「独楽に絲、人に縁」駒田蒸留所へようこそ uzさんの映画レビュー(感想・評価)
独楽に絲、人に縁
P.A.WORKS制作でしかもお仕事シリーズ、更に早見さん主演とあっては観るしかない。
しかし、最初の特報からキャラデザの薄さは気になっており…
しかし、実際に観てみるとあまり気にならなかった。
むしろ最初のウイスキー、グラス、氷、マドラーなどの表現から、お酒が主役なのかな、と思ってみたり。
事実、蒸留所などの描き込みと空や森などのそれとでは、力の入れ方も作画のテイストも全然違った。
早見さんの、上品さに可愛らしさと意志の強さを共存させた演技はサスガ。
小野さん、内田さん、細谷さんもよかったが、本作を語る上ではやはり圭を演じた中村さんは外せない。
序盤の悪役へミスリードする硬質さから、後半の温かみのある声色へシームレスに繋がっていた。
脇へフォーカスし過ぎないバランスも絶妙。
薀蓄もうるさすぎず、分かり易く、でも必要な面はしっかり入れ込んであって、下戸の自分でも問題ナシ。
最後の1ピースを母が持っており、「独楽には絲が必要」というのも、理屈以上に伝わるものがある。
家族の物語としてもお仕事ものとしても、強度を持っているのもスゴい。
お仕事シリーズとして、蒸留所と記者の2つを同時にやってのけたことにも驚きを隠せません。
本当に90分だったのかと思うくらい、脚本とコンテが練り込まれていました。
個人的には、「望んだ仕事でなくとも、望まれる仕事であればやりがいを見つけられる」といったメッセージを感じた。
終わり方がややアッサリにも感じるが、キャラに頼らない上質なドラマだったと感じます。
悪人や、バトルや、恋愛がなくても、素晴らしい作品はつくれる。
コメントありがとうございます😊
流行りの「可愛くてごめん」も早見沙織さんだったんですね!!声優力、歌唱力の両方が高いと印象が全く変わりますね...すげぇ。