ほつれるのレビュー・感想・評価
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夫婦とは
まず、キャスティングが良いです。
日常的というか、周りにいそうな雰囲気を出せる役者さんを揃え、リアリティのある映像になっています。
門脇さんは、木村といるときと文則といるときとの表情、テンションが全く違うのがよく分かる演技で、実際好意のある人とない人では立ち振る舞いがこうなるよなぁと。
田中さんは、一見綿子に優しく穏やかにも見える。田中さん自身の喋り方に優しさがある分余計に。
文則は綿子に何か聞くとき、僕も悪いけどというニュアンスの言葉をよく入れる。でもそれって優しいんじゃなくてずるいと私は思う。その言葉を言われたらこっちが悪者になる気がして。
そして、最後の方にその言葉の本当の意味を知る。だから文則はこんなにも姿勢が低いのかと。
染谷さんは、いままでの役だと一般的な役って結構少ないイメージで意外なキャスティングだなと思いました。この役に染谷さんを選んだ人に拍手したいです。
大人の余裕と不倫ということを忘れる穏やかでほんわかした映像は彼らを正当化してしまいそうになる魅力がありました。綿子もこの安らげる空間を求めてしまったんだなと。
夫婦ってなんなんでしょうか。私はまだ結婚に直面する年齢には少し早く、経験をしたことがないのでなおさら考えさせられました。
エンドロールが音無しなのは初めてで何か監督の意図があったのでしょうか。無音なのもありさらに映画に浸ることができました。
題材は使えそうなんだけど、 出来上がったら残念な感じ もっとどうに...
題材は使えそうなんだけど、
出来上がったら残念な感じ
もっとどうにかできた気がする
最初は良かった
【"フリンフリン物語。そして、彼女は解れた。”夫婦関係って、難しいね。ヤッパリ相手に対して不満に思ってることや、嬉しく思った事は口に出さないと駄目だな、と思った可なり精神的に疲れた作品である。】
■物語の前半、綿子(門脇麦)は不倫相手の木村(染谷将太)と、電車の指定席で待ち合わせ、旅に出る。
綿子は笑顔で、木村の手の上に黙って手を重ねる。
だが、その旅の終わりに突然の別れが訪れる。
綿子と食事を一緒に取り”じゃ、又来週の木曜日に。”と別れた木村が交通事故に遭う。
綿子は遠方で交差点に横たわる木村の姿を呆然と見ながら、救急車を呼ぼうとするが電話を切り、交差点とは逆の方向に歩み去る。
◆感想
・綿子は木村の告別式にも出ない。木村の死を受け入れられず、涙も出ない。家には心が通じない家庭内離婚に近い状態の夫、文則(田村健太郎)が居るだけである。
空虚な生活。
・観ていると徐々に分かるのだが文則は綿子と不倫して、前妻と子と別れ、綿子と結婚したようだ。だが、文則は綿子と一緒になった後も、不倫をしていた。
ー 個人的に、文則の”上っ面だけ優し気な、喋り方”が気持ち悪い。そして、綿子との会話でも文則は、自分の言い分(今作で言えば、家を買うために内覧会に誘うシーン。)を優し気に綿子に押し付けつつ、都合の悪い部分は微妙に論点をずらすのである。ー
・綿子は女友だちのエリ(黒木華)と、山梨県にある木村の墓参りに行くのだが、その日は文則と約束していた内覧会を見に行く日であった。
ー ここで、文則から綿子に電話が入るのだが、文則はエリと木村の父親とも電話で話す。エリが”可なり強引なのよ。”と綿子に言う。
成程ね。文則は表面上優し気な男であるが、実は粘着質タイプで、自分は不倫をしていても、妻の不倫は許せない男なのが分かるのである。-
・綿子は、木村と旅行に行った際に右手の薬指にお互いに嵌めた指輪がない事に気付き、わざわざ山梨県まで探しに行く。
ー で、又、文則から電話である。
家に帰った綿子にネチネチネチネチネチネチと声を荒げずに”何で山梨県まで行ったの?”と言いながら”これ?”と言って綿子が探していた指輪を出すのである。
ホント、文則を演じた田村健太郎さんの演技を見ていると、怒鳴りつけたくなる。(という事は田村健太郎さんのネチネチ演技を褒めてます。)
