「想像してたより良い」あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。 藤崎修次さんの映画レビュー(感想・評価)
想像してたより良い
タイムスリップした女子高生と特攻隊員とのラブストーリーだなんて、ファンタジー感満載の青臭いものを想像していた。
実際、序盤はそういう流れなのだが、物語が進行するにつれて、深みを増していき、どんどん引き込まれていった。
主演二人の恋物語に終始せず、特攻隊員ひとりひとりのバックグラウンドにも焦点を当てていたのも良かった。
脚の不自由な許嫁(いいなずけ)のために隊からの離脱を図る板倉(嶋崎斗亜)、敵前逃亡をした父の汚名を雪ぐために志願してきた加藤(小野塚勇人)など人間臭いエピソードをサイドストーリーとして添えることで、物語が浮つかずに、地に足の付いたものになることに一役買っている。
鶴屋食堂の女主人ツル役の松坂慶子の包み込むような優しさもいい雰囲気だった。
ツルが何度か口にする「(特攻隊員たちは)神様になる人達だから」というのも胸に刺さる台詞だった。
細かい部分で言うと、三者面談の場面で担任役の坪倉由幸の薄くなった頭髪の禿げた部分を外したカメラワークもナイスプレー。
そして、何と言っても主人公二人が百合の花の咲き誇る丘で見つめ合う場面は最高に美しかった。
福原遥ももう、まいんちゃんのイメージからは完全に脱却できたかな。
いずれにしろ、政治的メッセージなども込められているわけでもないので、老若男女誰でも見やすいロマンチックストーリー。
みかずきです
共感ありがとうございます
ラブストーリーが主軸ではありましたが、特攻隊員達の心情にフォーカスして、彼らの想いを丁寧に描いていましたので、彼らに感情移入することができました。戦争の理不尽と不条理に翻弄される彼ら苦悩がせつなかったです。
レビューにも書きましたが、日本が平和であり続けるためには、本作のような作品を意識的に観続けて、あの戦争を忘れないことが大切だと思います。
多くの方、特に若い方に観て欲しい作品です。
ー以上ー