劇場公開日 2024年1月26日

「少女、娼婦、聖母なベラに惹きつけられる。」哀れなるものたち のりたまちびさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5少女、娼婦、聖母なベラに惹きつけられる。

2024年3月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

難しい

実在の都市名を冠しつつ、バーチャルリアリティのような不思議空間での物語。
科学や常識、倫理などは脇に置くとして、登場人物が総じて濃い。
最も常識的なベラの婚約者が、一番影が薄い(お気の毒)。
世界観が本当に面白かった。

成人女性に胎児の脳を移植して、リボーンしたベラ。
どんどん経験を積み、世界を知り、成長し続ける姿に魅了される。
枠からバーンとはみ出した人を、誰も止めることができない。
同時に、彼女に母親がいなかったことを哀れにも思った。

癖が強くて、分かりやすいおいしさはない。
最初、刺激が強すぎて、毒かと思って吐き出したくなる。
けれど、また食べてみたくなるという禁断の食べ物(私にとっては、チョコレートやポテトチップス)みたいな映画。
もっと自由に生きていいんだなーと勇気をもらいました。

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のりたまちび