裸足になってのレビュー・感想・評価
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「逃げる」≠「解決」 強い女性たち
生まれ育った環境が異なるから、お国柄の違いを感じる部分もかなりあって(何故あの男はあそこまで主人公フーリア(あるいはフーリアのお金)に執着するのかであるとか、あの男は元テロ犯とは言いながら、それは被害を受けた国からの見方であって、アルジェリア国内の同じ思想を持った者たちからすれば英雄なのかもしれず、だから警察も積極的に動こうとはしないのだろうか?でるとか)、モヤモヤしてしまう部分が多いことは否めない。
しかも全てのストーリーが完結しないまま作品は終了してしまっているようで、その後の展開は観る者たちそれぞれの感情に任されている感じがして、完結しないまま無言でスクリーンを後にしてしまった。
とは言え、声を失った主人公が立ち上がり前へ進み、母親も含めた周囲の人たちの協力を得ながら成長して行く、自分を苦しめた相手にも真っ向立ち向かう姿勢を示す、そんな目力に圧倒されました。
現状に悲観しない、自分にやれるべきことは沢山あるのだよと、背中を押されるようなそんな作品でした。
主人公の女の子が、いいね!
アルジェリアはじめて様子わかりました。
自然環境は、とってもいいのに。。。。
内戦が続き国として難しくなってしまってるのが残念。
亡命って大変な事なんですね。
BGMが良かった☆彡ダンスもね。
手のひらに太陽を
前半ウトウトしたのでそのせいかもしれないが、情報や過程が省かれすぎに思えた。
例えば、主人公のケガの度合いやバレエへの影響に対する言及がない。
その為、日常生活どころかダンスも出来るのに再びバレエをする意思さえ見せないことに違和感があった。
また、聾者たち各々が抱えるものも描かれず、フーリアが手話を憶えたり親交を深める過程もない。
序盤のカメラワークにもかなり不親切さを感じた。
口元が映らない状態での会話が多く、誰が誰に喋っているのかが非情に分かりづらいのだ。
声どころか、まだ顔も名前も憶えていないのに。
人物の区別がつきづらかったり、アルジェリアの内情に疎いのはこちらの問題。
しかし、上記のような設計によりかなり没入しづらかった。
中盤以降は、主人公が言葉を失うこともあり台詞に頼らない画面づくりの力は感じる。
2回ほどあったMVのようなシーンも雰囲気はいいが、それよりもっと描いてほしいことがあるのよ…
バレエへの喪失の深さは冒頭の練習風景から感じたが、フーリアに執着はあまり見えず。
逆に、ソニアの死に対しては自分側の感傷が薄かった。
良き友だったのだろうが、仕事もせず自分の話ばかりするソニアを好きになれなかったせいかな。
最初は何かと闘うように踊っていた主人公が、最後は何かを訴えるように踊っていた。
このコントラストだけでも見事だとは思う。
その分、間に挟まるものが整理さてれいたら、と思わずにいられない。
すべて道半ば
ラストは拍子抜け感あり。
なにも解決していない。
でも、この映画のラストはこれしかない!
