「少しだけ普通ではない生い立ちの女性が、少しだけ人とは違う経験を通して心と精神が成長していくお話です。ダークな風味があるので苦手な人は注意が必要かも・_・;;」哀れなるものたち もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
少しだけ普通ではない生い立ちの女性が、少しだけ人とは違う経験を通して心と精神が成長していくお話です。ダークな風味があるので苦手な人は注意が必要かも・_・;;
予告で観た、怪しい行動を繰り返す女性が印象的。
作品紹介を読んだらその女性の行く末が気になって
見届けなければ、との衝動にかられて鑑賞。
さあ 鑑賞開始。
で。
…10分経過した頃の正直な思いはというと…
” 観る作品の選択を誤ったかも ”
でした。何故って…
この女性(ベラ)の行動が怖いんですよ。
研究室(?)のストレッチャー上の死体(?)の顔を
金属の棒でグサグサとつっ付くご乱行。ひぇぇ
” ホラーだったか…? ” と、体から血の気が
引いていくのが分かりました @∧@ ; (←怖いのダメなヒト)
それでも、映画館で途中退席するなど映画鑑賞のポリシー
に反する(トイレ利用は除く・-・)、と鑑賞を続行。
なんとか鑑賞終了。
鑑賞の途中から何となく感じていたモヤっとした感想が
帰宅してこの作品を振り返り、何とかまとまってきました。
” 一人の女性が生まれてからの、成長の物語なのか ”
とはいえ、「普通の」物語ではないです。 ・∇・ね
・誕生の仕方が脳移植
・しかも胎児の脳を母体に移植
・体は大人、頭(脳)は子供(コナン君の逆)
その結果、大人が子供のような奇行を行うという
一見、目を背けたくなる場面が多く描かれることに。
※子供(幼児)の残酷性ってありますよね。
捕まえた虫の足をもいだり羽をむしったり…。
だからカオを棒でグサグサしたりするのも当然
なんですね、きっと(…う~ん・_・;)
けれど、ベラの心は成長します。
# 不味い食べ物は口からベーっと出してました。
# 気に入らない事があるとモノを壊してました。
それが
# やがて家の外に出たがるようになります。
# 何でも知りたい、自分の目で確かめたい
赤ちゃんから幼児期を経て、思春期へ。
そしてベラは、ある男と一緒に世界を知る旅に出ます。
反抗期?というだけではない、自我の目覚め?
その旅先での経験が、ベラの心を一段と成長させていきます。
と、まあ
こんな感じにベラは成長していきます。
精神的に。そして 肉体的に。
終盤、ベラの正体に関連して話が急展開します。
ベラの謎というよりは母体の正体についてなのですが
ベラ(の母)を縛りつけていた男(ベラの父になるのか?)と
真正面から立ち向かうのです。
銃を突きつけ、自由を奪おうとする男に対し
一歩も引かずに渡り合い、逆に相手をうち倒すベラの姿は
美しくたくましい魅力にあふれていました。
彼女がその後、どんな人生をおくるのだろうかと気になります。
作中口にしていたように、医者になるのでしょうか。 はて。
※それにしても、このお話の時代はいつなんでしょうね。
19世紀末~20世紀初頭くらい?
現代では無い。 …それは確かかと思うのですが。
◇あれこれ
■エマ・ストーン
ベラは内面の成長に伴って、表情も成長していくのですが
振り返ると、演じたエマ・ストーンの演技がすごいです。・_・
エマ・ストーンの体当たり演技(濡れ場とか)だけでなく
「体は大人の女のまま」なのに、中が「生まれたての子供
から大人」へと成長していく女性のしぐさや表情を、実に
細やかに表現していたことに拍手です。
■ベラの体の脳は誰の脳?
母親の頭の中に、お腹の中に居た胎児の脳を移植。…うーん。
入れ物の方が大きすぎやしないか と余計な心配。・_・;
もしかして、母の脳のダメになった部位は切り捨てて ・-・;
空いた隙間に子供の脳を押し込んだ …とかなのでしょうか?
そうとでも考えないと、移植された脳の成長スピードが早すぎる
ような気がするのですが、どうなのでしょう。(←素人考え・_・; )
■ベラ …といえば
妖怪人間を思い出す世代なのですが、そもそも「ベラ」って
どんな意味のあるコトバなのかと検索してみました。
イタリア語で ” 美しい ” という意味なのですね。 へぇ
ひとつ賢くなりました。
◇最後に
ベラを手術したゴッドウィン。
この天才と紙一重の外科医は、いったい何を考えて動物の合成の
ような手術を繰り返していたのか。
振り返ってみると、その動機付けが描かれていない気がします。
ベラを(ベラの母体を)助けたのは気まぐれからだったのか。
それとも他の理由があったのか。
保護者=父親的な一面を見せていたようにも感じたのですが
そんなどうでも良さそうな処が気になっています。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
ベラに対しての目線が肯定的な感想で、読んでいて嬉しかったです。
個人的な感想ですが、ゴッドウィンは父親から実験という名の虐待を受けそれを肯定していましたから、母と無理心中させられそうになっていた胎児を救おうとしたら、実験という形になったのかな?と思いながら見ていました。
彼なりの方法でベラを愛していたのではないかと自分は思います。
共感ありがとうございます。
実父に切り刻まれたゴッドが、実験の為気まぐれに生み出したベラ。最後にはこの“娘”に救われるのがじーんとしましたね。汚い描写も多いですが、大人になったベラより生まれたての方が魅力的に感じました。
カナダ人と笑いのツボ違うんですが、私も負けずに声を上げて笑うようにしたら、結構作品に入り込めました。
日本も映画館で自由に大声で笑えるといいですね。それにしても、もりのいぶきさんのレビューは深すぎます😩…