「ライセンス取るぐらいで終わりじゃなかった!!」グランツーリスモ リボンさんの映画レビュー(感想・評価)
ライセンス取るぐらいで終わりじゃなかった!!
なかなか見ごたえありました!!
まずシュミレーターを作った人が日本人のゲームクリエイターとは知らず、それも驚きでしたが
とことん本物のレーシングカーや実際のサーキットコースなどの再現にこだわっていて、そもそもお遊び程度じゃない本気のゲーム作りが凄いな。と思い。
ただ、主人公の彼がライセンス取れてわー良かったね~凄いね~~ぐらいでは終わりじゃなかった!
現場では当初「なんだよゲーマーあがりかよ」みたいにメカニックとかの人からはやっぱり軽んじられてしまうし、
チャレンジだけでも生死のリスクがあるのに家族もお母さんや彼女以外は最初は前向きに送り出してくれないし。まぁお父さんの気持ちも分かる。そんな、万一事故になれば生死に関わるほどの世界にゲームしてただけで通用するとは考えられない。まぁ、世代的に全く未経験の分野だからお父さん世代はなかなか想像出来ないよね。。ここはわかり会えない父と息子がもどかしいんですが。。
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コーチも、このプロジェクト自体そもそも無理だろうって思ってたし、ただ正直に現実の厳しさを最初から通告してたのも良かったと思います。
「お前達が出来ないことを証明する」なんて宣言するコーチは普通いない。でもそこにしがみついて食らいつくことが出来た者達だけがリアルレーサーになってゆく(素晴らしい!)。
ただプロジェクト言い出しっぺの方が「映像判定ならカメラ前で堂々と出来るマティのほうを選ばないか?」ってこっそりコーチに相談したときは驚きました。おいおい、このプロジェクトに夢持ってたんちゃうんかい!!エンタメ的な見栄えで本当の勝者を切り捨てようと誤魔化しもアリならチーム日産の挑戦者を決めるこの大会もヤラセになるやん!!何考えとんのじゃー!!とイラっとしたらそこは正直なコーチがちゃんと主人公を勝者にしてくれて、あーー良かったこのコーチは信頼出来る!と思いました。
。。が、まぁレース界も広告うてて話題になってスポンサーを得るとかの側面もあるなら、こーいうヤラセも時にはあるor必要なんだろうか。。と少々複雑な気持ちにもなりました。
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そしてレース場面の映像は、これどうやってフィルムに収めたんだろうめっちゃリアルなレース体験を自分もしてるみたいだ、と感心してたら最後になんと
ご本人役のカーレースの車の動き部分は
ご本人がスタントを担当。。。。!!!!
なんですと!!!
それはもうマジでリアルなドキュメントじゃないですか!!!!
いやートップガンも実際に戦闘機を飛ばしてリアルな映像にしてたと思うけど、まさかのご本人が再現してくださっていたとは。。。
映画製作の本気度を感じました!
また途中でコーチが「レース中に感じるか?全てが止まっているような、まわりがゆっくり見えて自分が無敵になっているような感覚を」みたいに話すところ、
鬼滅の刃でいう「透き通る世界の域に到達したか」の話と通じていて、戦闘スキルが一定ラインを越えた者だけに到達出来る達人の域って、きっとどの分野にもあるんだろうな~と感動しました。
主人公が順風満帆にル・マンの表彰台に立つのではなく、そこに至るまでに挫折や恐怖や沢山のことを乗り越えて行く様子が描かれていてとても良かったです。
「俺が何千回ル・マンのコースを走ってきたのか知ってるのか?」
「俺が何度マシンのセッティングをしてきたのか知ってるのか?(ブレーキはちゃんと踏んだ、マシンのほうに問題がある)」
この辺の熟知してる感じが痺れました〜!
でも実際のGに耐えるための物理的な筋トレや体力作りはやはり必要だと思い知らされて、主人公がちゃんと強靭な肉体のためのトレーニングもやり始めるところがカッコよかったです!
慢心することなく、己に足りない所があればそこを強化する、素直な性格も勝利への秘訣だと思いました。見て良かったです!!