DASHCAM ダッシュカムのレビュー・感想・評価
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迷惑系の末路
炎上系並びに迷惑系の配信を続けるアニーの当たり前といや当たり前だが、こんなことをする輩には当然ながら罰が待ち受けるわけで、アニーはかつての音楽仲間のストレッチからスマホと車を奪った、いや普通に犯罪じゃん😨
ストレッチが引き受ける予定だったデリバリー先に伺った際にまさかの老婆をデリバリー?
最終的には遊園地のような場所まで辿り着き、殺されそうになりながらも、"私はアニー・ハーディよ"と言い聞かせながら生き延びる。一方、アニーをみかね助けに入ったストレッチは助からず。結局アニーは犯罪の片棒を担いでいたってことがわかるのだが、これでアニーが真人間に戻れば良いんだけど売れたと思い込み更なる炎上を求め過激な行動に出たのが最後のエンドロールならば…。
彼女は反省していないことになる。
最後は罰を受けるという展開もあったほうがスッキリする印象も受けるような気がする。
モラルヤバ女みたいな消費をするのも違う気がした
モラルが終わってるヤバくてタフな女vs怪異みたいな触れ込みというか、そういう感想をよく見かけて、そういう映画を期待して観に行ったんですが、実際観てみるとこの主人公そういう消費の仕方をするタイプのキャラ造形か?とはなった。
というのも、実際映画の段階のアニーは間違いなくヤバい人ではあるし、まぁ元々荒っぽくて下品な人ではあるのは間違いないんですけど、描写をみるに「コロナ禍でおかしくなってしまった」人なんですよね(こういう言い方も不適切なんですが)。コロナ前はここまでではなかったんじゃないかなぁ。
(演者のアニーでなく作中の)アニーはグッズTシャツも出ててきましたが昔はツアーもして多分結構人気のラッパーで、でもコロナ禍きっかけなのかそれはコロナ禍関係ないのかわからないけどラッパーとしておそらく人気がだいぶなくなってしまって、コロナ禍もあって尚更仕事もなく、ライブの訪問者だって20-30人くらいの固定客はいるけどって感じ。そんな状況でラッパー仲間で元彼のストレッチは自分のことも知らない自分とは全く違うタイプの女とイギリスなんか行っちゃってよろしくやってるし……。もちろんだからと言ってアニーの諸々の迷惑行為が正当化されるわけではないし、アニーはヤバいことはヤバいんですけど、「ヤバいことやったるぜ!ウェイ!」みたいなカラッとした感じよりなんか逼迫した悲哀みたいなものがアニーにはあるように感じた。猫に別れを告げるシーンとか、ウーバーイーツ配達員してるストレッチにその仕事は今需要あるから良いねみたいに揶揄するシーンとか。「おかしくならなきゃ耐えられない」みたいな。このライブ配信をみてる皆だけが私を肯定してくれると言っていたシーンはかなり切ない気持ちになった。
あとお漏らししたアンジェラをトイレ連れていってあげるシーンとかも、根っからモラル終わってたらもうあそこでアンジェラ置いて車捨てるとかアンジェラ道に放置するとかするんじゃない?など思っていた。お金はもう貰ったし。まぁライブ配信の撮れ高目的な可能性はあるけど……そういうアニーの根っからモラル終わってるのとは違くないかみたいなのがところどころあった。自分が勝手に期待した「モラル終わってる主人公」が終わりすぎてるだけかな。
なんというか実際コロナ禍でこういうおかしくなり方した人はたくさんいたし、作品としてそういうタイプの人を「揶揄」する意図はないんじゃないかなという気はする。むしろ同じ人間なんだよという地続きな感じ、というかそういうタイプの人の逆にタフとしか言えないおかしみみたいなものを描いてる作品なのかな。まぁライブ配信怪異ものというのが主軸なのでそこはそもそもそんなにこだわるところではないといえばそれもそう。
なんにせよ、映画を実際観るとアニーを「終わってる笑」みたいにして対岸の出来事のように切り離す消費の仕方をするタイプの映画かコレ?とは思った。一貫してライブ配信の画面で流れ続ける生っぽさ、アニーの「実際いる」感じ、ライブ配信越しに無責任なこと言いまくるコメントの生々しさなどを踏まえると、「アニーやば笑」みたいな消費の仕方って画面越しすぎて、そしてそういう安全圏で画面越しの消費をして欲しいと思ってる映画(そういうのはそういうので良いと思う)とはちょっと違う気がした。
