「美しさは罪なのでしょうか」哀れなるものたち 赤福餅さんの映画レビュー(感想・評価)
美しさは罪なのでしょうか
最初のモノクロのシーンを観て「ゴシックホラーテイストの作品か…」と思いましたが、画面が色づいてからはまったく違う展開になり、作品に一気に引き込まれました。
話の展開は「実践哲学」ことを言っているのかなぁ、位に思いました。
話は「冒険」と称する未知への探究へ!
ベラは知的好奇心のため、持ち前の行動力と明るさをもってグイグイと前に進んでいき、その姿は凛々しくもあります。
しかし子供の純真無垢な心と、成熟した美貌をもつ大人の女性としての美しさをもつ彼女にはいつも本人には納得のできない壁がいつも立ちはだかります。
そして周りの人は皆、美しいものを独占したいと思い彼女に近づく。
ベラはそこに存在しているだけなのだが、美しさは宝石以上に周囲を狂わせてゆく。
美しいということは罪なのでしょう。
パリの娼館にて異性と肌で関係を繋ぐうちに、それを通じて様々な人の表裏を学ぶことになり、人間というものを学び、心に磨きかけていくというのは面白いと思いました。
終盤近くではテンポがやや失速ぎみで(演出?)、説教臭くなったいったように感じました。
なぜ社会主義にいかねばならなかったのだろうか… 資本主義への反発?
でも本人は解剖医になろうとしている。あまり社会主義とは関係がない。
あとは、ベラの衣装がとにかく豪華!!
アカデミーにノミネートされる作品にはこのくらいが必要なのでしょうね。
これは観る価値がありました。
一般受けはあまりしないかもしれませんが、観ておくには十分な作品であると思いました。
今晩は!アカデミーにノミネートされる理由が分かる気がしましたね。
面白い、面白くないではない、独特な世界観。その分人を選びますが。
書かれていたように、観ておくには十分な作品でした。
他作へのコメントありがとうございました。
こちらも重い見ごたえがありましたね。気になる作品が続きます。
ベラの状況に起こるギャップが浮き彫りにしていく流れ、〝美貌〟の影響…その罪。罪の視点!