と、思ったら綿子が堪忍袋の緒が切れたかのように”離婚したい!。ずっと気付かないフリをしていたんだよ!”と文則に言葉をぶつけるのである。
門脇麦さんのそれまでずっと我慢していた怒りと哀しみ炸裂シーンである。ー
・そして、翌日、綿子はスッキリとした表情で荷物をまとめ、部屋を出て行くのである。
<夫婦関係って、難しいね。
今作は、ヤッパリ相手に対して不満に思ってることや、嬉しく思った事は口に出さないと駄目だなと思った、観ていて可なり精神的に疲れた作品である。>
だめおとだめこのまったり不倫
自分勝手心ここに在らずな奥様と、なんか冷静風を装った感じが逆に怖い旦那。理詰めでくる典型的嫌な男子。ある意味キレないだけ我慢強い気もするけど、笑。っていうくらいむぎちゃん自由ー笑。何を伝えたかったのかはよくわからない、笑。
共感できないことは映画の評価と関係がないわけですが…
84分という短めの尺ですが、間接的な内容のセリフで二人の関係性や背景が見えてきたり、人物たちの動作やそのカメラワークだけで起こることが想像できて、所々上手な演出だなと感じる巧さがあります。特に秀逸なのが、序盤の山場である「木村(染谷)に起こるアレ」に対する綿子(門脇)の動揺は見ごたえがあり、掴みの良さに映画への期待が高まります。
兎に角、出演する役者が皆さんお上手。まずは、文則役の田村健太郎さんはとても印象深いです。彼の口から出てくる言葉や文法が独特で、女性に対してコントロールしようとする態度でどうかしているキャラクターが際立っています。また、木村の父・哲也役の古舘寛治さんが相変わらずとぼけた演技が素晴らしい。後の話につながりますが、結局はこの哲也こそがキーマン。やっぱり古舘さんの演技は信頼できる説得力があります。
ただ残念ながら、私にとってこの監督の書く脚本(前作『わたし達はおとな』を含む)にほぼ共感が出来ません。と言うか、恋愛弱者な私には全く見たことがない世界でむしろ違和感すら感じます。何なら逆に、役者が巧く演じれば演じるほど、むしろコントのようでちょっと可笑しくすら感じるくらい。或いは「狙い」でやってるのかもしれませんが、果たしてそれでバランス的に成立しているのかやや疑問です。登場人物たちのやり取りを見ていると、「一緒に生きていく(別れない)ことの意味や価値感」があまりにも希薄に見えるため、結局、登場人物たちに共感が持てません。
何より違和感なのは「息子の結婚式にも出なかった父親と息子の嫁の距離感」がよく解りません。息子と距離があった義父に対してプライバシー感強めな「アイテム」についての相談なんてするものなのか?まぁ藁をも掴む想いかもしれないけど。そして、それを意気に感じたのか「僕一人の胸にしまっておけない」と綿子に切り込む哲也。物語が推進するポイントだけに、その無理を感じる展開が反って気になってしまいます。
結局のところ、けして悪い出来ではないのですが、残念ながら多分そう長いこと記憶に残らない映画となりそうな気がします。せめて、もう少し深みが欲しいかな。。
最早寄生
不倫相手と旅行に出かけた帰り道に起きた出来事で、変化して行く汚嫁の機微と彼女と向き合おうとする夫の話。
すれ違い…というか汚嫁の心がここにあらず?な関係と思しき夫婦だけど、既にことが起きてからしか夫は出てこず、それまでの様子との変化はわからず。
そんな状況で再構築を図ろうとする夫と、心ここに有らずな汚嫁…少なくとも家がなんちゃらは今じゃないだろうね。
一応汚嫁の機微がメインだとはいえ、夫の詰めるような感じがこの出来事より前かどうかがわからないからなんとも言い難いな、なんて思っていたら、まさかの馴れ初め他をぶっこまれて、な〜んだそういう夫婦なのね、とどうでも良くなり、考えるのが面倒くさくなったw
あっ、そう言えば寄生獣って映画あったね。
心ここにあらず。
旦那はいるけど他に好きな男が出来てしまった女の話。
不倫旅行をきっかけに…日常、夫婦の関係性が崩れ狂ってくストーリー。
作品観ての感想は不倫最低!って感じ!
しかもW不倫(笑)
いけない恋だから燃える?!
バレたらどうしよう!だから燃える!?
不倫はやめましょう!(笑)
バレたら周りの家族(親、子)も不幸になります!
