「余計なストーリーは省くという潔さ」SISU シス 不死身の男 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
余計なストーリーは省くという潔さ
フィンランドの映画を観たことあっただろうか。ほぼほぼ記憶にない。
本作は第二次世界大戦の終盤のフィンランドが舞台。ロシアとナチスドイツに攻められたというだけでフィンランドの苦境がうかがい知れる。焦土と化したフィンランドで金掘りをしているジイさんが実は凄腕の兵士だったという設定はなかなか面白い。
あのジイさんが本当に不死身なのか、なにか特殊な訓練を受けたのかといった背景的なものはほとんど触れない。金を掘る目的もはっきりしない。金を掘り当てた道すがら、ナチス軍に遭遇しちょっかい出され、それに抵抗するというだけの話。主人公の背景とかどうでもよくてアクションだけで勝負するということか。ここまで潔いのも珍しい。
でも、それがシンプルな面白さにつながっているのかもしれない。ナチス軍をただただ倒していくという彼の姿がとにかく痛快だった。思ったよりも激しめの暴力表現があって驚いた(いい意味で)。もちろん、そんなことあるかい!ってシーンもちらほらある。ただ、それさえも笑って楽しむのがこの手の映画の鑑賞作法なんじゃないか。どことなく西部劇のようなさすらいのアウトロー的な描かれ方もカッコいい。
いいねフィンランド映画。こんな映画ばかりではないと思うけど。これは続編を期待してしまう。可能性は十分あるはず。
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