駒田蒸留所へようこそのレビュー・感想・評価
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山崎、ロックで
なんて言いたくなる、至高の映画。
とても上品で映画がウイスキーそのもの。予想以上にクラフトウイスキーについて細かく掘り下げられており、興味がめちゃくちゃ沸いた。映画完全オリジナルらしいのだけど、かなり完成度が高くて面白い作品でした。
前半パートは主人公に相当イライラ。
これがあるから後半はたまらなくいいのだけど、やること全てに文句言う姿勢が取り返せないくらいムカついてしまう。よく任されたもんだよ。それだけでありがたいと思わないとね。駒田琉生と上司がべらぼうに優しいから救われてるよ、この人は。ここまでクズに仕立てなくても良かった気がするけど、成長度合いは半端じゃないから後味は非常にいいものでした。
お仕事ムービーは、自分の知らない世界を知るいいキッカケになるから大好き。今年は「高野豆腐店の春」もあったし、この手の映画は心の底からワクワクしちゃう。万人受けはしないだろうけど、もっとこういう映画作って欲しいな。私にとってウイスキーは炭酸水で割って飲むものだったし、それが当たり前だったけど、この映画を見たらロックで飲むことが基準となりそう。しかも、クラフトウイスキーなんて全然触れてこなかったから、これをきっかけに嗜好にハマっちゃいそうです。
なんでも何でも好きでやってる人なんて、この世に誰もいない。自分のやりたいことを全てやれる人なんてそういない。だけど、その中で自分の幸せを見つけて、楽しく生きることが、相手にとっても自分にとっても幸せ。若くして社長になった駒田琉生の生き様は凄くかっこよくて、色々と見習いたいものがありました。シンプルだけど、そっと背中を押してくれる、いい人間ドラマ。人生、楽しく生きなきゃ損だよね。
本作で何よりも驚いたのが、早見沙織の歌唱力。
まさか歌ってるのあなただったの!?エンドロール中に鳥肌でした。マジでプロかと思った...すげぇ。心やすまる、落ち着く声で本作に超ハマっていました。本作、若干粗はあるけど、誰が見ても楽しく学べる、大人向けのいい作品です。ぜひ。
熟成が足りない気がする
P.A.Works お得意のお仕事アニメです。今回は劇場版単体としての『ウヰスキー』製造工場。コレまで通り『お仕事』の細やかな部分やマニアックな描写などが期待されるのですが、劇場版という事でその辺がどうなのかは鑑賞前から気になっていました。
これまで前4作とも2クール展開、中には劇場版も制作され、そのどれもが内容がシッカリ濃く細かく描かれていました。ですが今回は初の劇場版単作、しかも100分に満たない短尺とあってその辺どうだろう?と気になっていました。
結果はやはり、序盤・中盤・オチのどのセクションも割と淡白な印象でした。
転職を重ねて流れ着いた高橋の、イマドキの若者風描写も巧く描けてたかと思ったら中盤で結構強引な感じの切り返し展開。そしてヒロインの駒田琉生も中段初めにワリと重要な伏線がありましたが、その様子がチョッとあり得ない気がするなど、脈絡がない訳ではないのですがイロイロ短絡的に見えてしまい、もうチョッとしっかりシーンを描くべきなのでは?と思った次第です。
そう云う意味でも、サスガに91分は短すぎ。せめて前後編の尺にして欲しかったのですが、原作にも寄るでしょうし、マァこのところの『アニメ創りすぎ』環境もあってかコレが精々だったのかも知れません。
ストーリー自体は在り来りで、展開も何となく読めそうな感じで変哲なし。とは言えイロイロ足りない中でも多少は工夫されてはいた様なので、決して退屈ではありません。言わば優等生・お利口さん的な仕上がりみたいな印象でした。ただし環境美術がCGで描かれた建物や工場内施設のソレと合わない、違和感がある箇所が散見されました。
他に評価できるところは、中の人(キャスト)に人気どころのプロを揃えた事でしょうか。この様に他の作品も安易な話題性に頼ることなく、本作のように餅屋で餅をついて欲しいかなと。
と言う訳で、評価は★4に届かないくらい、チョッと厳し目に付けました。
余談ですが、実は本作は公開封切り日のレイトで鑑賞予定でしたが、その前日にぎっくり腰になり車での長距離移動が困難となり、ようやく痛みが落ち着いた今頃の鑑賞となりました。ところがこの手の作品は1週目が終わるとすぐに1日1回上映の塩対応となり、今回は久しぶりに日中の映画館を訪れ、しかも定価2,000円を支払っての鑑賞。またしても田舎の不便を目の当たりにした一日でした。
家族経営
幻のウイスキーを復活させる感動のお仕事ムービー。 本年度ベスト!!
