劇場公開日 2023年12月8日

「アイディアは好感を持てるが映画化で消えたものがある」あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。 星組さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0アイディアは好感を持てるが映画化で消えたものがある

2024年8月15日
スマートフォンから投稿

今まで多くの戦争映画が作られてきた。特に日本の戦争映画には英雄は不在だ。「お国のために……」の裏には悲壮感がある。原作者の思いを知り、その上で鑑賞した。泣いた。

ただ全体的に少女漫画の風味を感じた。
同時に風景や心情のトーンに極端な変化は感じられず、時の落差も無かった。極端な言い方をすれば、衣装を変えただけの現在の人が、映画用の照明の下で演じていた世界を見ていた、という印象だ。願わくば、彼女と一緒にその時代に連れて行って欲しかった、と強く思う。

それでも泣いた。

彼らは英雄ではない
彼らにも未来は有った
今生きている人々の幸せは
その消えた未来の上にある。

生きていた証を知ってもらうこと
その時、原作者の意図は報われる。

星組