観てる方(我々)のカタルシスなんかどうでもいい。
フーリアたちの覚悟が伝わってくるいいラストだった。
屋上で踊ってるシーンが何回かあるんだけど、毎回心模様が異なっているのがわかる。この女優さんの力量が伝わります。
ラストのダンスシーンは良かったけど・・・
アルジェリアの内情を知ってから観たほうが良かったかな。
平和ボケの自分にはなかなかに痛々しく信じ難い展開が続き、観ているのがつらくなった。
冒頭のバレエダンスのシーンからして痛々しい。
まあこれが邦題である『裸足になって』に繋がる訳だが。
観客を泣かせるための演出は控えめなので、予告を観て勝手に泣きの感動作を期待すると肩透かしを食らいます。
アルジェリアの現実
冒頭から、アルジェリアの女性たちが直面する困難を実感させられる。
もともと男性至上的な家父長制がさらにイスラム的な戒律によって強化されてゆくような状況らしいアルジェリア社会において、今もなお過去の内戦が影を落としている。
そうした社会の被害者としての主人公と仲間の聾女性たち。彼女らが救いとして見出した踊りもまた権力によって奪われてゆくとは…
踊ることにかすかな喜びを見出すピクニックのシーンはあたたかく美しいが、ラストのあのささやかな、内々で披露された踊りを「希望」と思わなくてはならないのかと、そこに絶望してしまいそうになる。
が、それが現地の現実なんだろうな…
同監督の前作も、あまりにもなアルジェリアの現実を突きつけて、ほんの少しの希望を匂わせる程度だったので、現地のリアリティってものを見せつけられたんだったなと思い出した…
ダンス=意思表明
『パピチャ 未来へのランウェイ』の座組を引き継ぎ、製作総指揮としてトロイ・コッツァーが加わった本作品、楽しみにしていましたが、期待を裏切らないアップデートだと思います。
最近(と言うか、私がようやく気付いただけかもしれませんが)、割と多く見られる「説明シーンを端折って、むしろ速いテンポでシーンを切り替えていく」ような作品性ですが、特に前半の「事が起こるまで」は観ていて状況をつかみにくいと思います。そして、いかがわしい雰囲気たっぷりの中で見せられる「闘ヤギ」では、解りやすく趣味の悪いリングネームが山羊たちの側面にスプレーで「直書きゼッケン」されていて、まさに品のない「男性性」が丸出しです。
ですが、そこからモードが変わり「事が起きた後」は対照的。ムニア・メドゥール監督の真骨頂でもある感じがしますが、光、特に自然光の使い方が素晴らしく、そこに映し出される女性たちが皆さん神々しく美しい。更には、風、波、木々などの自然のさざめきと、彼女たちの呼吸(息遣い)が相まって強い生命力を想わせます。
それでも暴力や権力に物を言わせる相手にくじけそうになり、さらに追い打ちをかける残酷な出来事、もう立ち上がれなりそうな状況に抗うフーリア(自由の意)と、彼女と強い絆で結ばれる女性たちのパフォーマンスである「言葉以上の表現手段である手話」を取り入れた「ダンス=意思表明」が強烈で、トロイ・コッツァーの本気を感じます。
「希望のために踊る、人生のために踊る、けして立ち止まらない」という歌詞と、惹き込まれるリナ・クードリのダンスパフォーマンスは一見の価値ありですが、公開週のサービスデイ夜の回のシネスイッチ銀座はあまりに寂しい客入り。こういう映画に「負けない心」を思い出させてくれるって悪くないと思いますよ。
夢が砕けても、違う形でも輝く
イスラムの内戦がまだ残る時代。。。女性は差別されているみたい。。。でも、バレリーナの夢を追いかけてるのに。。。あんな形で無惨な身体に。。。悲しいです。しかも、貧困が絶えない、背景が治安が悪い世の中に置かれてるからかな。。。
話はちょっと、ドキュメンタリータッチな所があるので、幾度か眠くなっちゃいました。。。笑。
でも、主人公が、最後の方に、ろうあ者の女性達にダンスを教えてる姿(バレリーナの形のダンスでは無く。。。)は、生き生きとしてて。。。明るい未来が垣間見えて良かったです。女性達が、かっこよく、生き生きと踊ってる姿が感動、圧巻です。
