奇妙
エマストーンの演技が素晴らしい。ファンタジーと現実が混ざったような世界でとても奇妙。序盤、解剖とかのシーンを観て、この映画もしかしてグロかったらどうしようと不安になったけど、大丈夫だった。性教育の場面、ベラも吹き出しそうな表情だったけど、私も笑いを堪えた。最後の場面だけ違ってたら5なんだけどな。
抜群に綺麗な映画だけど、恋人と見に行くのは2つの理由でやめた方がいいです
最初に恋人と…というか、一般的な良識に沿って作品を観る人と観に行かない方がいい理由を2つ挙げます。
映画を観終わった後、乾いた笑いが響いていたので警告です。
1.解剖された人間の描写がかなり出てくるということが挙げられます。人体にメスを入れて血が出てくる、取り出した脳みそを切り刻むくらいは普通の描写です。
2. 主人公の性描写がかなり多いです。たぶん8人くらいとの交わりがあると思います。物語の序盤は白痴の人に対してそれを行うという嫌悪感を催しかねないインモラルさもあります。
以下、私の感想です。
109プレミアムシネマで観てきましたが、絵と音が抜群に美しいので、それなりの映画館で観ることをお勧めします。本当に美しく、音楽もシーンにとことん合わせて色々なところから鳴るので、映像体験として大満足です。
話の内容ですが、開始2分くらいで出てくるゴッドウィン博士の顔でもう「ああ原案はフランケンシュタインなんだな…」ということがわかります。
さらにゴッドウィン博士が解剖学の権威であるところから、「19世紀の解剖学といったらジョン・ハンター的な、マッドサイエンティストなんだろうな」というのも想像がつきます。要は一般的な良識や倫理観は理解しているものの、研究のために無視するマッドサイエンティストです。
また、序盤で話される内容ですが、主人公であるベラは博士の実験として成人の女性に新生児の脳を移植されており、精神と肉体の年齢が一致していません。
この状態で世界を旅することになるため、19世紀当時のキリスト教的な良識というものが備わっておらず、結果として激しく性行為に耽り、売春で金銭を得ることに疑問も持ちません。
なお、精神と肉体の不一致という設定は映画全編を通して、ベラの成長と共に無くなっていきます。最初は幼児言葉しか喋れなかったベラは、自分の欲望だけでなく自分の意見を語るようになり、最終的に自分の意志を言葉に表す様になります。
この幼児の様な姿から、決断した女性への変化の演技がとても素晴らしく、本当に見守っている様な感覚になります。
さらに、この設定は映画のフィルタにも適用されており、ベラの成長と共に最初は白黒だった世界が鮮やかなファンタジーの世界となり、次いで鮮やかだけど現実味を帯びてきて、最終的に明るいリアルな映像になっています。
リスボンあたりはフィルターもヴィヴィッドで、乗り物も絵本のような形をしており、映画のカメラが彼女の精神世界を反映していることが強調されています。
この作品で唯一疑問なのは、人間を進歩させると宣言したベラが、肉体の元婚約者である将軍にヤギ?の脳みそをくっつけたところです。
最後の最後でベラとマックスとヤギっぽいキメラがアップになって「なんでヤギがアップやねん」と思っていましたが、まさかくっつけるとは…。
ベラにとっての人間の進歩とは、どうしようもない人間を変えるための回答とは、これなんでしょうか?
それとも山羊頭の悪魔のような人間だったけど草だけ食べてる無害な人間になったという向こうのジョークなんでしょうか…?
最後だけよく分からなかったのですが、全編通して本当に面白い作品でした。2/3時点で今年1番の映画です!
哀れなるものたち=男たち?
最初はただのエログロナンセンスを売りにしているのかと思ったけど、観ているうちに面白くなってきた!!
最初の方の歪んだ超広角の画面や白黒画面のシーンは、まだ脳がしっかりと出来上がっていない子供から見た世界なのかなと。
とりあえずもう一回観に行きたいです♪
皆さんのおっしゃるとおり傑作
傑作かもしれません。美しい映像や怪演、アーティスティックな音楽や演出。考えさせられる色々な人間の過ちや課題。おしゃれですよね。でもなぜか私には成長における知的好奇心と動物的な性とのギャップが大きなテーマに見えて凡庸というか、古臭い?最後のシーンがマルコビッチの穴やら羊たちの沈黙過ぎて胸糞悪いし、震えていた無垢なヤギの立場は?って、冷めてしまいました。
画面の色調(白黒場面も含めて)、ファンタジーの中に込められたテーマ...
