「四月にすでに彼女は」四月になれば彼女は uzさんの映画レビュー(感想・評価)
四月にすでに彼女は
当時読んだハズなのにあらすじを全く覚えてなかったのだが、鑑賞前に再読して理由が分かった。
物語というより感情の揺らぎを捉えた作品だったから。
それは本作も同じだと思うし、だからこそほとんど別物だけど同じ作品なのだと感じる。
ヌシや大島はいないし、ハルの出身も変わってるし、父親が出てきて海外旅行にも行かない。
純は巨乳でないパチ屋店員となり出番は大幅カット、奈々は後輩から先輩のシングルマザーに。
弥生は四月生まれなのに弥生となり、藤代の患者となり、四月のうちに早々に出奔する。
でも、脚本に川村元気も参加しているからか、本質は変えずに分かり易くまとめられていたと思う。
主人公は藤代だが、中心にいるのはハルというのも変わってない。
正直、人物や関係性を描ききれてるとは言えない。
しかし佐藤健が告白のときに呼吸が浅くなってたり、エスカレーター長回しでの表情などで奥行きを与えていた。
森七菜は恋心や悔しさなど、感情の滲ませ方が本当に素晴らしい。
仲野太賀も無神経な藤代への小さな苛立ちや、諦観も孕んだ優しさを絶妙に表現していた。
長澤まさみもともさかりえも良かったが、活発な中島歩が新鮮でした。
原作でも不明だけど、ハルが藤代の住所を知ってたのはペンタックス経由だと自己解釈することにする。
弥生の転職とか、再会した当日に帰宅とか、改変によって終盤が雑になったのは残念。
諸外国の景色が映像として最高だったので、あんな数カットのために飛び回った価値もあると思う。
藤代のことは好きになれないのだが、恐らく同属嫌悪だろう。(見た目も財力も圧倒的に劣るが…)
コメントありがとうございました。やはりますます小説を読んでみようと思いました。純を演じていた河合優実さんが個人的に大好きなのですが、その雰囲気とはガラッと違うのですね。そこも楽しみに読もうと思います。
お返事ありがとうございます。
藤代が弥生をインドのかニャークマリまで迎えに行くのですか?
そのシーンは見たかったですね。
画像検索しました。
原作とは本当に違うのですね。
教えて頂けて良かったです。
コメントありがとうございます。
私は、藤代1人だけ悪いというよりは、3人が3人共終わらせない努力を何もしていなかったという観方でした。
3人が同世代に見えなかったのもノイズになり、年を重ねた容姿の変化も感じられなかった為、時系列も分かりにくかったです。
同棲して結婚間近なカップルの男子(藤井)が元カノ(ハル)のあんな手紙を、今カノ(弥生)の見える所に置く配慮の無さ、割れたグラスの片付けを優先し、弥生を気遣う素ぶりもない藤代。。
そ〜ゆう所だぞ!とは思いましたが、弥生も出奔するほどか?
他の方とのやりとりで、ハルのホスピスに行ったのは、ダー子の潜入捜査だった!と、いう事で納得w
コメントありがとうございました。原作は章の名前に必ず月が入っていました。例えば「5月の横顔」とか「8月の嘘」とか。季節の移ろいと同時に人生の儚さのようなものを感じさせたのですがその部分の再現はほとんどできなかったですね。桜だけです。