お仕事ムービーに人間の成長ドラマが組み込まれた感動作って感じ!
この手の作品の中では胸熱度高目で泣ける作品だった。
ウイスキーの蒸留所が被災しウイスキーが作れなくなり社長が他界。
ある理由で息子も家を出て、美大の娘が蒸留所を継いで苦難に立ち向かうストーリー。
数々の困難に立ち向かう姿が胸熱。
これからって時にも新たな災害に見舞われ、そこから立ち上がる姿に感動する感じ。
そんな蒸留所をネットニュースの記者の高橋が取材する中、仕事を辞めようと考えるものの、登場人物達の言葉に記者として成長する感じも素晴らしかった!
蒸留所を経営する駒田琉生(ルイ)。
従業員を守る為、ある企業からの賠償の話に悩み、ある決断をしようとする中、従業員達の言葉に泣ける。
そこから家を出た兄も加わり幻のウイスキーを作る姿が熱い!
ラストシーンは出だしの記者の高橋の姿が弱々しく見えるシーンが映されるけど、たくましくなった今の姿との対比も良かった!
幻のウイスキーが飲みたくなりました( ´∀`)
見つけようとしないと見つからない価値
良いところ
それぞれの働くことの価値がはっきりしていく過程
家族の思い出が家族を幸せにするところ
ダメなところ
日常もののストーリーをトラブルなどの偶然で話を進めるところ
最初は嫌々やってる意欲の薄い若者が段々と周囲に感化されて仕事の価値と意欲を見つけていくという縦糸と、家族の絆があるからこそすれ違ってた者同士が絆によって再生していく横糸が窮屈な感じもなく綺麗に織り込まれてハッピーエンド。実に視聴後の後味のいい作品。
ウイスキーの良さはわからないけど、「家族の酒」というところは共感できる。
EDテーマをなぜ琉生が歌ってるんだ?別にアーティスト早見沙織でよかったのでは。
映画に限らず、アニメという創作物ってものは全てが作られないと存在しないものなので全てに意図がある。だからこそ、たまたまやら偶然というものが存在しないのだから、火事だのうっかりばら撒くとかの滅多に起きないイベントで話を進められると日常もののリアリティが薄くなる。そういうことも現実にあるだろうけど、だからこそ迂闊に持ってくると物語のリアリティがなくなる。それ必要なくない?
劇場にはウィスキーがない
せっかく蒸留所の物語なのでハイボールでも飲みたいなと思っていたのですが
映画館にはウィスキーがない…
まずは、もったいないなと思いながら鑑賞
それほど、ドラマチックに盛り上がる場面はないのだけど
前半は背景がわたせせいぞう氏が描いたような風景が描かれていて
そちらに気持ちがいって気にならなかったのですが、途中から
わずか90分が異常に長く感じるような退屈さがなんともいえない、これはどこに落とし所を作ったんだろう?という
俯瞰でしか物語を見れなくて残念感があったものの、結局
ウィスキー好きにもウィスキーを知らない人にもいまいち刺さらないものの
仕事をする上で繋いでいく、引き継いでいくという良さについてはグッとくるものはあったので
中年には少し響くのかもしれません。
映画館を出てその足で、ウィスキーBARへ駆け込み飲んだウィスキーは美味かったです。
良かった
そうですよねお仕事ですもんね
2023年劇場鑑賞272本目。
若きウイスキーを作る女性社長と、入社半年の男性WEB記者が幻のウイスキーを復活させようと奮闘する話。
最初はいがみ合っていた二人が次第に惹かれ合って・・・みたいな展開かと思っていましたが、まぁ現実はそうですよね。
自分は全く酒を飲まないのですが、料理用に日本酒、紹興酒、赤白ワイン、ウイスキーを常備しています。この映画を見て久々にポークソテーを作りました。
豚ロースに塩コショウした後小麦粉をまぶして焼いて、その後のフライパンにバター、ウイスキー、にんにく(チューブで可)、醤油を入れて中火でアルコールを飛ばします。後は先程の肉と、キャベツの千切りに思いっきりかけると完成です。
ウイスキーが呑みたくなった
家族の酒を造っていく今年最高のアニメ映画
少し前に別のお仕事ムービーを観てガッカリしたので、この映画も大したことないだろうと思い、ポイントを使って無料で観ました。
