「熱いレースで魅せるシンプルなサクセスストーリー」グランツーリスモ おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
熱いレースで魅せるシンプルなサクセスストーリー
レースゲーム「グランツーリスモ」にまつわる実話をもとにしているということで興味をもち、予告映像に惹かれて公開初日に鑑賞してきました。期待以上にエキサイティングな作品で、大満足です。
ストーリーは、レースゲーム「グランツーリスモ」に熱中し、かなりの腕前を誇る青年ヤンが、ゲームプレイヤーをリアルレーサーに育成するプログラム「GTアカデミー」を立ち上げたダニー、ダニーからレーサー指導の依頼を受けた元レーサー・ジャックらとともに、リアルレースでの勝利を目指すというもの。
本作のウリはもちろん熱いレースシーンで、ゲーム画面、街中でのパトカーとのチェイス、アカデミー内でのトレーニングやレース実践、デビュー後の世界各地でのリアルレースと、多様なレースバトルを披露しています。またレース中は、華麗なドライビングテクニック、1秒を争うピット作業、ド派手なクラッシュと、さまざまな角度からその魅力を伝えています。中でも圧巻だったのは、レース中にマシンからすべてのパーツが離れ、ヤンの自室のシミュレーターに変化し、その後またレースマシンに戻っていくという映像です。本作ならではの印象的なシーンでした。
もちろん本作は実話ベースであるため、その経緯も描かなければなりません。それを本作では、単なるゲーマーだったヤンが、GTアカデミーにエントリーし、そこでトレーニングを受け、レースデビューして、ライセンスを取得して、ル・マンに参戦するという、とにかくシンプルでわかりやすい内容で描いています。しかも、わりととんとん拍子にことが進んでいるような印象です。しかし、この潔さがむしろ気持ちいいです。
一方で、ヤンの成長譚として、父親との確執、恋人とのロマンス、恐怖の克服なども描いていますが、正直言って深みはないです。むしろ本作に恋愛要素は不要だと感じました。逆に、ジャックとの絆、アカデミー仲間やビットクルーとの交流は物足らず、もっと熱く描いてほしかったです。限られた尺の中なので、レースにかける人間たちに特化した熱いドラマとして割り切ってもよかったのではないかと思います。
それにしても、内容といい映像といい、リアルとバーチャルの境界がどんどん曖昧になってきた印象を受けました。そのうち、遠隔操作による無人マシンのレースとか、搭乗しない凄腕パイロット同士のドッグファイトとか、医師免許のないゴッドハンドのロボット手術とかが実現するかもしれません。
キャストは、アーチー・マデクウィ、デビッド・ハーバー、オーランド・ブルームら。主演のアーチー・マデクウィも悪くなかったのですが、それ以上にデビッド・ハーバーの存在感が印象的でした。
確かに 深みは無いですね。とんとん拍子。特化必要かもですね。両刃の剣。映像は良かったです。
ただ24時間レースで 秒差にひしめく ってシロウトゆえ謎でした。😊イイねありがとうございます😊