「映画史に残るヒロイン‼️」哀れなるものたち 活動写真愛好家さんの映画レビュー(感想・評価)
映画史に残るヒロイン‼️
まず、この作品の世界観にシビれます‼️ゴシック的でホラー調、ノスタルジックでファンタスティック‼️ジャン・ピエール・ジュネ作品のようでもあれば、ティム・バートン作品のようでもある‼️まるで馬車のようなロープウェーが空中を走っていれば、とても可愛らしい客船が大海原を航海している‼️四本足で歩くアヒル、鶏の身体を持つ豚、まぁこれはバクスターの実験の産物なんでしょうが、奇妙な世界観でもありますよね‼️舞台となるロンドン、リスボン、パリ、アレクサンドリアの街並みの素晴らしい美術やセットデザイン、そして目を奪われる衣装の数々まで、ホント見てるだけで楽しくなる‼️人生に絶望し、投身自殺した妊婦‼️天才外科医のバクスターは、胎児の脳を母親に移植、ベラ・バクスターという名前で育てていく‼️監禁状態で生活していたベラは「世界を見たい」と言う欲望に駆られ、弁護士ダンカンの誘惑に乗り、冒険の旅に出る・・・‼️物語自体は女性版 "フランケンシュタイン"‼️もっとも犯罪者の脳ではなく、赤子の脳なので、見た目は大人でも中身は赤ん坊のベラ役エマ・ストーンの演技が可愛らしくて、素晴らしい‼️そんなベラが言葉を覚え、知識を身につけ、性の歓びに目覚め、自立し、様々な経験を経て、自分の価値観を見出していくまでのベラの変化を体現出来たのは、エマ・ストーンの演技力があっての事でしょう‼️熱烈ジャンプ・シーンなどの体当たりのシーンも、一皮むけた印象を観ている者に強く与える‼️冒険に出るまでをモノクロ、冒険に出てからをカラーで描く、ランティモス監督のセンスの良さも光りますね‼️特にモノクロのシーンはウィレム・デフォーの容姿も含め、デヴィッド・リンチ監督の「エレファント・マン」を思い出しました‼️ベラがカップルで踊る人たちの中、一人で踊り出すシーンはベラというキャラを象徴する名場面だと思います‼️そしてラストで、自殺未遂前の自分(母親)の夫が出現、彼の正体を知り、自分(母親)がどういう扱いを受けていたかを知った主人公‼️それを受けてのラストのカタルシスも快感この上ない‼️この作品は、性別、年齢、国籍等を超えて、自分にとっての本当の価値観を見出そうとした主人公の壮大なアドベンチャーであり、素晴らしき人間讃歌‼️是非エマ・ストーンには2個目のオスカーを獲ってほしいですね‼️