あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。のレビュー・感想・評価
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とても美しい作品
原作の小説も読み、映画も2度鑑賞しました。
原作の方はもっと乙女向け恋愛小説感が強いのですが、映画のほうは原作よりもあの戦時中の独特な雰囲気の描き方が非常にリアルだと思いました。
でも、通りすがりの脇役の人の服装で、ジーパンや短パン、Tシャツを着て歩いている姿を見てすごく驚いたんだけど、気のせいかしら?
あの戦争末期の時代にあの服装?うーん…。
水上恒司さんが演じる彰くんすごくかっこいいし、福原遥さんが演じる百合ちゃんもとても可愛くて、配役が本当に素晴らしいと思った。彼らの演技力にも拍手です。
百合ちゃんも素直で思ったことを真っ直ぐに言えるのは良いけど、あの当時あんなこと言ったら普通はぶっ飛ばされるだけじゃ済まなかっただろうなぁと言う場面もちょくちょく。
でも今の時代だからこそ、ああいう描き方がしっくり来るのかもしれない。
百合ちゃんの現代的なその発言でみんながその意見に賛同して動くのではなく、あの戦前当時の「お国の為」「生き恥」という彼らの独特な言い回しや主張、行動が変わらないまま話が進んでいったのはリアルでとても良かったし、余計に茶番ぽさがなかったのかなぁ、と思う。
小説含めこの映画は、戦時中や戦前を舞台にした女性向け恋愛小説が大好きな私にとって、全体的にとても良い内容でした。
あと、映画の脚本にはキスシーン(もちろんラブシーンも)ないので余計に美しく切なく見えたのかも。
先ほどAmazonで映画のチラシ付きパンフレットも購入しちゃったので、今後しばらくずっと余韻に浸っていると思います。
なんか女性のお花畑感がある
日本人なら知っておくべき戦争の記憶
戦争の悲惨さ
あの花が咲く丘で君とまた出会えたら
予告を観たときには所謂女子中高生向けのスイーツ映画かと思っていた。...
色々な世代、特に主人公と同世代に観てほしいです
ゴジラ-1.0のレビューでも書きましたがもう何年も前に他界した昭和一桁の母から生々しい戦争体験の話をよく聞かされました。
当時の日本人たちは報道のせいもあり「お国のため」「戦地の兵隊さんのため」と刷り込まれ日本が負けるなんて微塵も思わなかったらしいです。
母は竹槍はやらなかったらしいですが軍需工場では学業そっちのけで紙をペタペタ貼り合わせて『風船爆弾』なるものを作らされていたそうで「今思えばあんな紙風船でアメリカに勝てるわけないよね。当時は思いもしなかったけど」としみじみ語ってました。
家庭内ではわからないけど赤紙(招集令状)が来ると世間的にはおめでとうって言わざるを得なかったのは本当らしいです。日本にそんな時代があったこと、まるで信じられませんが。
タイムリープものの定番展開ではありますが百合ちゃん(福原遥さん)の順応性の高さと彼女の今時のセーラー服にも驚かない戦時中の皆さんにも驚きです。
岡田健史改め水上恒司さん、『中学聖日記』のあの少年が凛々しくなられてお父さんは嬉しいです。伊藤健太郎さんも色々ありましたが今回も大事な役どころを見事に演じられてました。やはりいい役者さんですよね。
半日で急に物分かりのよい娘になって僕なら嬉しい反面、何かねだられるんじゃないかと警戒してしまうところ、百合のお母さん(中嶋朋子さん)は偉いなぁって思いました。(北の国、蛍ちゃんもなんと50代らしいですよ。)
いつもガラ空き名古屋の朝一上映回にもかかわらず女子中高生で半分くらいの席が埋まっている状態。予告編の時はしゃべり声がうるさかったのに映画が始まるとシーンとした中、鼻をすする音が結構あちらこちらから聞こえてきてました。
主人公の百合と同様、戦争のことはピンとこない世代もこうした作品に触れて、また今の世界の情勢と照らし合わせ、友達間でも色々と意見を交わして欲しいものです。ティーン向けのラブストーリーかと思いきや、なかなか考えさせられるよい映画でした。
シンプルだが泣ける
期待しすぎ?
