「さて、”現実”を見る時間だ──」ドミノ かずくんさんの映画レビュー(感想・評価)
さて、”現実”を見る時間だ──
予告の時点でワクワクしていた分、
本編も存分に楽しめた。
娘を誘拐された警官による、
信じ難い超能力バトルの行く末がこんなところに着地するとは…。
最初は有りがちな警官VS黒幕という展開から、
まさかの「そっち側」に居た主人公VS機関、
果ては家族VS機関…。
いやぁ、最高だった。
前半はよくありそうな刑事ドラマ。
とんでもな敵に翻弄されながらも、
娘を見つける為に翻弄する主人公。
仲間を失いながらも、
決死の覚悟と心の痛みから覚醒…!?
…かと思いきや。
「周りを見て」の合図から赤服の機関の連中が現れ、
今まで見せられていた前半の展開をすべて崩される。
「主人公が娘を誘拐?」
「妻は機関の連中?」
「あのおっさん…こんなところに…」
このシーンに移ったあとの奥さんとの会話を見ながら、
「壮大な離婚劇か?」とツッコミを入れた。
奥さんが娘さんを取り返す為に、
主人公を逆に操って我が手中に…?
ハリボテセットを慣れたように歩く主人公、
モブとなる赤服達、
動きに無駄が無い。
13回目によるイレギュラーがあったにしろ、
過去12回の流れまで完全一致なのすげーわ。
そして逃げ出す主人公。
「あーあ、こいつが黒幕かよ最高か?」
とか思っていたら、
ドミノ崩しを始める主人公。
序盤の写真の伏線がここに出てくるとはねぇ…。
ドミノの構成も虚構の世界が崩壊するように、
一本道から曲がり角、環状線のような空間から建物。
小さな力が巨大化していくように、
娘さんの力も強大になったことによる伏線…なのか?
そして終盤。
遂に直接対決を図る主人公VS機関。
昔の思い出を懐かしむように、
娘さんに抱き寄る奥さんを洗脳するかのように、
めっちゃな眼力の娘さんによる「虚像の崩壊」。
「これは現実世界じゃない!」
うん、まじで現実じゃ無かったわ。
ここまで来ると奥さんがどうなるかの方に意識削がれたけど、
ここでも2度目のどんでん返し。
「主人公が一方的な悪」と思わせ、
幸せな生活を取り戻す為に奥さんを洗脳しているかと思いきや、
記憶の「復元」を試みていたとは…。
家族丸ごとドミノ計画にぶち込まれ、
ふたりとも機関の一味。
そして互いにリセットしたことにより記憶が無く、
主人公補正によってすべてを取り戻す。
何が言いたいか?
結局娘さんすげーんだなぁと。
しかもこれラストの展開からして、
エンドレスループじゃないですかやだぁ…。
でももしかしたら、
最後のシーンが本当かも?
実は主人公はあの銃撃戦で死亡、
あのおっさんだけ生き残りヘリで帰還するところ…とか。
もしくはそもそもこの舞台すら何かの実験で、
本当は何も解決していない…とか。
いくらでも考察は出来るが、やめておこう。
だって「この世界も『現実』とは」証明できないのだから。
我々も誰かの掌で踊らされているのかもしれない。
このレビューも陰謀だというのか…!?(それはない)