劇場公開日 2024年1月26日

「採点4.3 ヨルゴス・ランティモスの新作。 「女王陛下のお気に入り...」哀れなるものたち 白波さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5採点4.3 ヨルゴス・ランティモスの新作。 「女王陛下のお気に入り...

2024年1月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

採点4.3
ヨルゴス・ランティモスの新作。
「女王陛下のお気に入り」のタッグで、これが予想以上の強烈な作品でした。
あまりにも悲しい奇妙な生い立ちの少女、その成長を描いたロードムービー。というより寓話の方が正しいでしょうか。
まずそのアートワークが素晴らしい。
御伽話のような街並みや建物に船、ビビッドな空にファッション。
モノクロや魚眼を多用したカメラなど、本当に目まぐるしいです。
あと凄いのが劇伴ですね。音楽ともSEともいえない音はとても作品に彩りをつけていましたし、それが傷のように残るんです。
その視点や景色は全て子供の「世界を知りたい」といった好奇心だけで描かれていて、それが何処か愛おしいかったです。
夢のような美しい世界から、バベルの塔から見下ろす地獄。
最初から危なっかしい冒険でしたが、貧富や争い色欲など世の中の闇も学び、どんどんと大人になってその目に映る景色も変化していく。
エマストーンは野生味のある芝居で、無垢な部分が良く出ていました。
だからか、いやらしさがないんですね。正に熱烈ジャンプです。
それとゴッド役のウィレム・デフォー、エマストーンに劣らないインパクトを残していきます。
フランケンシュタインの様な風貌と、凶器と裏腹な優しい父親像。
育て・見守り・見送り・看取られる。最高の演技でした。
それと最後にもうひとエピソード入れてきたのには驚きましたね。
そしてエンドロールがまた素晴らしかった。
テキストとビジュアルの組み合わせが本当美しかったです。
最初から最後まで耽美で生と性とアーティステイックな魅力に溢れた作品でした。本当に見事ですよ。

白波
ゆ~きちさんのコメント
2024年2月23日

いいね、ありがとうございました。

すごい作品でしたね。私はただうろたえながら観てましたw

ゆ~きち
白波さんのコメント
2024年2月10日

humさん
コメントありがとうございます。
ウィレムデフフォー凄かったですよね!
本当見事な散り際でした。

白波
humさんのコメント
2024年2月8日

ゴッドが死を迎えるシーン、凄かったですね。目から生命が消えていく様。演技として私がみたもののなかであんなのはじめてかも知れないです。

hum