泣かせるための展開
涙が止めどなく溢れた
うーん
タイムスリップ「前」と「後」での劇的な変化。
特攻隊員との悲しい恋物語は普通にありそうである。この映画は、現代の少女が戦時中にタイムスリップして特攻隊員と恋に落ちる物語である。現代の若者が直接戦争体験をしたらどうなるのかが描かれていて、今までにない新鮮さを感じた。なるほど現代から見たら、戦争は不条理の塊である。戦争のためにはすべてを犠牲にしなければならないという風潮に誰も逆らえない。罪もない人々が命をなくし家をなくし、日常生活が破壊される。若者は、お国の為という名目で自ら命を捨てる。そんな過酷な現実を、主人公の百合がどう受け止めるのかがこの作品のテーマでもある。
百合と彰の純愛物語であるが、美しい物語を成立させるためには彰の気持ちに嘘がないことが大きなポイントになる。現代から見れば、「特攻」は嘘の塊である。人間を意志を持った爆弾位にしか考えず、若者の純粋に国や家族を思う気持ちを利用して、無謀な作戦を続けた。しかし、彰の国や家族を思う気持ちには嘘がなかった。命を犠牲にしても、自分が守らなければならないという強い決意に揺らぎはない。百合も戦争の理不尽さが分かっていてもそんな彰の真っすぐな気持ちに惹かれるのだろう。彰の出撃を見送る百合の気持ちはいかばかりかと想像するだけで心が痛む。
百合が現代に運よく戻ってきてからが物語のクライマックスである。百合は戦時中にタイムスリップする前と後で大きく気持ちに変化が起きていることを知る。そして夢ではなかったかと思っていた彰との出来事が思いがけず事実であったことを知った時の衝撃もよく伝わってきた。
不平不満だらけだった少女が、不思議な体験を通して生まれ変わる様子を、福原遥が素直に演じていた。爽やかな印象が残る映画でした。
精神論が暴走することの恐ろしさ
「映像の世紀」などのドキュメンタリーなどを見ているせいか、鑑賞中にいろいろと考え込んだこともあり、思わず泣いてしまいました。
タイムスリップものでそもそもが非現実的と言えば身も蓋もありません。また、女子高生である主人公が浮いた格好をしていればスパイ容疑をかけられ、しかも現在の価値観で自己主張すれば、周囲からは非国民扱いされ、たちまち逮捕投獄されることは必至です。
その辺はかつてNHKで放送されていた「タイムスクープハンター」みたいな、「当時の人々に馴染む」ご都合設定があると思い、目をつぶることにします。
この映画は、特に主人公と同年代の人に対して、教科書や手記などからは得られないもの、「もし自分が思わず戦争時代の日本に行ってしまったら」ということを疑似体験させる効果はあったと思いました。
敵側の防衛網を破壊して補給を絶つことをせずに「恒常的に特攻する」という戦い方は戦略理論的に破綻しており、精神論頼みの最悪手です。
しかしながら、どうしてこのような事態に陥ってしまったか?それは主人公が孤児の少年に「もうすぐ戦争は終わる。日本は負ける」と話していた時に巡査に「何を言うか!非国民め!」と激しく折檻されるシーンに集約されているかもしれません。
その後で特攻隊員の兵士が主人公に「巡査は悪くない。悪いのはあのようにしてしまった世の中だ」と語りかけますが、まさに治安維持法などにより言論や表現の自由が奪われ、論理的、合理的、戦略的な思考が否定されて精神論と同調圧力が支配してしまった結果とも言えます。
ただ、そのような悲惨な世界でも敵からの攻撃を受けている状況では、反撃しないわけにはいきません。文字通り「一矢報いる」しかなく、実効性はほとんどないにも関わらず、それでも「祖国や人々を守らなければならない。負けたら国土も人々も蹂躙される地獄が待っているのだから」と吹っ切れた覚悟で飛び立ったのでしょう。
実際、主に戦っていた相手がスターリン体制下のソ連だったら、「負けたら国土も人々も蹂躙される地獄が待っていた」わけであり、想像するだに恐ろしいです。
敗戦間もなくして東西冷戦が始まったことで日本が米国にとって重要なパートナーになったから、結果として日本は大して蹂躙されず、むしろ大いに発展できたに過ぎないと言えます。要は現代の日本は単なる幸運の結果だったに過ぎないのです。
特攻隊員との悲恋を描いた若い女性向けのいわゆるスィーツ作品です
涙を誘う戦争映画
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