「ひと押しで世界は動き出す」ドミノ 23さんの映画レビュー(感想・評価)
ひと押しで世界は動き出す
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クリストファーノーラン作品を観たことがなければ楽しめたかもしれない。
物語としては脳のハッキングにより他人を自在に操る能力者と、それを追う刑事を主役に導入が始まり、行方不明の娘を探すというもの。
序盤から催眠術による幻覚がトリックの軸となっているが、多用するにつれて映像の価値が極めて薄まっている。
一方で台詞は90分という上映時間の制限なのか、ほとんどが説明的なものという二重苦。
しまいには取ってつけたという表現がこれ以上なく当て嵌まるラストには力が抜けた。
唯一、主人公の記憶を蘇らせるためのシナリオで、道中の描写がほとんどなく、重要なシーンが立て続けに起こる映画的な展開を、実は組織の敷地にある映画制作のセットで演じていたという箇所はアイロニックで嫌いではなかった。驚きの展開として意図されているのであれば後出しが過ぎるが、、
インセプションを観たことがある人なら誰もが想起するようなシーンを用いられていたこともあり、映像の中で理解や解釈を促す力の差を感じざるを得ない。
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