「山奥の人たち、実在したのか…」PLASTIC uzさんの映画レビュー(感想・評価)
山奥の人たち、実在したのか…
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序盤はなかなか良かったのだが、中盤からどんどん空中分解していった。
締め方は悪くないのに、そこへ向かう導線ができていない。
お互い近くにいることも知らないし、そもそも電話すれば繋がる程度の微妙な距離感でもある。
『君の名は。』は、お互いがお互いを探して駆けずり回ったから、その先がイメージ出来るのだ。
あそこで再会しても、その先のストーリーが浮かばない。
「奇跡的に会えたら運命」とでも言うのだろうか。
また、色んな要素が活かされないまま散らかっていた。
例えばジュンの母と校長が既知だったのも、その後の車中での会話を引き出すためだけで、有機的に繋がってこない。
ベンチャービジネスの件も然り。
ジュンがエクスネを「レコード屋のPOPで知った」なら、祖父や母親が語る冒頭のシーンの必要性は?
イブキとDJの関係や、おかっぱの告白に対するジュンの返事なども、描かれなさすぎてモヤモヤ。
付き合ったり別れたりの決定的瞬間は徹底して端折られてるから、意図的だとは思うけど。
無免許運転や街じゅうへの落書きなども、観ていて気分はよくない。
ただ、2018→2019の切り替えは瞬間的にうまくいってない雰囲気が伝わってきて良かった。
開きっぱなしだったハズのイブキのレコードプレイヤーが閉じていたのも上手い。
光るものは感じられるだけに、脚本がもう少しまとまっていればと思う。
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