画面の色調(白黒場面も含めて)、ファンタジーの中に込められたテーマ、ストーリー、衣装、俳優陣、全部好きな映画だった。
最後のクレジット画面は写真集を見ているような美しさでした。
哀れなるもの
ディズニーが作ったと思えない作品。主人公は人工的に造られるが、一人の女性として成長を遂げる。その過程がSEXを通してと言うところが面白い。アカデミー賞はどうなんだろうと思うが、憎めない作品だ。最後まで楽しめました。
「解決」のないプロット
冒頭、ベラが不器用にピアノの鍵盤を叩きまくる。そうして響き渡る不協和音、まさにそのイメージがこの映画全体の底流をなしているように感じられた。何も解決されず、何のモラル・メッセージも引き出され得ない。ただただ私たちが「綺麗事」の世の中を生きる中で抑圧している物事がド派手に散らかされたまま、幕が下ろされる。それは、「人間は獣」だから哲学的思考によって自己研鑽をできると考えるのは虚妄に過ぎないと断じた、船上の黒人の少年の悲観的な思想を裏付けるものであるようにも思われた。
人間には、理性的規律心に加え必然的に野獣的欲望が内在する。それが自己に属するものであれ他者に属するものであれ、欲望は理性により規律することができると信じていたダンカンとアルフィーはともに破滅した。他方でベラは、理性と欲望との両極性を素直に受け入れその都度の心の声に応じて選択を重ねた結果、成功を手に入れる。とはいえ、あの結末を見る限り、それが物語世界全体としての「ハッピーエンド」に適うものでないのも確かである。
モラルというのが理性の要請に応えるものである以上、欲望の根源的な不屈性を主題化した本作品からその種のメッセージを引き出せないのは当然でもある。人間存在は理性と欲望の葛藤の中で生きるものであり、それを綺麗に解決する手段を一律に提示することなどできない。しかし、我々が忌避すべきものとしてーあくまで否認の形式でー「哀れなるものたち」について語ることはできる。それは、まさにダンカンとアルフィーのように、自己のみならず他者の欲望の奔流をも理性の刃によって自在に断ち切ることができるという空想に固執することを意味するのだろう。
感想が分かりません
2時間半近く引き込まれました。面白かったのは確かですが、感想は?と聞かれてもわからないです。エマストーンの貧乳がやたら多かったのは覚えています。ベラの冒険は面白かったですが、う~ン何と言ってよいのか。。。 なんでしょうね? よい作品ではありましたが、感想が表現できません。
もう一歩かな
過去作と比べてもちょっと退屈でした。原作ありきなのでそうなっちゃったのかな?未読です。
ベラが成長していくのはいいけど、ベラの人となりや性格が全く分からず、ただ、ただスポンジのように素直に知識を吸収していくだけで、不思議と周りに人が集まってくるのが良く分からなかった。子供のように壊す事や泣き叫ぶ子供が嫌いだったのに、老女達との触れ合いや読書だけで急に劣悪な環境下で子供が死んでいくのにショックを受けるって、、、原作がそうなのでしょうか?
美術や世界観はとても面白いけど、ウェス•アンダーソンっぽいチープさを感じました。マーク•ラファロ、ウィレム•デフォーはとてもよかったし、エマの体当たり演技も役者魂を感じました。
キャストは超豪華だけど賞レースに絡むほどの作品ではないように思えました。
映像美
最近では珍しいズームイン・アウトや魚眼レンズも駆使した撮影に現実から少し離れた美しい街や家の美術、そして笑わないエマ・ストーンの冷たい美形。画面の美しさは特筆すべき。
筋としては、人造人間ベスのぼうけんを通してこちらの考えを耕してくれる。個人的にはバービーよりもこちらのほうがレベルがたかいとかんじた。
しかしラストのワンワンは見たくなかったし、焦点がボケる気がした。
エマ・ストーンでエロ映画が撮りたかった
確かに衣装や美術は素晴らしいけれど「頭は幼児、身体は成熟した大人の女性は男の理想のミューズ」
な内容に感じました。
必要性を感じない大量の濡れ場、幼い少女があんなに性欲強いの?
