劇場公開日 2024年2月23日

「幸せの見つけ方」ネクスト・ゴール・ウィンズ おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0幸せの見つけ方

2024年2月26日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

幸せ

観ようかどうしようか迷っていたのですが、みなさんの評価が高かったので鑑賞してきました。評判どおりなかなかおもしろい作品で、観てよかったです。

ストーリーは、2001年ワールドカップ予選で0対31という史上最悪の大敗をして以来、いまだ公式戦ノーゴールの米領サモアのサッカー代表チームが、次の予選が迫る中、その態度の悪さからアメリカのチームを解雇されたロンゲンを監督に迎え、チームの立て直しを図って奮闘する姿を描くというもの。

本作は実話をもとに描かれたようですが、サッカーに疎いので米領サモアの歴史的大敗もその後の奮闘も全く知りませんでした。それでも、十分に楽しめましたし、勉強になりました。鑑賞前は、名監督がチームを徹底的に鍛え上げて強くしていくストーリーかと予想していたのですが、そうではなく、チームに監督自身が救われていくような流れで描かれており、これが実に心地よいです。タイカ・ワイティティ監督によりユーモラスな脚色がなされているとは思いますが、それが爽やかな後味につながっていると思います。

すぐに怒って悪態をつくロンゲン監督に大きな影響を与えたのは、サッカー協会会長のタビタとチームの求心的存在のジャイヤだと思います。タビタは、そのキャラクター自体がいい味を出しているのですが、あわせて、誰に対しても常に相手の幸せを願う姿に心が温まります。また、ファファフィネであるジャイヤが、自分の思いをしっかりとロンゲンに伝えたことで、互いの理解が深まります。ロンゲンが自身を見つめ直し、ロンゲンの思いに触れて自分たちの内に眠る闘志に火がつき、仲間を信じて奮戦する選手たちの姿が熱いです。序盤との対比で描かれる、終盤でトンガ相手に気合を入れるチームの勇姿には、思わず胸が熱くなります。

そんなロンゲンやジャイヤの姿から、自分を理解してもらうには、まず相手を理解することが大切であり、全てはそこから始まっていくのかなと感じます。そういう意味では、一途にチームの変化と初得点、初勝利を目指して、自分の思いに忠実になりふり構わず行動し続け、それでいて監督や選手たちみんなの幸せを願っているタビタ会長こそが、チーム立て直しの一番の功労者のような気がします。どこにでも幸せを見つけられるタビタのような人になりたいものです。

こんな感じで、わかりやすくおもしろい作品ではあったのですが、ジャイヤとロンゲンの衝突から和解までの流れは、ちょっと物足りなかったです。尺の関係でしかたないのですが、できればジャイヤの背景や内面、ジャイヤ以外の選手の掘り下げなど、もう少し描き込みがあるとよかったです。ちなみに冒頭と対をなすポストクレジットがあり、これは楽しかったです。

主演はマイケル・ファスベンダーで、ロンゲンの変容を好演しています。脇を固めるのは、オスカー・ナイトリー、カイマナ、デビッド・フェイン、エリザベス・モスら。

おじゃる
ゆ~きちさんのコメント
2024年3月5日

子供相手じゃ尚更忍耐力と噛み砕く説明力が必要ですよね。子供は可愛いだけじゃなくて、時々悪魔みたいになりますしw

でも、私達も大人たちの無限の忍耐に許してもらって、ここまで成長できたことも自覚しますね。カナダではあまり人気なかったんですが、日本人の方が共感できる作品かもです。

ゆ~きち
ゆ~きちさんのコメント
2024年3月4日

いいね、ありがとうございました。単純ですが、楽しい作品でしたよね。選手というより、確かに監督成長物語でしたwww

ゆ~きち