ただ思うのは不倫した側だけが悪い訳ではなく、結婚、夫婦は互いに思いやり。
一方的な関係性になってしまえば片方は嫌になるし冷めると思う。
あと私が綿子の立場だったら、あの旦那は絶対ムリ!(笑)
優しさが裏目に出てるあの回りくどい感じ、ネッチコイ喋り方、あんな感じの性格、これは嫌われますね!って思いながら鑑賞。
踏み出しきれない
122本目。
小田急ロマンスカーで、一瞬テンション上がり、どこか身近な風景が出てくると思ったけど、そこまで。
落ち着いた流れに、時に漂う緊張感。
でも、落ち着きに負け、少し寝落ち。
夜勤明けにはキツイけど、なあなあの関係に一緒にいるメリットってと思いはするけど、不倫不倫で始まった関係、現状を分かってるから、踏み出し切れないのかなと。
まあその辺が、リアルなのかなと思いはするけど、未だの自分には、ただただ面倒だよねと。
自業自得だが、綿子の悲しみと苦しみには同情する。門脇麦さん黒木華さん共演なので鑑賞。思ったより黒木華の場面が少なかった。内容も画面も曇天のようにどんよりで気が滅入るが面白かった。
綿子と木村(チャラ男?)が不倫しなければ、木村はあの場所で事故に遭うことがなかったし、綿子も木村を失う悲しみに暮れることはなかった。だから不倫したからそうなったという意味で自業自得なのだが、とにかく綿子は大切な人を失ってしまったのだ。その悲しみは不倫だろうが本妻だろうが片想いだろうが関係ない。また夫とうまく行ってない悩み、苦しみは別案件で、大切な人を亡くした悲しみとは別問題。
僕は、木村との想い出に涙ぐみ、失くした指輪を探すことに必死になってしまう綿子が可哀想でならなかった。まあ、不倫しなければ良かったんだけどね。
綿子と木村の妻が対面する場面は、ドキドキというよりワクワクした。まあ、見てるほうは外野の野次馬だから気楽なもんだ。綿子は会いたくないだろうが、僕がもし木村の妻ならゼッタイ夫の不倫相手の顔(ツラ)を見てやろうと思うだろう。相手が自分よりきれいだったり若かったら怒りも倍増、ムカつきいー。
あと、冷えきった夫とのことだが、ずっとサッサと分かれろよと思ってた。まったく見ててホントにイライラしたぜ。
だから終盤、綿子が離婚しようと言ったときは思わず親指立ててイイネ印してウシッ(ヨシ)と小声でつぶやいてしまったヨ。夫がそのあとスグに分かったと言って離婚に同意したときも、「ヨッシャー」と思って引き続きイイネとウッシ(小声)した (台風13号のせいか、初日金曜夕方なのに客が7~8人しかいなかったから、おそらく誰にも聞こえなかったと思う たぶん)。
夫が後でヤッパシ別れないとか言ったときには、チッとか舌打ちしちまったぜい、マッタク。
綿子は夫と別れたようだし、その点に関しては僕としては一応ハッピーエンド。
内容が、不倫、大事な人との別れ、冷えきった夫婦関係で、綿子夫婦の家の室内もモノトーンで、外の場面もどんよりしているから、見終わってスッキリ楽しい気分ということはないが面白かった。
薄い…
冒頭、主人公の女が不倫旅行後、あることがきっかけにうっすらとした日常が崩れていく。
全員が自分の事を棚にあげ、他人を攻撃しまくる…そんな映画でした。
シチュエーションは若くして金持ちのイシキタカイ系の人が中心で、私としては全く感情移入ができませんでした。こんなに何でも手に入る生活をしていたら、不倫ぐらいしかすることがないでしょうよ。
『たとえ金持ちであったとしても人の心は買えないのだ』などとはおっしゃれないでしょうが、『一概にそうでもないかもよ』と思います。
優しさを持った人が全く出てこない。唯一黒木華さんの安定した演技が救いでした。
監督さんは人に恨みでもあるのでしょうか。この映画に人はいません。
タイトル『ほつれる』よりも『ほぐれる』で良かったような気がしました。
(ほつれるだと意味的にだけではなく耽美にきこえる)
あと、スタッフロールにもちゃんと音楽を入れてくださいね。演出上入れなかったのかもしれませんが、映画の余韻に浸ることなく無音の館内にいるのは正直つらかった。(みんな帰っていくし)
不倫の方が燃え上がる
テーマは「不倫」。
題名の意味するところは、二組の夫婦の妻と夫の関係性だろうか?
田村健太郎が、一見、誠実そうだが、理屈っぽさが鼻について、生理的な嫌悪感を抱いてしまいそうな夫を好演している。
翻って、門脇麦演じる妻の方は、一体何を考え、何をしたいのかがよく分からなかった。
基本的に長回しの会話劇が続くのだが、特に不倫がバレた後の「妻と不倫相手の妻」の会話と、「妻と夫」の会話には、見ているこちらが息苦しくなるような緊張感が漂っていて、スタンダードサイズの画面の閉塞感も効果を上げている。
その一方で、そうした演劇的な見応えはあるものの、映画的な面白さがあまり感じられないのは、物足りないとしか言いようがない。
ラストは、「最初からそうしておけば良かったのに」と思えるような、あまりにも当たり前のところに落ち着いて、延々と何を見せられてきたんだろうという気分になる。
ただ、「不倫関係だった頃の方が、お互いに優しくて、うまくいっていた」といった台詞には、妙に生々しい説得力を感じてしまった。
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