哀れなるものたちのレビュー・感想・評価
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モンスター映画が観たかった
世界や社会へのメッセージを込めてる訳ではないのに、何か意味ありげなムードだけ漂わせる系の、かなり苦手な部類の映画だった。この監督って前観たやつもそんなだったな、というのを思い出した。
フェミニズム映画みたいなふりをしながら、知識に目覚めた主人公は深い考え無しに無意味な善行をしたり、暴力で束縛してきた相手を同様に隷属させることで支配下に置いたりと、女性が知識を得ても結局愚かだというストーリーにしかなっていないし、真に愚かな者は家族愛や父性というもので免罪されている。そんなに興味ないなら最初からジェンダーをテーマにしている風を装わなければいいのに、とか、エマ・ストーンはこれで良かったのか?と思ってしまった。
役者はみんな良かったが、最初からウィレム・デフォー出てくると、あぁ、ウィレム・デフォーだー、となるし、それでエマ・ストーンが続けて出てくれば、ハリウッド映画だなー、としか思えなくて、映画世界に没入する障壁になっていたし、グラフィックノベル調に作り込んだ画面は世界を戯画化して提示するというよりは世界観の単調さをより強調する役割になっていて、なんだかなーという気分になった。…あれ?観ているあいだはわりと楽しかった気もしたんだが、思い出して書いてるとヤなとこばかり目についてきた。これは多分、モンスター映画とかに興味ないだろうに表層だけ借りていった姿勢が腹立たしいというのがあるんだろうな。やるならちゃんとフェミニズム映画にするか、モンスター映画をやって欲しかったね!
女性の解放
賛否両論?かもしれませんが
R指定
前もってあまり情報入れずに見たのでびっくりした。
もし思春期に見てたら一生忘れないだろう、その位体当たりなセックスシーンが結構な回数あります。
しかもかなりAV的なやつなんで女性で嫌な人もいると思われ、、でもあのセックスシーンが美しい芸術的なものだと確かにおかしい、しかし日本人には刺激が強すぎるかな。
ウィリアムデフォーをプラトーンで観て何十年も経ったけどこの人はどこまで行くんだろう、近年はまともな人間の役をやっているのだろうか?凄すぎる。
主人公が驚異的なスピードで成長していく中で色々重要なセリフがあった筈だが一回見ただけでは理解が追いつきませんでした、、もう一度観てみたい作品ではある。
けどもマイナスは音楽、ちょっと怖かった。
ベラの大冒険!
POOR THINGS
不思議ワールド
オウマガトキFILM
エマ・ストーンが凄い!
気味が悪いホラー系
眼福の美術と衣装とエマスト−ン
不思議の国のベラ
天才博士によって逆コナン状態になった女性の話。
女優さんってここまでやるんですね…ってぐらい激しい濡れ場。さすがR18+。
世界観が独特で、奇妙な生き物が多数でてきたり、街の空にゴンドラが行きかってたり、都市の名前は実際のものだけど、なんだか不思議の国のアリスのよう。
画面が魚眼だったり、劇伴が不安を煽るようなものなのも一層狂った世界を強調している。
首だけの馬車とか面白いなぁと思ったけど。出てきたのが最初だけで残念。
好奇心旺盛でどんどん成長するベラだが、一般常識や倫理感は皆無。
冒険に連れ出したプレイボーイのダンカンも、成長するベラについていけず、口論でも言い負かせないほどになる。
ベラは一貫して自分の思うように振る舞い、ある意味痛快。
最終的に自分の生い立ちの秘密を知るベラの決断も面白い。
好き嫌いは分かれそうな作風。
映画好きなら一度は見るべき。
真実は人それぞれ
エマ・ストーンが凄い。
ベラになりきり、成長していく。
グロい場面もあるけれど、淡々と進んでいくベラの冒険に圧倒されまくる。
最後までベラを見守るアルフィーがステキ。
「君の体は君のものだから、君が好きにしていいんだよ」
「ところで、性病の検査した?」
サラッと話せるところが、いいね〜
だから、結局、彼女と結ばれるわけよね。
苦しいけど、自分の感情は自分で処理できるアルフィーと、振り回されて結局、病院に入っちゃう弁護士さん。うまい対比じゃない?
