劇場公開日 2024年1月26日

「哀れなのはいったい誰だ?」哀れなるものたち Tofuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0哀れなのはいったい誰だ?

2025年4月12日
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鑑賞方法:映画館

かなり猟奇的で大胆な性描写も含まれる作品ではあるが、そんな表層的な見てくれの中身としては、様々な意味で社会的にも抑圧されていた女性が自らの行動を通して世界を知り、自由や平等を手に入れて自立していく過程をカリカチャー的に描いた作品であり、日本の政権与党(とその支持者たち)が嫌いそうな女性解放の物語だと言える。

ウィレム・デフォーが演じるゴッドウィンの風貌はフランケンシュタインにしか見えないが、ある種の「人造人間」であるベラはまさに女性版のフランケンシュタイン。そして、そんな可哀そうに見えるベラを意のままにしようとする男たちの愚かさを見ていると、「哀れなるものたち」とは本当はいったい誰のことなのかが浮き彫りになってくるであろう。

Tofu