「支離滅裂で意味不明」湖の女たち tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
支離滅裂で意味不明
刑事と捜索対象の女性との禁断の愛、警察による違法な取り調べと自白の強要、薬害事件の隠蔽と731部隊との繫がり、老人を害悪と見なす中学生達と、様々なエピソードが詰め込まれてはいるものの、どれもが中途半端で消化不良な上に、それぞれが有機的に絡み合っているとも思われず、何の話で、何を描きたいのかがさっぱり分からない。
ストーカーまがいの男と、欲求不満の女が惹かれ合っていく過程には説得力の欠片もないし、彼らの性愛も、変態プレーに溺れているようにしか思えない。
パワハラ気質に支配され、積極的に冤罪を作り出そうとしているかのような警察の無能さは目に余るし、殺人事件の被害者が、過去に立件できなかった薬害事件の関係者であるにも関わらず、そちらの線での捜査を行なおうともしないお粗末さには呆れてしまった。
いったい、いつになったら殺人事件が解決するのだろうかと思って観ていると、何の進展もないままダラダラとした話が延々と続くばかりで、そのテンポの悪さと冗長さにうんざりしてしまう。「社会派」とか「反戦」とかの味付けがしたかっただけとしか思えない薬害事件と731部隊のエピソードは、そっくりそのまま削除しても良かったのではないだろうか?
登場人物達の言動も支離滅裂で、誰にも共感を覚えることが難しく、せっかくこれだけの役者を揃えておきながら、その無駄遣いにしか思えないのは、本当に残念としか言いようがない。
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