ワム!のレビュー・感想・評価
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ペラいイメージはイメージじゃなかった!
いま思えば活動時期が驚くほど短かったワム!の軌跡を、当人たちの証言から描いていくドキュメンタリー。ギリ、リアルタイムくらいの世代としては、やたらと陽気なポップスターがメロウな歌謡曲っぽくなって、ソロデビューしたジョージ・マイケルがいきなりアーティスト感強めてきた、みたいに思っていたのだが、まあ表層的な見方でしかなかったことを思い知る。
かといって彼らにすごく深みがあったかというとそうではなく、あくまでも表面的に明るくノリよく、途中からはオシャレに売っていこうという意欲が当人たちにものすごくあって、薄っぺらいイメージは彼ら自身が突き詰めた結果だったことに驚く。自覚的に、自発的にペラく、たまたま社会派の若者と勘違いされてしまって、批評家から失望され酷評されたというエピソードはつい笑ってしまった。
ワム!時代に焦点を絞っているので、ジョージ・マイケルの性自認の葛藤の物語は途中で放り出されるが、その分、アンドリューとの友情と別れの物語がギュッと描かれていて、ワム!のドキュメンタリーとしては正解なのだろう。
しかし華やかで騒々しい80年代は、ワム!を代表とするミュージシャンが牽引したのだなあと、懐かしさに目を細めてしまった。当時夢中ではなかったが、自分たちの血肉になっていることを認識させていただきました。
知らなかったなあ、見て良かったなあ。
夢は目が覚めれば終わるから、その前に…Go-Go!! 運命に導かれたアーティスト
駆け抜けた青春の日々、2人だったから見られた景色!! 最初はアンドリューのマネをしていたジョージ"ヨグ"、アンドリューこそがワム!だった。
当時の若者たちの代弁者みたいに社会の対立構造を煽る存在としてマスコミにプロテストソングを歌うことを期待されながもクラブ・トロピカーナで叩かれ、そこから半パン姿でティーンアイドルに。ゲイということは世間には黙って、スクラップブックと共に語られる1983年からの躍進劇!どちらも本人たちにとっては予期せぬ展開に戸惑う…。そしてマスコミはまたも手厳しく書く、"ファッションと才能が不釣り合い"?
まだ20才。急激に伸びていく彼のソングライティングの能力、そして幼馴染みのヨグがポップスターの"ジョージ・マイケル"に変身していくのをそばで目の当たりにする。すべてを察するアンドリュー。子供の頃からの憧れだったエルトン・ジョンに褒められ、彼らと共演することもできる。自らの性的指向にも葛藤しながらも"らしく"垢抜けていくエゴとの板挟み。全米ツアーで米国も席巻、たった4年で世界制覇!
ジョージ・マイケルはソロになってから1億2千万枚ものセールス!ワウ!!
アンドリューは必要だったんだ
初めての洋楽。
当時、周囲では仲間の多くはビートルズだった。古臭く、そして何よりも流行ってるモノに異と言いたくなる天邪鬼体質だったこともあり、自分にとって解散して間も無くのワムが最初にハマった洋楽だった。とにかくキラキラしててポッピンなサウンドに内気な自分が変われる気がした。ときおり情緒豊かに歌いあげるジョージの歌声に涙をこぼすほど。その代表曲ケアレス・ウィスパーに没ver.があっのには驚いた。しかも、マッスルショールズで録音したジェリー・ウェクスラープロデュースver.とは!サイコーの青春体験。
ベストヒットUSA(2023.07.14)では、ワム特集でアンドリューが出演。感涙の永久保存版。
POPスターの苦悩とじゃない方の支えの絶妙なバランスを見届けられた秀逸なドキュメンタリー
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