「世界の痛みに、堪えられません」哀れなるものたち 機動戦士・チャングムさんの映画レビュー(感想・評価)
世界の痛みに、堪えられません
動いているのは太陽ではない。我々が暮らす大地が、動いているのだ…。こう唱えた学者さん、神への冒涜として、処刑されそうになりました。ヒトが作った良識ある社会とは、時として、ヒトの進化を妨げるものです。(この話に興味ある方は、マンガ「チ。」をご覧下さい。)
醜悪の美と云うか、可憐な蓮は泥より出でると云うか、綺麗は汚い、汚いは綺麗と云うか…。
R18とのことですが、性的描写より、精神的消耗のほうがキツい映画。ベラちゃんのように、自分の無知を知るヒトなら、更なる高みを目指すことも、できるのでしょうが…。ただ、性的好奇心→知的好奇心→社会的好奇心の順に関心を持つのは、妙に納得してしまいます。
良識ある社会は、ヒトを暮らしやすくするシステムとして有効ですが、一方でヒトの可能性を、摘んでいるのかもね。世界の痛みに、真正面から向き合える純粋さを、ベラちゃんから少し分けてもらいたいものです。(因みに、マザー・テレサは、その純粋さを生涯持ち続けたようです。凄い人。)
今の私がpoorな世界に暮らす、poorな存在だとしても、ヒトの可能性はmuchであってほしいな。
とはいえ、私には荷が重い映画。新しい世界の始まりを告げる陣痛に、堪えられそうにありません。この映画、思い出しながらご飯食べたら、口から泡吹きそうな気がします。皆さんも、是非お試しあれ!。
コメントする