「コ、コ、コ、コメディ?!?!」哀れなるものたち ゆきさんの映画レビュー(感想・評価)
コ、コ、コ、コメディ?!?!
邦題「哀れなるものたち」ってちょっと重くない?
私的には原題の「POOR THINGS」の方がしっくり来た。
公開から少し経ったからか、観客が少なかったので定かではないが。。
私だけずっとクスクスしていた気がして自分の感性を疑った('◉⌓◉’)
へへへ( ̄∇ ̄)
さてさて。
本作についてまずビジュアル面での見所が多い事について触れたい♪
美術や音楽が魅力的で、目も耳も喜んだ!
私が特に目を奪われたのが衣装!
衣装デザイナーのホリー・ワディントンの仕事っぷりがお見事です!
アカデミー賞・衣装デザイナー賞ノミネートも納得!
大げさな程のパフスリーブのショートジャケット、床掃除しまくりの超ロングドレス、ゴージャスなフリンジの付け襟?ケープ?が最高に可愛い。
冒頭のブルーのドレスの青!イエローのミニボトムの黄色!何とも言えぬ美しさ!
その色彩の豊かさ、全てのルックをカラーで見たくなった。
豪華なレースやフリルをふんだんにあしらった数々の衣装!
まるでハイブランドのランウェイを見ているかの様でワクワクした。
男性陣も抜かりなく、中でもゴッドウィンの帽子とコートがレバー色?臓器色?なのがイカしてた٩( ᐛ )و
かなり感激!興奮しました。
そして音楽の使い方も、その時々のベラの心を内を代弁しているかの様で効果的だった。
あのダンスシーンも怒りの感情だけでなく、優雅で不気味で楽しくて激しくて甘くて恐ろしいBGMがとてもマッチしていた。
今後語り継がれる名シーンになるだろう。
冒頭モノクロから始まり、ベラの成長を通して徐々にカラーになっていく演出も奥深〜い!
ベラの世界が広がっていき色付いていく事とシンクロしていて素敵だった。
時折り挟まれる魚眼レンズを通して、世界を歪んで見ているのは誰?と問われている気さえした。
ヴィジュアル面でもかなりのインパクトがあったが、お話しもぶっ飛んでいた。
青いドレスの女性(ヴィクトリア)の人生の終わりから始まる物語。
と、同時に新たな命《ベラ》が始まる物語でもあった。
ヴィクトリアのお腹の傷と共に、ヴィクトリアの人生はベラによって生き直される。
「体は大人、頭脳はベイビー」
無敵ベラちゃん(エマ・ストーン)
その成長過程において「なになに期」
「なぜなぜ期」が訪れる。
(私も子育てで頭を悩ませた)
これは何?あれは何?
なんでなんで?どうしてどうして?
どうして外に出てはいけないの?
なんで性は恥ずかしいの?
結婚って何?
