劇場公開日 2024年3月22日

「原作のアナザーストーリー」四月になれば彼女は ぎんぞうさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0原作のアナザーストーリー

2024年3月26日
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鑑賞方法:映画館

鑑賞後あれこんな話だったっけ?と、もう一度原作を読んでみた。原作の大切な部分をかなり大胆に端折っている。なのでこの映画はわかりにくいと思う人も多いだろう。でも原作者の川村元気が脚本にも名前を連ねている。ということは、自分の本をあえて解体して再構築し、映画は映画としてアナザーストーリーを作ったのですね。
原作のまま作って欲しかったと言う気持ちはあるが、見終わった後残るものはあったのでこれはこれで良いのだろう。(ちなみに原作の中にハルのお父さんは出て来ません。別れた原因も別のストーリーがあります。弥生がハルのホスピスに行くこともありません)

"愛を終わらせない方法"は人それぞれの関係性によって異なるだろう。そこに解はない。そもそも愛とは何か?(恋とは何かなら「恋は光」が見事に答えを出したけれど。笑)
婚約者の誕生日にプレゼントもなく二人で買ったワイングラスが割れてしまった事に何の感慨もなくおやすみと言って別々の部屋に入っていくフジ。そこに愛はあるのか?大切なものは失ってみて初めてわかるというのはよくある話だけれど。
愛を終わらせたことがある人(多分ほとんどの人)にとってはとても居心地の悪い思いをするだろうけれど川村元気はそういう本を書く人なのだ。これから愛を作る人、現在進行形の人は戒めとしてみてください

藤井風がこの映画のために書き下ろした主題歌"満ちてゆく"が素晴らしい余韻を残す。このエンドロールは見事!

ぎんぞう
ぎんぞうさんのコメント
2024年3月27日

uzさん、コメントありがとうございます。同意見です。あ、インド行かないんだ、とちょっと残念でした。
小説を書いているときにボツにした設定があってそっちを映画にしたのかなって気がしました。
「恋は光」いいですよね!僕も大好きです。

ぎんぞう
uzさんのコメント
2024年3月26日

こんにちは。

終盤は原作の方がよかったなぁ、と感じました。
藤代とハルが見られなかった朝陽に、3人が収束してゆく流れは好きだったので。
『恋は光』、個人的にすごく好きな作品です。

uz