追伸。。。親友をあんな形で亡くすなんて、悲しい、今の時代なら彼女達は、もっとオープンに容易に彼女達の夢を見れたのに。。。と思うと胸がせつない。。。
ダンスシーンが素晴らしい
恥ずかしながら、アルジェリアという国に対して無知すぎて申し訳なかった…。アフリカ、宗教というワードで想像していたものとはかなり異なる世界だった。
あんなにテロリストを野放しにしておいていいものなのだろうか。
ダンスシーンがとにかく素晴らしい。
ダンスを教えるシーンは、喜びが連鎖して伝わる想いを感じ取れる。
力強く、そして美しい。
あまりエンディングでダラダラと間延びした語りなどを入れず、スッと綺麗に終わるのがとても良かった。
ちょっと中途半端感はあったけど。
彼女の強く鋭い眼差しが、焼き付いて離れない。
私たちの日常とそう変わらない、等身大の女性たちの生活。でも、日常の中にテロリストなどのイスラム圏の問題が根付いていることにハッとさせられた。
テロリストの捕虜にされていた(つまりレイプされていたということ)自閉症の姉妹、息子をテロリストに殺されたろう者の母等々…。
そして、自由を胸に他国へ羽ばたこうとした親友は、自由をその目で見ることなく、散ってしまった。
映画の中では、そんな暗い部分だけではなく、女性たちが楽しく暖かく触れ合い過ごす時間も描いている。いろんな女性がいるので皆で会話をしててもどこかチグハグだけど、本当に素敵なやり取りたち。とても愛おしい時間だった。
普段あまり見られない、アルジェリアでの生活が垣間見れたのもおもしろかった。
アルジェリアの料理だったり、闘羊の様子だったり、新たな知見を得られてよかった。
映画は亡き親友へ捧げるダンスで幕を下ろす。
彼女の強く鋭い眼差しが、脳裏に焼き付いて離れない。
*
パンフレットに、現代アルジェリアの社会・料理・音楽・ダンス等々について分かりやすく解説しているので、そちらも必見!
コラムページも読みがいのあるものだった。
私はアルジェリア情勢に詳しくないので、劇中で度々でてくる「恩赦」がなにを指しているのかいまいち分かっていなかったけど、
以下パンフレットより引用
”「暗黒の十年」と呼ばれる90年代は、一般市民を巻き込む形でイスラーム過激派と政府軍の間で戦闘が行われ、国中でテロが横行して20万人が犠牲となった。”
”この戦争状態を収めるため、1999年の「市民協約」以来、ブーテフリカ大統領が進めた施策が、作中でも言及されているテロリストへの「恩赦」であり、治安回復と引き換えに膨大なテロ事件の責任は曖味にされ、20年が経っても依然として癒えない傷、悲しみと恐怖が人々の心に隠されている。”
と、のこと。
誰かの参考になれば嬉しい。
ダンスが好き。
ある男とのトラブルで足を骨折し声まで出せなくなった女性バレエダンサーの話。
怪我した事で病院からリハビリ施設へ、そのリハビリ施設で色々な原因で傷を負った女性達と出会い、バレエとは違ったジャンルのダンスで自分を取り戻してく女性ダンサー、フーリアのストーリー。
今まで出来た事が不慮の事故で急に出来なくなるって作品に限らずリアルでもありがちだけど悲しいですよね。
そういったフーリアの心情が描写されてたって感じ。亡くなってしまったけどいつも一緒にいた友人の明るい彼女、フーリアへの明るい立ち振舞いも素敵だった。
いつまでも金を返せと言ってたトラブルの男アリ、何か筋違いもいいところで何か鬱陶しかった。あとやる気あるんだか無いんだかわからない警察も!
ちょっと仕事で疲れ過ぎてて感情移入が出来なかったんだけど普通の時に観てたら泣けたのかな?
考えるな!感じろ!的な作品。 本年度ベスト級。
鑑賞前に飲酒した事もあってなのか途中で何度か寝落ちする失態(笑)
キャラクターの人物像も見えない感じに加え、思ってたストーリーと違った感じだけど映像と音楽は素晴らしかった!