生まれた時から隔離され、社会の異端のベラ。一般的な価値観という概念が無い無垢なベラ。
既存のルールに対する疑問が湧き上がる。
そして、自分で考え純粋に
「こっちの方が良いのでは??」と提案する。
何にも囚われていないベラだからこそ、偏見や差別など無しに行動して行く様が危なっかしいのだが、爽快でもある。
そして「なになぜ期」は型にはまった人間
(私)にとっては実に面倒臭く、時に鬱陶しい。
本作でもベラの問いに「そういうものだから」「ルールだから」と答えベラを型にはめようとする男たち。
男たちの都合よく解釈されたその
「世界のルール」を押し付ける。
男たちはベラを型に押し込めようとするのに、そこから飛び出しているベラに惹かれて行くのも滑稽だ。
ダンカン(マーク・ラファロ)が
最高ww
「なになぜ期」を経て「自分でやってみたい期」のベラは更にパワーアップして正に体も頭も全部使って冒険を続ける。
そこで、男女や貧富の差、偏見、慈愛、束縛、支配、幸せ、解放、様々な事を体験する。
偏見から解き放たれたベラは解放の喜びを知り驚く程に成長していく。
ベラの善意から無一文になった2人はパリに辿り着く。
「良識なんて知るか!」と豪語していたモテ弁護士ダンカンは何も出来ず文句と泣き言ばかりなのに対し、ベラは逞しい。
敢えて批判を恐れずに書こう。
(いや、やっぱり。ゆきはおそれている)
ベラはお金を得るために売春宿で働く。女って。。。すごいな。。って思いました。
男だったらあの状況下でこんなにスムーズにお金を得る手段はあるだろうか。。
しかし、気に食わないダンカンはベラに屈辱的な言葉をぶつける。
「自分で働いて、稼いでいるのよ」
ぐぅの音も出ねぇ〜(°▽°)
正論だ。誰も何か言う権利はないのだ。
雪玉を投げるしか出来ないダンカン。。
チーーーン(°▽°)(°▽°)
そしてベラはゴッドウィンの元へ。
自分の生まれた意味を知り、そのアイデンティティを受け入れる。
(ヴィクトリア)
それが出来たのはゴッドウィン(ウィレム・デフォー)の愛が伝わったからだと思った。
色々アウトなのは確かだが、結局父性に溢れていたんだと思った。
ウィレム・デフォーはその存在がもう実在するゴッドウィンだった!
ずっとベラを心配しながら待っていた、婚約者なのかも不安だったマックス(ラミー・ユセフ)ww
彼の大きな愛は、どんなベラでも受け入れる覚悟を見せた。
きっとベラは本当にマックスを愛する事になるんじゃないかな〜と思った。
ラストは皆んな幸せそうで(アルフィー(クリストファー・アボット)もあの方がきっと幸せw)で、ハッピーエンドかな??
とは言え、
ベラを通して自分の欲求を満たしたい
4人の男(andハリー)
(ジェロッド・カーマイケル)
哀れなるものたちは男だね( ̄∇ ̄)
久々にかなりのインパクトがある新作でした。多くのメッセージが見てとれ風刺も効いていた。
エマちゃんのセックスシーン多い問題は、私は気になりませんでした(^。^)
だってそここそがかなりのテーマ性を含んでいますもん。
船上で出会ったご婦人
(ハンナ・シグラ)存在が神!
私も彼女の様な、成熟した大人の人間になれる歳の重ね方をしていきたいな〜と思いました
٩( ᐛ )و
確実に。映画館で観るべき作品です。
共感とコメントありがとうございます。
変態長文レビューが救われた気がします。
僕のレビューは「天才レビュー」ではなく「天災」かもしれません…。人災?
船上のマーサおばあちゃんとのやりとりで爆笑しました。
笑えるHな映画では「喜劇 愛妻物語」、「愛なのに」も大好きです。
この手の映画は、映画館の暗がりで観るのが一番ですね。
共感ありがとうございます。
気持ち悪い描写満載ですが、圧倒的な作品な事は間違いないんでしょう。画面の四辺にクレジットを書き込むのはいいですね、ちょっと得意がってる匂いもしますが。
ゆきさん、返信ありがとうです。
おっしゃるとおり〜笑
しかし、かわいい子には旅をさせよと言うけれど、我が子娘があの人と旅に行くといったら嫌すぎる。。。
魚眼レンズで見張りたいけど、見えたら見えたで気が狂う😱
愛ある父性はあの壁を越えたけどね😭
いいね、ありがとうございました。
今までガラスの天井にフラストレーションを感じてましたが、赤ちゃん並みに自由に生きたら、かなり人生楽しいですよね。私も小学生までは、人生楽しかったですからwww
ゆきさん、コメントありがとうございます。
私、常々男と女の間には深〜い河があると思っとります。
でももしかしたらZ世代以降はそういうの段々なくなっていくのかもしれないなぁ。
そしてそれはそれで寂しいかもしれない。