私は小さい頃から家族にも裸を見られるのはイヤだったよ。
体を売る仕事をはつらつとこなすのってキレイ事過ぎる。
色々と気持ちの悪くなるシーンが多かった。
1人の女性が大人へと成長する様を、もっと上手く魅せてほしかったです。
何回観ても....難解かもねーん。
理解するより 体感することが 大切なのかもと
教えられた気がしました。
「百聞は一見に如かず」みたいな感じ。
ラストは「羊たちの沈黙」思い出しました。
しかし最近は 性器の露出を ボカしませんね。
R-18だからかも。いいことです。
恥ずかしい物では あーりーまーせーん。もんね。
(⌒▽⌒)アハハ!
鑑賞後は『Poor Things』の意味が変わる
エンドロールでスクリーンに改めて表示される『Poor Things』。長いプロローグでは、ベラや「ゴッド」博士に改造されたクリーチャーのことだと思っていた。ところが、その思い込みが、異なるマインドに切り替わっている自分に驚くしかない。
「哀れなるものたち」とは、未成熟な十分に発達していないベラをグルーミングしてパトロン気取りでいるダンカン、ベラを従属物だと思っている男たち。『Poor Things』とは、こいつらのことなんだと気がつく。
「哀れなるものたち」の要素は自分にもある。それを自覚させられて愕然としながらも、アーティスティックなエンドロール映像の数々に引き込まれてしまう。
エマ・ストーンの怪演、モノクロパートの不気味さ、色使いが目に焼き付くような冒険パート。エンタメとメッセージを両立してしまうこの大傑作に拍手喝采でございます。
先週は、仕事のトラブルでチケットを無駄にしてしまったが、結果としてDolby Atomsで鑑賞できたから大正解。この作品は、音響がすごいの。
凄い設定、見た目は大人の幼女ベラ
予告編を観て、SFコメディかなと想像しながら着席。主役のベラが登場した途端、暴力、破壊、吐き出し、失尿などの行為。なんだコイツ、妖怪人間なのかよって違和感持ってたら、えっ!自殺した妊婦を受け取った科学者のゴッドが、まだ生きていた腹の中の子供の脳を母親に移植したって!本当天才だわ。でも、鶏ドッグってなんだよ?何のために作ってんだよ。移植してからちょっと経ってるだけ、だからベラは見た目は大人、精神は子供な訳だ。色々喋ってるのを聞いてると8歳位に思えたが、成長が早いって言ってたから、それ程時は経ってなかったんだろうな。
家に監禁されるのが嫌になったベラは、怪しげな男と旅に出る事にした。おいおい、それ騙されてるんじゃね?普通は許されないよな。でもゴッドには許してもらえた。それから始まる男女の肉体関係ラッシュ。ベラはパリに着いて仕事を始める。社会経験も無く学力もない女がお金を稼ぐにはこれしか無いのか?えっ、パリには普通に売○宿があんのか?それにしても、こんなにセックスシーンがあるなんてビックリしたわ。エマ・ストーンの裸、ガンガン。男達なんてチ○○プラプラ。こりゃ18以下は観られないわ。てか、自分が20歳位だったら、興奮し過ぎる程だったわ。
ずっとハラハラドキドキ、凄く楽しめました。
映像饗宴、成長への冒険旅と変革が織り成す常識の破壊
ギリシャ出身のヨルゴス・ランティモス監督によるファンタジーの映像が美しいです。豪華な衣装やセットも楽しめます。
科学者ゴドウィン・バクスター博士の幼少期における複雑な父親との関係が、主人公ベラへの愛情に反映されています。また、改革者である科学者自身の顔と体は、世間の目にどのように映っているかが皮肉混じりに描かれています。
ベラを中心に展開される男女関係は、従来の枠を打破し、逆転の魅力に満ちています。科学者と解剖医のスタート設定により、エロティックなシーンも知的に観られます。一方で、愛情を抱く婚約者との関係の表現仕方は計算高さが印象的です。
ベラの冒険旅で目にした奴隷層、貧富層の環境で生まれた赤ちゃんたちの世界観と、母親である年齢相応の富裕層の知的なマダム、そして娼婦たちを利用して生計を立てる老婆から学ぶ人生観。これらの要素がストーリーに組み込まれ、科学者である父親以外の視点からもベラの独特な世界観が形成されます。
成長の過程では未知への冒険心が欠かせない要素として描かれています。
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