劇場公開日 2024年1月26日

「ここから出たい!」哀れなるものたち とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ここから出たい!

2024年1月26日
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薄っぺらい男に力を誇示したがる男…世の中のクソ男たちに支配されずに、自らの自由意思で選び取ること。差別、貧困、環境問題 etc...内側が異型の男たちが回す世界の"普通"常識など疑い・抗い・ブチ壊して選手交代!! クソ男は用済みです。止めようのない自我に目覚め、止められても踊るところがよかった。
唯一無二ヨルゴス・ランティモス✕エマ・ストーンによる悪魔的なファンタジー(セックス)コメディ。端的に言えば不思議で奇妙"変"ヘンテコだけど、最後まで面白く見ていられる。エマ・ストーンがキャリア最高峰オスカー級に素晴らしいけど、助演のウィレム・デフォー&マーク・ラファロもニクい。外の世界を知りたい、自らの目や耳で冒険したいという、とめどなく溢れ出す自由への渇望がフュリアス・ジャンピング!演技も撮影も音楽もどこを切り取っても贅沢。
想像力かきたて広がる世界で問いかけ突きつけてくるクソみたいな世界のリアルと人間の凶暴さ。魚眼レンズに極端なパンなど分かりやすくカメラという存在を意識させる作りに、そしてモノクロとカラーを使い分け、彩りは極端なほどビビッドにカラフルで虚構性を強調する。それらはまるで本作が"物語"であることを伝えながら、同時にその奇妙さから世界の真実を炙り出しているようだった。今までにも増して観客を選びかねない作品だけど、それもまたこの監督らしいと言えば"らしい"作家性。

P.S. そこまでしなくちゃいけなかったのか?…という点はあって、作品の内容含めてまだまだ消化しきれていない。

とぽとぽ