「倫理観、奪取。」DASHCAM ダッシュカム ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
倫理観、奪取。
今週は新作が少ないので、先週の取りこぼしを観に行っています。日曜の昼間なので半分くらい座席は埋まっていました。監督の作品の「ZOOM」があまりハマらなかったので、今作はどうなるんだろう、「ブギーマン」も控えていますし、ある種の試金石的な作品です。
まぁお下劣で頭のネジがぶっ飛んだ迷惑系配信者の主人公が、これまた頭のぶっ飛んだ怪物に襲われるPOVホラーに仕上がっていました。
主人公のアニーが救いようのないクズなので、共感は一切できません。ロックダウン中の街でマスクをせずに、勝手に友人の家に訪問し、叩き起こすわ冷蔵庫は開けるわ、車は盗むわで、いかにも怪物の標的にふさわしい奴に仕上げてくれていました。なのでこの後たくさん酷い目に合いますが、その度にどんな感じで痛めつけられるんだろうとSっ気な頭で観ていました。連れ回されるストレッチの身にもなってほしいもんです。
今作の怪物はアンジェラという一見老婆に見えるけれど、実際は子供という設定なんですが、ここの説明が殆ど無いのでさっぱり分かりません。とりあえず糞尿漏らしまくって、口を何故かホチキスで閉じて血まみれになって、なんかめっちゃ高速移動しながら赤く光って、挙げ句の果てに宙に浮かんで、なんか消えるとかいうとんでもムーヴをぶちかましてきます。コメディと割り切って観ていたので、そこそこ楽しめました。それと同時にアニーをボコボコにしてほしいなぁとこっちを少し応援していました。
基本的には配信中の画面に逃げ惑う様子や、襲われる様子がびっしり映され、吐瀉物も血もう○ちも小便も全部映すので、画面は基本的にベッチャベチャです。R指定一歩手前くらいにはド派手なので、そこを大して期待していなかったので不意を突かれました。
アニーのエンドロールでの歌、何歌ってんだ?ってレベルで語彙力の低い下ネタ満載ラップを体感8分くらい聞かされ続けます。心にかすりもしない歌を延々聞かされるのは中々の苦行でした。ここの視聴者はこれを見続けて平気なんだろうかと色々心配になりました。
クオリティは高くないですし、不快なシーンばっかりですが、アニーの突き抜けたクズっぷりとビビらせっぷりは中々だったので、「ブギーマン」は結構楽しみになりました。
ただ何故これを劇場公開して、「スクリーム」や「死霊のはらわた」の新作を配信スルーにするのか。これが全くを持って分からないです。
鑑賞日 7/23
鑑賞時間 13:50〜15:14
座席 I-6