映画自体は面白かったんですが、期待したクズな主人公が無茶苦茶するタイプのジャンル(そういうのも大好き)とは個人的にはちょっと違ったし、アニーをそういう消費するのなんかちょっと心痛むな、という感じでした。
とはいえモラル終わり度でいうと閉店した店のゆで卵の瓶に腕突っ込んで勝手に食べるシーンは終わってて最高だった。めっちゃ最悪なんだけど、まぁあの店も多分ろくでもないしな……とはいえ客に罪はないしろくでもないし店だとて最悪……。
映画全体についてだと、怪異ものとして目新しいところはあまりないんですが、テンポ早いし面白いシーンも派手なシーンもあって楽しかったです。テンポ早すぎて最後らへんなんかホラーゲーム実況観てるみたいな気持ちにもなった。ただ仕方ないけど一人称視点が多いのでちょっと酔う。
来場者人数がヤバいシーンになるとめっちゃ増えるのとかも良かったな、無責任で。血の色が赤すぎるみたいなコメント、グロ系の動画にあまりにつきがちなコメントで面白かったし、実際この映画の血の色は赤いので尚更笑えた。
アンジェラを追ってる怖い女の正体は…みたいなところとかも、王道だけどグッときた。
あと、こういうタイプの映画はそもそもタブレットとかスマートフォンとかパソコンとかで観るのが良いんだろうな〜とは思った。大画面で観て楽しかったけど。
コメントもちゃんと読みたいから配信でゆる〜と観たいな。
こういうタイプの演出してる映画、難しいのは承知なんですが画面の英語コメントとか英語表示のUIとか、そこに日本語を埋め込む形で日本語版作るとかできないんでしょうか……。そういうバージョンでも(そしてできたらその場合吹き替えで)観てみたい。この映画スラングも多いしラップばかりで翻訳も大変でしょうが、とはいえだからこそ英語で理解しきるには難易度が高すぎる!!セリフの字幕読みながらコメント追うのが正直厳しいところも多かった……。
倫理観、奪取。
今週は新作が少ないので、先週の取りこぼしを観に行っています。日曜の昼間なので半分くらい座席は埋まっていました。監督の作品の「ZOOM」があまりハマらなかったので、今作はどうなるんだろう、「ブギーマン」も控えていますし、ある種の試金石的な作品です。
まぁお下劣で頭のネジがぶっ飛んだ迷惑系配信者の主人公が、これまた頭のぶっ飛んだ怪物に襲われるPOVホラーに仕上がっていました。
主人公のアニーが救いようのないクズなので、共感は一切できません。ロックダウン中の街でマスクをせずに、勝手に友人の家に訪問し、叩き起こすわ冷蔵庫は開けるわ、車は盗むわで、いかにも怪物の標的にふさわしい奴に仕上げてくれていました。なのでこの後たくさん酷い目に合いますが、その度にどんな感じで痛めつけられるんだろうとSっ気な頭で観ていました。連れ回されるストレッチの身にもなってほしいもんです。
今作の怪物はアンジェラという一見老婆に見えるけれど、実際は子供という設定なんですが、ここの説明が殆ど無いのでさっぱり分かりません。とりあえず糞尿漏らしまくって、口を何故かホチキスで閉じて血まみれになって、なんかめっちゃ高速移動しながら赤く光って、挙げ句の果てに宙に浮かんで、なんか消えるとかいうとんでもムーヴをぶちかましてきます。コメディと割り切って観ていたので、そこそこ楽しめました。それと同時にアニーをボコボコにしてほしいなぁとこっちを少し応援していました。
基本的には配信中の画面に逃げ惑う様子や、襲われる様子がびっしり映され、吐瀉物も血もう○ちも小便も全部映すので、画面は基本的にベッチャベチャです。R指定一歩手前くらいにはド派手なので、そこを大して期待していなかったので不意を突かれました。
アニーのエンドロールでの歌、何歌ってんだ?ってレベルで語彙力の低い下ネタ満載ラップを体感8分くらい聞かされ続けます。心にかすりもしない歌を延々聞かされるのは中々の苦行でした。ここの視聴者はこれを見続けて平気なんだろうかと色々心配になりました。
クオリティは高くないですし、不快なシーンばっかりですが、アニーの突き抜けたクズっぷりとビビらせっぷりは中々だったので、「ブギーマン」は結構楽しみになりました。
ただ何故これを劇場公開して、「スクリーム」や「死霊のはらわた」の新作を配信スルーにするのか。これが全くを持って分からないです。
鑑賞日 7/23
鑑賞時間 13:50〜15:14
座席 I-6
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