とにかく心に澄み渡るような音楽を上手く頻繁に使っていて、自然と気持ちが乗ってきました。
琉生の髪の色にブルー系統を使っていて、現代的で親しみのあるキャラを作り上げていました。
自分自身はウィスキー自体飲んだことがなく、知識も全くなかったのですが、ストーリーは初心者でも分かり易く、堅苦しさはなかったです。
光太郎は記者として、琉生は駒田蒸留所の社長として奮闘しますが、そこには守っていきたい伝統、家族の絆や人間としての成長が浮き彫りになっており、涙が出そうなほど何回も感動しました。
現時点では、今年一番のアニメ映画です。
仕事に悩んでいる人に見てもらいたい
実はウイスキー作りの詳しい話はあまり出てこない。
ウイスキーの作り方を知っている人は画面を見たりセリフで何のことを言っているのかピンとくる。
知らない人には暗号だろう。しかし物語の本質はウイスキー作りでは無い。分からなければすっ飛ばせば良いし後で調べても良い。
結構時間も掛かって面倒な代物だで充分。
父親である社長の突然の死によって引き継ぎもできずウイスキー会社存亡の危機となり会社清算になりそうな所を自分の夢を捨て大学を辞めて父親の遺志、社員の意志を受け継いだ娘。
他方仕事が面白く無く何度も転職してまたしても仕事が面白く無くウイスキーと言う興味もない取材仕事を任されて会社を辞めようかと考えている編集者。
どちらも自分から望んだ仕事では無かったが、
幻となってしまったウイスキーを復活させると言う夢を通して成長していき、復活を夢見て希望ややる気を見つけて仕事を成し遂げる。その先に未来を見つける、そんな感じの映画。
娘の方は会社復活となるウイスキーを出して天才ブレンダーとして名を馳せたが、幻のウイスキー復活には取り掛かったばかりだ。
他方やる気の無い編集者は取材を通して何度も失敗し辞めようかと考えながらも娘や社員のウイスキーに対する情熱を見てなんとか力になりたいと考えるようになった。編集者の変化は服装の変化を見ればよく分かる(早い話着るもので季節がどんどん移り変わる)。彼の言動が少し前と変わったなと思うと季節の変わりも感じる。時間の流れがあると言う事だ。彼もまた熟成していき編集者として独り立ちして行くと言う事だ。彼の変化を見ると仕事に不満があってもやって行くと何か良い事がある気がしてくる。
そしてウイスキー飲みたくなった。
やりがいって
5回も転職を繰り返し、今のニュース・サイトの記者の仕事にもやりがいを感じられない高橋光太郎(小野賢章)。
そんな光太郎が編集長の安元広志(細谷佳正)にウィスキー蒸留所の取材を命じられる。ウィスキーの知識がまったくない光太郎は尻込みするが、インタヴュー自体は駒田蒸留所の新進気鋭のブレンダー、駒田琉生(早見沙織)が行い、光太郎はそれを記事にまとめるだけだと説得されて引き受ける。
銘ウィスキー「独楽」で知られた駒田蒸留所は、長野県神城断層地震(?)で設備に甚大な損害を被り、社長の駒田滉(堀内賢雄)は原酒造りを断念して、焼酎造りで急場をしのぐ。兄の駒田圭(中村悠一)はそれを受け容れられずに会社を跳びだし、同業他社の桜盛蒸留所に転職。やがて滉は過労で亡くなり、美大に通っていた琉生が美術の道を諦めて家業を継いだのだった。
うだつの上がらない光太郎は、「独楽」復活に向けて奮闘する琉生がまぶしすぎて、初め反発する。だが、琉生が迷い悩みながらウィスキー造りの道を選んだこと、また「独楽」復活が決して平坦な道でないことを知るにつけ、応援するような気持ちに変わっていく――といったストーリー。
製作陣がウィスキー造りを丹念に取材したらしく、細部の描写は説得力がある。長野の自然をバックにした絵も美しい。
「最初からやりたいことがあってその仕事に就く人」は珍しくて、「たまたま携わった仕事のなかにやりがいを見つけていく人」のほうが多いんじゃないかということを考えさせられる。
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