バレリーナを目指すフーリアが、ある事件で怪我をして喋る事も出来なくなる展開。
絶望の中から生きる望みを見つけて行くストーリー。
フーリアの生活環境が良く解らなかったけど異国に亡命する人もいる程の環境の中、自分の居場所を見つけて行く感じ。
ダンスのシーンが見所なんだけど、笑顔の無いフーリアが本作の象徴だった感じに考えさせられる。
鑑賞前の飲酒は後悔しかありませんね( ´∀`)
3.2予告で期待値あげてしまった😅
アルジェリアが今もなお作品にあった様な内情があるんですよねきっと。
フィクションだけど、テロリストの恩賜はあるんだろうなぁとか、日本の平和ボケ感が否めない。。。前向きな内容で良かったが勝手に泣きを期待してしまった。。。
喪失と再生の物語ではあるけれど……
アルジェリアで、バレエダンサーを目指し日々レッスンに励むフーリアを襲った悲劇。階段から突き落とされた彼女は、左足を骨折し失語症となってしまう。踊ることも話すこともできなくなった彼女は絶望するが、リハビリで出会ったろう者の女性たちに少しずつ心を開いていく……。
『コーダ あいのうた』でアカデミー助演男優賞に輝いたトロイ・コッツァーが製作総指揮を務めただけあって、手話による展開に無理がない。そして手話をダンスで表現したクライマックスの群舞は圧巻だった。
……にしても、テロリストが恩赦で出獄したり、被害届が機能しない国ってのは怖いな。でもこれが世界の現実なんだろうな。
必要とされる喜び
バレエダンサーを夢見る女性の挫折と再生の話。
闘羊で儲けたことで逆恨みをされて階段から転落し、足を骨折すると共に心的外傷で言葉を失った主人公が、様々な過去を抱える人達とリハビリ施設で出会い変わっていくストーリー。
基本それだけの話しだけど人との交流で掬われて行く話しはやっぱり温かいし面白い。
ただ、結局アリの件もはっきりしないし、ラストは終盤急に降って湧いた話しに対してのものだしで、何だかイマイチすっきりしなかった。
素人っぽい俳優、退屈、映画らしくない…
素人っぽい俳優ばかりで華がなく、けっこう退屈、眠くなってウトウト💤
惹きつけられなかった…(笑)
ごめんなさい(笑)
もっと感動するかと思ったら、ほとんど感動できず…
あんま良くなかった…(笑)
映画的でなく映画らしくない。
アルジェリアが舞台で、アルジェリアとフランスの合作です。
PS.アルジェリアの場所を調べてみたら、アフリカ大陸の1番上でした。
命と引き換えにしなければ得られない希望
映画に出てくる女性たちは皆、顔まで覆うブルカや髪だけ隠すヒジャブ(スカーフ)をしていなかったので、アルジェリアでは、宗教的な戒律が少なくとも女性の服装にまで厳しくは及んでいないようです。
だからというわけではありませんが、イスラム圏だから、というよりは北アフリカにある発展途上国のひとつの現実(危険を承知でも祖国を捨てることが希望となる人がいる)として捉えたほうがテーマが普遍性を持つと思います。
旧宗主国の言語であるフランス語が実質的に公用語のように使われているし、サッカーのジダンもアルジェリアからの移民。
北アフリカは、古くは古代ローマ、近世でもトルコやアラブの支配や影響を受けているし、我々にはなかなか文化的な背景や歴史的な理解が難しい。
でも、リハビリに関連する施設や職員の雰囲気は他のフランス語圏の映画と雰囲気が似ているように感じました。
たとえば、『最強のふたり』『スペシャルズ』など。
本作はコメディ要素抜きでシリアスな現実を浮き彫りにしていくので、被害者に寄り添わない警察も描かれますが、怒りの感情よりも、途上国の制度的限界、という理解のほうが先に刷り込まれ、重くて辛くなります。
言葉では伝えきれないけれど、どうしても伝えたい大切なこと。
フーリアにとって、その手段はダンスであったし、そういう強い思いは、周囲の人たちにも少なからず好影響をもたらす。
ジンワリと沁みてくる作品です。
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