なぜ、ベラになったのか。その秘密が明かされ、ベラとして生きていくさまは気持ちが良い。
道徳的な面もあるけど、セリフが秀逸。
ハマりそうな予感(笑)
怪人ベラ
ほぼ前情報なしで観ました
始めはショッキングな内容のそういう系か~と思い見ていましたが、次第にベラが成長していく話に・・・
オカルトなファンタジーの世界から、性の話や社会、そして愛の話などになっていく
お金かけて世界観を作っているから見応えがありますね
ベラは中盤凄い勢いで成長して貧富の差に愕然としているが、当初の残虐性から考えるとどうしてこうなった? と思えるほど・・・
その狼狽えからラストのシーンまでの顛末これいかにと、なんだか納得がいかないような気もいないでもないが、まあ医者になって命を救うと考えればまあ
ついていくのに必死な私がいたので、この点数ですが
評論家の人、特にヨーロッパの人はアーティスティックでセンセーショナルな斬新なこういう映画は好きなのだろうね
個人的にはベラのダンスシーン辺りの奔放さにダンカンがついていけなくなるところがなんか羨ましく、好きでした
自分ももっと挑戦してもいいんじゃないかなと思えて
そんなこんなで見易い映画ではないし好き嫌いが分かれそうな映画でした
魚眼レンズのような映像の意味(自己考察)
始まりはモノクロ映像から始まり、なぜか周りの背景がハッキリせずぼやけてて、魚眼レンズで撮ったかのような映像が続く。
これが意味するのは、主人公ベラの成長の象徴ではないかと主張したい。
人間の始まりは赤子であり、視野はとてもせまく自分の見たいものを見る。
成長するたびに
知恵を蓄え
その次は興味関心が訪れる
そして見たくないものも見るようになって
自ずとも視野が広がり、視界がクリアになる。
劇中でも、魚眼レンズの歪みがだんだんと収まり、
最後にはその歪も無くなっていた。
ベラが“世界を自分の目で見たい”という大冒険の様子を映画を見ている私たちにも、直で届けているような映像の工夫にドキッとさせられた。
あくまでも自己解釈だが、このような観点で見るとより面白い。
ベラの大冒険は展開が読めない事が多くて、時間がとっても長く感じた。
終わり所が見えなくて、でも飽きさせない簡潔なテンポにカラフルで見たこともない世界観に魅了された。
自分の疑問にいつも貪欲に対話し、答えを見つけては
また疑問が現れ、納得のいく言語化を当てはめ、
また次へと。
この過程でベラ自身が得た経験と知識が増える事に
言葉数が増え、相手の図星をついたり
上下関係が真逆になったり、
ベラが発する嘘偽りない言葉だからできたことである。
いつも映画は考察したい派だが、本作では全て自己完結済みなので少し物足りなさもあった。
見る時はものすごく心身ともに疲労し、1人の大冒険にしては、おかず山盛りどんぶりご飯だったので、1度でもう満足である。
自分を形作るのは“自分自身しかない”と教えてくれた作品だった。
ごちそうさまでした。
エマ・ストーンにやられた
原作読んでないし、前知識も無しに鑑賞
ストーリーは特段たいしたことないが、テーマの打ち出し方や演出もよかったし特にエマ・ストーンの演技は素晴らしかった
で、多少グロい描写があったが何故高校生が観られない+18なのか?
今の日本を象徴している一つであるのかも
後半の演技が気になる。
全体的にセットだったり、衣装だったりはとても綺麗で、映像的には美しい世界観を確立していたような気がするが、後半に成長したヒロインが実家に帰ってきても、婚約者や父親が、ヒロインの成長度合いに気が付かないのが、なんとも違和感あって、途中から物語に入り込めなくなった。
「成長」や「解放」の物語なのか?むしろ真反対のどんでん返しではないか?
他者のレビューを見ていて、「女性が自分で道を切り開く物語」的なニュアンスの解釈が多くて、ちょっと違和感があった。
私も途中までは、幼いベラが自分の目で世界を見て自分の意思を獲得していく物語だと思って観ていたが、ラストの「ヤギ将軍」でその考えは全てひっくり返された。
「進歩のためなら倫理が見過ごされる」という強烈にズレた価値観が、ゴッドの父→ゴッド→ベラへと受け継がれてきたことを示すのが「ヤギ将軍」であり、それはつまり、自分の意思だとおもっていたものが幼い頃に"父"に植え付けられていた価値観であり、そこからは逃れられないことを暗示しているのだと受け取った。
どれだけ自分の頭で考えているつもりでも、狭い世界の中の価値観からは逃れられず、外から見るとそれは哀れに映る。それはきっと私自身もそうなのだろう。そういう意味で、全ての者が哀れな存在である、というメッセージを私は受け取った。
ここからは蛇足だが、どうあがいても哀れでしかないのなら胸を張って自分の好きなように生きて行こうと前向きな気持ちになれたので、この映画は私にとって「背中を押してくれる応援映画」となった。人生に悩んでる方は、是非。
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