「小堀さんの好演が光る」26時13分 尾内幸司さんの映画レビュー(感想・評価)
小堀さんの好演が光る
U-NEXTで観ました。
映画と言うより円盤化された小劇場演劇を観ている感覚でした。。
『12人の優しい日本人』みたいに話し合いで決めるのかと思っていたから意外でしたが、死にたいと思っていた岡田結実さんが生きたいと思うまでの物語だからこれで良いのでしょう。
口を開けば「お役所仕事」だと悪態をつくのでうんざりすると同時に「お前ら全員カスハラだろ!」とも思いましたが、このクレーマー集団に既視感があるなと思い起こしてみて少し前に話題になったドラマ『ペンディングトレイン』に似ていると気づきました。
「こいつ必要?」と言いたくなるレベルの物語とは無関係な殺人犯が登場しているところも同じですしね。『ペンディングトレイン』のバス版だと思う事にします。
まあ、必要不要の話になると仕事の出来ないОL集団は物語上どう考えても不要だと思いますがね。
親との溝が生まれた原因は、私は観ていないのですが『千と千尋の神隠し』に似たような設定があるみたいですのでそれのオマージュでしょうか。
事故は『飛騨川バス転落事故』みたいな災害の方がよかったのでは?とも思いましたが、生きたいと思っていた人が死んで、死にたいと思っていた人が生き残る不条理を表せているし、重い十字架を背負って生きる岡田結実さんに繋がるのであれが正解なのかも知れません。
案内人は全員の事故の記憶を消したと言っていましたが、2丁拳銃の小堀さんだけはその時の記憶が残っていて、誰の何が原因で事故が起きたかわかった上でかつての教え子をかばっているのでは?という気がしました。そうであって欲しいという願望込みです。
いくつか減点要素もあるのですが、話が上手くまとまっていて私の好きな深読みポイントもところどころに散りばめられており、2丁拳銃の小堀さんの渋い演技が光っていたのでそれらの分を加点し星5つです。
