劇場公開日 2024年1月26日

「タイトルなし」哀れなるものたち えみりさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0タイトルなし

2024年1月26日
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鑑賞方法:映画館

大賞を取ったりするタイプの映画だとは思わないけど(魂が震えたりはしない)、ユニークで、しかもドクターと彼女の愛情、夫との愛情が感じられて良かった。音楽が圧倒的によく、合成動物のビジュアルはすごいし、船の上での空など素晴らしかった。もちろん、エマ・ ストーンの演技は素晴らしい。隠れたテーマは、男性のジェンダー支配への批判であり、彼女の父は科学者で、科学的精神で現実に向き合うこと以外、一切、通俗的道徳で娘を縛らないので、女性ジェンダー規範も入りようがない。彼女にとって人生は欲望と実験と冒険の場である。彼女の好奇心も科学的なハビトゥスだし、ドクターは、何より彼女をその点で育てたと言える。
とはいえ、不幸な赤ん坊に感情移入する倫理感がいきなり出てきているのは不自然か。
しかし性的欲望は知的な問いへと昇華されていく。彼女の成長派この意味で見事。

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えみり